10月から11月にかけて、本格的な冬の到来を前に、欧州で新型コロナ感染症第2波が猛威をふるっている。各国とも春の第1波を上回る感染の拡大ぶりである。
歯止めのかからない感染拡大に、欧州各国は続々と再ロックダウンや規制強化措置を発動。株式市場では、経済活動の抑制と景気のさらなる減退を見すえた投資家たちが次々欧州株を売り、10月下旬以降、欧州株は全面的な暴落が続いている。
たとえば、春の第1波に比べ、1日あたりの新規感染者が6.8倍にものぼっているフランスでは、10月23日月曜日から大きく株価が暴落し、その後続落し続けている。
欧州にまして新型コロナの猛威にさらされている米国市場も、欧州市場の暴落と連動して続落。この連鎖反応は、1920年代の末から30年代にかけてのウォール街大暴落の再来すら予感させる。
こうして欧米経済がコロナの感染再爆発をきっかけに、負のスパイラルに沈んでゆく一方で、世界経済の主要なプレイヤーのうち、中国経済のみが、対照的に上昇し続けている。
10月14日に発表された、IMFの最新版「世界経済見通し」によって、2020年の先進国諸国の経済が全て沈没する中で、コロナ封じ込めに成功した中国だけがプラス成長を維持している現実が、世界中に明らかになった。
こうしたコロナ禍におけるグローバル経済の「ニューノーマル」に対し、為替マーケットは敏感に反応し、人民元の対ドル相場は上昇の一途をたどっている。7月初めから10月下旬にかけての上昇率は7%に迫る勢いである。これは、何を意味し、何を予告するものなのか。
この問題について、IWJでは続報を改めてアップする予定である。ぜひご覧いただきたい。