都立墨東病院が院内感染で新規の患者受入を原則中止をした4月19日、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏はこうツイートをした。
「もうガックリだ。1ヶ月以上前からマスク枯渇訴えていた墨東病院が院内感染で新規受け入れ中止。
都内随一の能力で、時にエクモ複数台回してコロナ重症者救命に全力で努力していた。東京に4ヶ所しかない高度救命救急センター1ヶ所が受け入れ中止になったら何が起きるか想像もつかない。都は見殺しにした」
今年に入ってからのツイッタ―をまとめた『新型コロナウィルスの本当の話』を5月に緊急出版した伊藤氏は、小池都政のデタラメなコロナ対応を告発、医療現場のSOSをいち早く政治家に伝える役割もしていた。マスク枯渇寸前の都立墨東病院の危機的状況を福山哲郎幹事長(立憲民主党参院議員)に情報提供したのも伊藤氏で、3月2日の参院予算委員会で加藤勝信厚労大臣らを問い質すことになった。
▲4月21日に緊急救命受入中止をした都立墨東病院は、1ケ月半以上前から医療用マスクが不足、国会でも取り上げられたのに都は「マスク確保」と大嘘発信、医療現場のSOSを隠蔽改竄した。(横田一氏提供)
都立墨東病院の惨状!! マスク不足を隠蔽改竄!?
しかし4日後の3月6日に都病院経営本部はホームページで「診察に必要な医療用マスクを確保しています」とマスク不足を否定した。医療現場の悲鳴(SOS)を受止めて有効策を打つ代わりに危機的状況を隠蔽改竄したのだ。
ところが国会審議から約1ヶ月半後の4月19日、墨東病院が院内感染で新規の患者受入を原則中止をしてしまった。伊藤氏が怒りのツイートで都の対応を問題視したのはこのためだ。
「こんな体制で1ヶ月も続ければ(墨東病院で)院内感染が出ないわけがない。国会で福山議員が加藤厚労大臣に、(情報提供をした配布文書にある)この写真を見せてマスク不足解消を迫ったが、全マスコミは墨東病院の窮状と東京都のマスク不足無しという大嘘を看過した」
墨田区にある都立墨東病院は、多くの新型コロナウィルス感染者を受入れてきた感染症指定医療機関で、三次救急医療(重症~危篤)も担ってきた。しかし、そんな地域の中核病院が新規患者受入の原則中止の2日後の4月21日、緊急救命患者の受入中止にまで追い込まれてしまったのだ。
これを受けて私は、4月23日と24日の小池知事会見で声掛け質問をした。都知事会見で小池氏によく指名される“お気に入り記者”たちは、都の大嘘を質問したことはなかった。そこで、マスコミが看過した「マスク不足無し」の大嘘発信について2日連続で問い質したのだ。
「知事の隠蔽改竄が墨東病院の医療崩壊の原因ではないか。ずっとマスク不足だったのに(都病院経営本部はHPで)『マスク確保』と大嘘の発信をしたではないか。都病院経営本部の責任はないのか。嘘八百ではないのか」(4月23日)。
▲墨東病院のマスク管理実態1(伊藤隼也氏提供)
▲墨東病院のマスク管理実態2(伊藤隼也氏提供)
▲墨東病院内の貼り紙1(横田一氏提供)
▲墨東病院内の貼り紙2(横田一氏提供)
記者会見で、「マスク不足」隠蔽の事実を質すも、小池知事は一言も発せず退席!
「知事が見殺しにした墨東病院、ずっとマスク不足だったのに『マスク確保』と大嘘発信をしたではないか。都の隠蔽体質が医療崩壊を招いたのではないか」(4月24日)
しかし小池知事は両日共、一言も発しないまま会見場から立ち去った。24日には会見終了直後から、都職員がマイクで「会見は終了しました」と繰り返し叫んで、私の声かけ質問を聞こえにくくもした。