はじめに
(1)伊東信久氏は、2012年衆議院総選挙に立候補して初当選し(小選挙区選挙)、2014年衆議院総選挙で再選された(比例代表選挙)。
2017年衆議院総選挙では当選しなかったようだが、
いまだに「日本維新の会」の党員のようで(https://n-ito.jp/profile/)、
「戦争」発言で除名処分となった丸山穂高衆議院議員(大阪19区)の後任支部長に就任し、
次期衆議院総選挙に立候補するようである(https://www.sankei.com/politics/news/190603/plt1906030016-n1.html)。
(2)このブロブの連載「その59」の投稿において、
直近3回(2012年、2014年、2017年)の衆議院総選挙で
「日本維新の会」の馬場伸幸幹事長(現在)の選挙運動資金の残金約942・6万円が、
収支報告の期待される選挙区支部・資金管理団体等で収支報告されていないことを指摘した
(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51922296.html)。
(3)伊東信久氏についても同様の問題、それも、
金額が馬場伸幸幹事長よりも多額であることを発見したので具体的に指摘する。
1 2012年衆議院総選挙における選挙運動資金の残金は208・7万円強
(1)まず、2012年総選挙の時。
伊東信久候補は「日本維新の会」公認で立候補していた。
2012年12月16日執行の衆議院小選挙区選出 議員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8407948_po_251227選管事務局告示112号.pdf?contentNo=24&alternativeNo=)
における「伊東信久」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(76頁)には、
2012年11月18日~2013年1月9日までの収入総額は
計1559万8553円と記載されている。
一方、
同じ期間の支出総額は計1493万5326円で、
そのうち「公費負担相当額」は142万4113円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
伊東信久候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した1351万1213円となり、
208万7340円の黒字となる。
(2)では、この選挙運動資金における208・7万円強の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?
2013年1月9日以降、馬場伸幸議員の選挙区支部などに寄附が
なされていたのだろうか?
伊東信久議員(当時)が代表を務めていた「日本維新の会衆議院大阪府第11選挙区支部」
の2013年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272104/2013.pdf)
また、伊東信久議員の資金管理団体「伊東信久政経外科学会」
の2013年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272103/2013.pdf)
さらに、「伊東信久後援会」の2013年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272102/2013.pdf)
を、
それぞれチェックしたが、
2013年1月9日以降、伊東信久候補(または選挙事務所)から
208・7万円強の寄付を受領したとの記載はない。
(3)要するに、
2012年衆議院総選挙における伊東信久候補の選挙運動資金の実質的残金
208・7万円強は、収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で
収支報告されてはないのである。
他の政治団体で収支報告されたのだろうか?
2 2014年衆議院総選挙における選挙運動資金の残金は1463・5万円強
(1)次は、2014年衆議院総選挙の時。
伊東信久候補は「維新の党」公認で立候補していた。
2014年12月14日執行の衆議院小選挙区選出議 員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9928219_po_%EF%BC%88差し替え%EF%BC%89280310選管事務局告示10号.pdf?contentNo=14&alternativeNo=)
における
「伊東信久」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(63頁)には、
2014年11月20日~同年12月15日までの収入総額は
計2023万円と記載されている。
一方、
同じ期間の支出総額は計800万1681円で、
そのうち「公費負担相当額」は240万6981円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
伊東信久候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した559万4700円となり、
1463万5300円の黒字となる。
(2)では、この選挙運動資金における1463・5万円強の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?
2014年12月15日以降、伊東信久議員の選挙区支部などに寄附(戻し金)が
なされていたのだろうか?
伊東信久議員(当時)が代表を務めていた「維新の党衆議院大阪府第11選挙区支部」
の2014年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272101/2014.pdf)
また、伊東信久議員の資金管理団体「伊東信久政経外科学会」
の2014年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272103/2014.pdf)
さらに、「伊東信久後援会」の2014年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272102/2014.pdf)
を、
それぞれチェックしたが、
2014年12月15日以降、伊東信久候補(または選挙事務所)から
1463・5万円強の寄付を受領したとの記載はない。
(3)要するに、
2014年衆議院総選挙における伊東信久候補の選挙運動資金の実質的残金
1463・5万円強は、収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で
収支報告されてはないのである。
他の政治団体で収支報告されてたのだろうか?
3 2017年衆議院総選挙における選挙運動資金の残金は102・5万円強
(1)最後に、2017年総選挙の時。
伊東信久候補は「日本維新の会」公認で立候補していた。
2017年10月22日執行の衆議院小選挙区選出議員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11160490_po_300813選管事務局告示第83号.pdf?contentNo=10&alternativeNo=)における
「伊東信久」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(57頁)には、
2017年9月20日~同年10月31日までの収入総額は
計674万円と記載されている。
一方、
同じ期間の支出総額は計819万0837円で、
そのうち「公費負担相当額」は247万6023円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
伊東信久候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した571万4814円となり、
102万5186円の黒字となる。
(2)では、この選挙運動資金における102・5万円強の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?
伊東信久候補が代表を務めていた「日本維新の会衆議院大阪府第11選挙区支部」
の2017年分政治資金資金収支報告書
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306681/29PY0002.pdf)
また、「伊東信久政経外科学会」の2017年分政治資金収支報告書
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00307487/29ab0497.pdf)
さらに、「伊東信久後援会」の2017年分政治資金収支報告書
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00307487/29ab0491.pdf)
を、
それぞれチェックしたが、
2017年10月31日以降、伊東信久候補(選挙事務所)から
102・5万円強の寄付がなされたとの記載はどこにもなかった。
(3)要するに、
2017年衆議院総選挙における伊東信久候補の選挙運動資金の実質的残金
102・5万円強は、収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で
収支報告されてはないのである。
他の政治団体で収支報告されているのだろうか?
4 まとめ
(1)以上によると、
伊東信久候補の選挙運動資金の実質的残金は、
2012年衆議院総選挙では 208万7340円
2014年衆議院総選挙では1463万5300円
2017年衆議院総選挙では 102万5186円
以上の残金合計額は1774万7826円である。
選挙運動資金の残金は、政治活動のために支出するのであれば、
自身の関係する選挙区支部・政治団体で収支報告されるべきだが、
伊東信久候補(または選挙事務所)は、そうしてはいない。
(3)伊東信久候補または出納責任者らは、
上記の各残金を、その都度どう処理したのだろうか?
選挙運動の裏金として違法支出したのだろうか?
選挙後の政治活動の裏金として違法支出したのだろうか?
誰かがネコババしたのだろうか?
そのいずれかが真実だからこそ
直近3回の選挙運動資金の残金計1774万7826円を
自身の関係政治団体等に寄付せず収支報告していないのではないか、
との疑念が生じる。
(4)伊東信久氏は、現在、国会議員ではないが、
以上の疑念は国会議員時代や総選挙時のものだし、
次の衆議院総選挙に立候補するようだから、
上記疑念を払拭するために説明責任を果たすべきである。
(つづく)