2009年12月17日午後、平河町の都道府県会館で行われた全国知事会に出席する橋下徹大阪府知事を、岩上安身が取材し、普天間移設問題と関西空港について質問した。
特集 辺野古
2009年12月17日午後、平河町の都道府県会館で行われた全国知事会に出席する橋下徹大阪府知事を、岩上安身が取材し、普天間移設問題と関西空港について質問した。
■全編動画 ※画像・音声がたいへん乱れております。申し訳ございません。
記者A「戦略会議の中で、普天間問題については今日は言及されるおつもりですか?」
橋下知事「します」
記者A「どういうテーマで?」
橋下知事「国内で、あ、ごめんなさい。『本州で受け入れるというような表明をすべきだ』と。もし政府から要請があれば、そういう検討を始めるということを表明すべきだということは、強く主張します。これはもう本州、あ、北海道も四国も九州も含めてですけど、これはもう義務です。責任。
知事会や、市町村長会は国に対して対等な関係ということをしきりに言ってるわけですよ。対等の関係というのは、責任も対等に負わなきゃいけない。今までの地方は、要望ばっかり。権限をよこせ、金をよこせ、ばっかりだったんですが、『責任も自ら負っていくよ』ということを言って初めて対等な関係になれるんで。地域主権、地方分権というのは、責任を伴うものだと思ってますから。
この普天間問題については、どう進めるかとかは、これは政府が考えることなので。安保政策については、一介の自治体の長があーだこーだ言うべきじゃないですけれども。政府から話があれば、議論に乗っかる。
『始めから拒否するんじゃなくて、議論しますよ』と。『受け入れを前提に話をしますよ』ということを、知事会として表明すべきだということは、強く言いますが、ほぼ却下されるでしょうね。僕の今のポジションからすると。でもそれは強く粘って、言っていきたいと思います。それやんないと、知事会の意味ないですよ。それぐらいね、責任負わないと」
記者B「この件に関してはだいぶ風当たりも強いところがあるようですが、どうですか?」
橋下知事「誰から風当たりですか?」
記者B「いろいろ。他の知事さんから」
橋下知事「ああ、それはこの件だけじゃなくて、いろんなことで風当たり強いですからね。もういつものことなんで」
岩上安身「知事。国民新党の下地氏がですね。昨日の時点で取材したんですけれども。先週末、渡米した際、アメリカの政府高官と会った時に関空の話を直接したところですね、『もし関空という話が日本政府から出れば、アメリカ側としてOKする』と。アメリカ側の耳に、関空という知事の発言が、耳に入っているということなんですけれども。これについてのお考えを、ちょっと聞かせていただけますか?」
橋下知事「もう、それは安保政策にかかわることなので、本州の中がいいのか、国外がいいのか、こういうご判断は、鳩山首相を始め、政府のみなさんがされることなので。僕は、『国内にすべきだ』という、そういう話をする権限も責任もないと思ってるんですね。
ですから、政府から要請があれば、国内できちっと受け入れ検討をする用意があるってことを表明すべきってこと。ここはやはり、メディアの皆さんにちょっと誤解されてしまうと非常に困るのが、僕が『国内に絶対に移すべきだ』というと、これはもう重大な越権行為というますかね。
だから、どこにするかというのは政府の判断ですけれども、地方に要請があれば、それは関空であろうが何であろうが、地方は責任を持って政府と議論をする。国と地方の協議の場、その法制化というのを僕はずっと主張してきましたけどね。
それと、地方との協議の場が、今は知事会も市町村長会も自分たちの、『金くれ』とか『権限くれ』とかっていう、そういう協議の場になってますが、僕は、政府が地方に『考えろ』と、それを言う場が、国と地方の協議の場だと思ってますので。
ただ、大前提としてそれは、どこにするとか、日米安保のことをどうするか、これはもう政府の専権事項ですから。僕が言うことじゃありません。あくまでも、『要請がくれば、きちんとこれは議論するってことを、知事会として表明すべきだ』ということは、強く訴えかけていきます」
岩上「もう一点。以前、大阪まで知事のお話を伺いに行った時にですね。知事は、『上京して小沢幹事長にカジノ法案について陳情する』ということをおっしゃってて」
橋下知事「はい」
岩上「で、その時に、『まず最優先されるべきは沖縄であり、沖縄振興策と絡めて、その話をしたい』とおっしゃっていたと思います。その点、今回、小沢さんとお会いするというのは、まさにその陳情に当たるのでしょうか?」
橋下知事「いえ、沖縄にカジノ特区作るべきだというのは、『民主党さんに働きかけます』という風に僕はあの時は、お答えしてないと思うんですね。僕の見解として、『カジノ特区やるにしても、まずは沖縄が最優先でしょ?』という風に言ったまでで。
安保政策等に絡んでくる話なので、『そこまで僕が言うことではないな』とは思ってます。あくまでも大阪のちっぽけな、ちっぽけななんて言ったら大阪府民の皆さんに申し訳ないですけど。小沢幹事長からすれば、いちローカルの話で、大阪の話として小沢幹事長にはいろいろ、お話をしに行きますけれども。そこに沖縄の話とかそういうことを持ち出すのは、越権行為かと思いますので」
記者C「今日は仲井真知事も上京されてましたけれども、会談とかはされているんでしょうか?」
橋下知事「そういうのは調整してません。聞いてません。だから僕は、政府に働きかけるとかは、とてもじゃないですけど、そんな権限も責任もありませんし。ですから、政府に働きかけるんじゃなくて、知事会の中で『自治体の長どうしの中で、そういう用意があるってことは、責任持って表明しましょう』っていうことは知事会の中でだけ言います」
岩上「三党合意でですね、三党で協議をするという形で、この普天間問題を事実上先延ばしというような事になったわけですけれども。これについて。専権事項というふうにおっしゃっておりますけれども、知事のお立場からみてどんなふうにお感じになりますか?」
橋下知事「これはもう、政府の決められることですからね。僕はそこまで、安保政策やそういうところまで、意見言えるような立場じゃないので。でも、繰り返しになりますけれども、政府からの要請があれば、これは、自治体の長としてしっかり住民に説明責任を果たしていく。住民の(※聞き取り不能)っていうのが自治体の長の責任ですから、政府から要請があれば、これは知事会として協議に応じると。これをね、言わなかったら知事会なんて解散してもいいし、国と地方の協議の法制化なんていらないんじゃないですか。
こっち側から要求ばっかりして、向こうから要請があった時は拒むなんてのは、これはあり得ないですし。だからそこを、戦略会議で言いますけれども。まぁ、おそらく却下されますんで。はい。おそらく」
司会「はい、ここらで終わらせていただきます」
(質疑応答ここまで)
なお、これに先立ち岩上安身は、2009年11月30日に大阪府庁での囲み会見においても、橋下徹大阪府知事に対して質問をしている。質疑応答の一部始終は、下記記事をご覧いただきたい。