TPP11と日欧EPAが超危険!! 食料自給率が20%を切る!? 種子法廃止で有機栽培できる土地が消える!? 遺伝子組み換え食品ばかりが食卓に ~市民が変える日本の政治 オールジャパン学習会 2018.4.19

記事公開日:2018.4.21取材地: テキスト動画
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(取材:八重樫拓也 文:奥松由利子)

特集 TPP問題
特集 種子法廃止の衝撃「食料主権」を売り渡す安倍政権
※2018年5月7日、テキストを追加しました。

 敗戦後の食料不足が続く1952年、「国民を飢えさせないために」と制定された種子法(正式名称:主要農作物種子法)は、2016年秋、内閣府の規制改革推進会議の農業ワーキング・グループにおいて、「民間企業の農業への参入を阻む」と指摘された。2017年2月には異例の早さで種子法廃止法案の閣議決定があり、同年4月、参院本会議で可決、成立。こうして、日本各地の気候風土に合ったコメ、麦、大豆の優良品種の育成と安定供給を半世紀以上にわたって支えてきた種子法は、2018年4月1日に廃止された。

 これに対し、食の安全や種子生産技術の海外流出などを懸念した野党6党(立憲民主党、日本共産党、希望の党、無所属の会、自由党、社民党)は、2018年4月19日、種子法復活法案を衆議院に共同提出している。

 同じ2018年4月19日、東京都千代田区の衆議院第二議員会館にて行われたオールジャパン平和と共生の学習会「市民が変える日本の政治 オールジャパン学習会 さようなら!アベノミクス『むしり取る経済政策』から『分かち合う経済政策』へ 亡国のTPP11と種子法廃止」では、経済学者の植草一秀氏や元農水大臣の山田正彦氏らが国の食料主権が失われる危機感を訴え、TPP11や日欧EPAについても警鐘を鳴らした。

▲種子法廃止で有機栽培のコメを作れる土地がなくなってしまう(イメージ写真)

 オールジャパン平和と共生の顧問で運営委員でもある山田氏は、国が補助金をチラつかせながら飼料米の収量アップを農家に迫り、F1種や遺伝子組み換えの種子へと誘導する構図を紹介。「各地の農家が遺伝子組み換えの飼料米を作り始めたら、稲の花粉は1.5キロ四方に飛んで交雑するので、日本で有機栽培のコメを作れる土地がなくなってしまう。結果的に、われわれは遺伝子組み換えのものを食べることになる」と懸念した。

 オールジャパン平和と共生運営委員の植草氏は、安倍政権の経済政策であるアベノミクスの問題点を改めて指摘し、経済活動の成果をどのように分け合うかという分配政策「シェアノミクス」を提案。消費税廃止、最低賃金の引き上げ、最低保障年金制度、一次産業への個別所得保障、奨学金徳政令(債務免除)など、5つの具体的なプランと効果について説明した。

 「今の日本は、国民の主権がすべて総理大臣に持っていかれている」と語ったのは、オールジャパン平和と共生の最高顧問、原中勝征氏だ。このままアメリカ追従の政策を続けると、日本の独立性も国民の決定権もなくなると危惧し、「子どもや孫の世代にとんでもない国を残すことのないように、決めるのは自分たちだという意識を国民全員が持つことが重要だ」と力を込めた。

 なお、オールジャパン平和と共生は、6月6日に東京の憲政記念館講堂にて、オールジャパン総決起集会を開催する予定である。

記事目次

■ハイライト

アベノミクスの本質は弱肉強食! 目指していたのは国民の利益ではなく、グローバル資本の利益だった!

 冒頭で挨拶に立った原中氏は、元日本医師会会長という視点から、輸入農産物の増加によって日本の食の安全と国民の健康が脅かされる危険について語った。

▲オールジャパン平和と共生最高顧問、元日本医師会会長・原中勝征氏(IWJ撮影)

 「日本は大豆の輸入が多いが、遺伝子組み換え大豆を食べたラットの50%にがんができたという実験がある。また、成長ホルモンを与えた牛の牛肉や牛乳を摂取していると、乳がんになるリスクは8倍、前立腺がんのリスクは2倍という報告もあり、アメリカのある州では成長ホルモンの使用をストップした。EUやロシア、中国が輸入を制限するような食品を、(アメリカの大統領に)『晋三、お前は信頼できる』などと肩を叩かれて、日本が買うのか。遺伝子組み換え食品や成長ホルモンの恐ろしさを、国民が知らなければいけない」

 続いて植草氏が、「むしり取る経済政策」から「分かち合う経済政策」への転換、と題した講演を行なった。

 はじめに、「アベノミクスとは、大資本の利益を追及するもの。賛同する勢力はグローバルに展開する巨大資本だ。アベノミクスの本質は、すべてを市場原理に委ねる弱肉強食であり、政府の役割を小さくして民営化を推進する。1%が99%を支配する構図で、その99%はどんどん下流に押し流され、格差は拡大する。当初、謳われたトリクルダウン(大企業の利益を拡大すれば、やがて労働者にも利益が回る)は嘘八百だ」と断じた。

 そして、アベノミクスの「3本の矢」について、次のように検証した。

 「1本目の金融緩和は、インフレ誘導を目指して失敗した。インフレ誘導は、国民にとっては百害あって一利なし。結果的に失敗したことは、国民には不幸中の幸いだ。もともとインフレ誘導は目指すべきものではなかった。

 2本目は財政出動。2013年には財政出動したが、2014年は消費税を8%に増税したため、財政出動の効果は出なかった。消費税の増税で日本経済は景気が後退、不況に突入。ただし、財務省は不況になったことを隠蔽している。2019年10月には消費税10%になる予定だが、どうなるのか。

 3本目の矢は成長戦略。ただし、何の成長かを示していないところが要注意である。政府が目指しているのは国民の利益ではなく、大資本の利益の成長である。これがアベノミクスの核心なのだ」

アメリカに翻弄される日本の経済と金融! バブル景気と崩壊、日本版金融ビッグバン、りそな銀行救済、郵政民営化

 植草氏は、「戦後の日本とは、アメリカが支配する日本である」と指摘。ここで言うアメリカとは、金融資本、軍事資本、多国籍企業の3つであり、アメリカの日本支配の実働部隊が、日本の官僚機構と日本の大資本なのだと語った。「米国、官僚、産業、政治、情報(マスメディア)」の5つによって、日本が支配される構造が続いてきたという。

 日本が抱える3つの領土問題も、日本が近隣諸国と仲良くならないように米国が埋め込んだ策略であるとし、対中国は尖閣諸島、対韓国では竹島、対ロシア(旧ソ連)では北方領土を未解決状態におくことで、アメリカのコントロールが効くようにしていたと述べた。

 また、1980年代の日本のバブル景気もアメリカの事情によるものだと説明。高金利、ドル高でアメリカの赤字が増えたので、人為的にドルを下げて円高へ。プラザ合意で日本の金利が下がると日本の資産価格が上昇し、日本企業がロックフェラーセンターなどの海外物件を買い漁るようになった。

 「ここで日本が目立ちすぎたため、1980年代の後半は日本叩きへ転じて、バブル崩壊が誘導された。1990年代以降は、日本にとって失われた20年。バブル崩壊で日本の金融市場は大混乱となり、不良債権問題で日本の金融機関の体力は急激に低下した。そのタイミングで1996年、橋本龍太郎政権の日本版金融ビッグバン。日本の金融市場を全面開放させた。破綻した日本の金融機関を外資が安く買い取り、外資系保険会社が急増した」

 そして、小泉純一郎政権の2003年に起きた、りそな銀行への公的資金注入について、植草氏は「深い闇」と表現しながら、このように続けた。

▲りそな銀行本店(Wikimedia Commonsより)

 「りそなは、経営陣だけが一掃され、公的資金で救済された。小泉・竹中(当時の竹中平蔵金融担当大臣)ラインの近親者が幹部に送り込まれている。合法的な乗っ取りだ。

 その後、りそな銀行は自民党への融資を激増させた。これを朝日新聞(2006年12月18日付)が一面トップで報じたが、書いた記者は東京湾で水死体で発見された。また、『りそなは自己資金が足りない』と指摘した監査法人の担当会計士は自宅マンションから転落死している。外資が日本の金融機関の株価を最低ラインまで下げたところで公的資金で救済し、ぼろ儲けをする図式があった。

 郵政民営化は、350兆円の郵政マネーと日本郵政が保有する不動産資産を狙った収奪作戦だった。かんぽの宿は、全国の109施設をまとめて格安でオリックスに払い下げようとしたが、これは未遂に終わっている」

株価が反映するのは日本企業の上澄み0.1%の状況でしかない。消費税8%をきっかけに日本は不況に転じている!

 植草氏は、アベノミクスの現状について、「今、株価は上がっている。大企業の利益も上がっている。失業率が下がり、有効求人倍率は上昇。確かに、大企業の利益に限って言えば絶好調だ。しかし、それらは全体のごく一部。株価が表すのは上場企業の約4000社だが、日本の法人数は400万社。つまり、株価は日本企業全体の0.1%の状況しか反映していない。確かに失業率は下がっているが、肝心なのは給料だ」と話す。

 第2次安倍政権発足後の経済成長率は平均プラス1.5。東日本大震災を経験し、経済が非常に停滞した民主党政権時代でも、経済成長率は1.8だった。今は、それより経済の状態が悪いということだ。

 植草氏は、2014年1月から2016年5月までの2年半で日本は不況に転じているとし、「これは消費税増税による不況だが、政府は隠蔽している。安倍政権は『いざなぎ景気(1965年~1970年)を超えた』などと言うが、あの時はGDPが7割も増えている。今回は全体で7%増。北米大陸の最高峰マッキンリーと日本の高尾山くらいの差がある。マッキンリーに登頂した人に、高尾山に登った人が『自分も同じだ』と言うようなもの。つまり、今回の景気はイカサマ景気。実質賃金指数が重要なのだが、第2次安倍政権になって5%も減っている」と指摘した。

 アベノミクスの背後にあるのは「ワシントン・コンセンサス」だと植草氏は言う。これは1989年、ジョン・ウィリアムソンという国際経済学者が論文で使った言葉で、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、米財務省、ホワイトハウスなど、主にワシントンにある組織の意向を反映した、経済における世界戦略、政策パッケージのことだ。その4本柱は、1. 市場原理を基軸にする 2. 小さな政府(社会保障はしない、弱肉強食) 3. 規制撤廃 4. 民営化、というもの。アベノミクスは、まさにこれで、後押ししているのはグローバル資本なのである。

アベノミクスの5つの大罪? 食の不安、医療の崩壊、官業払い下げで大資本に旨味の民営化、労働コスト圧縮の「働かせ方改悪」、企業優遇の法人税減税!

 次に植草氏は、アベノミクスの5つの柱である、農業の自由化、医療の自由化、特区創設・民営化、労働規制撤廃、法人税減税をひとつずつ解説していった。

(…会員ページにつづく)

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  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    TPP11と日欧EPAが超危険!! 食料自給率が20%を切る!? 種子法廃止で有機栽培できる土地が消える!? 遺伝子組み換え食品ばかりが食卓に https://iwj.co.jp/wj/open/archives/418650 … @iwakamiyasumi
    日本の食料自給率は今でも先進国で最低。さらに下がって20%とは、その国が国民を食わせることを放棄したということだ。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/987651281660428288

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