11月26日(土)に朴槿恵(パク・クネ)大統領の「即時退陣」を求めて開催された大規模な抗議デモは、ソウルで150万人、釜山、光州、大邱など各地で40万人の市民が結集するなど、1987年の民主化以降、最大規模となった。
11月30日(水)には、韓国の労働組合のナショナルセンターである「全国民主労働組合総連盟(以下、民主労総)」の呼びかけで、「金属労組」、「公共運輸労組」、「建設産業連盟」、「サービス連盟」などが、「朴槿恵大統領の退陣」を求めて総ストライキに突入した。
また、「公務員労組」や「全国教職員労働組合」などは代休や早退、有休休暇などを利用した「集団休暇」でストライキに同調。全国の露天商が加入する「全国露天商総連合」も、「朴槿恵即時退陣」などのステッカーを張り、抗議の意志を示している。民主労組の発表によると、この日、全国350の事業所、22万人余りがストライキに参加したとのことだ。
また、大学生たちが民主労総の呼びかけに応えて抗議の先頭に躍り出ている。淑明女子大、ソウル市立大、高麗大、延世大、釜山大など全国各地の学生会がすでに「同盟休校」(学生ストライキ)を宣言しており、11月30日には、ソウル大学の学生会も同調。今後、運動はさらに広がる見通しだ。
この日、ソウル中心地では、労働者や学生らが結集する抗議デモが行われ、2万2000人が参加した。IWJは、この抗議デモの模様を生中継し、参加者の声を聞いている。ソウル大学の男子学生は、朴槿恵大統領が29日に「条件付きの退陣」を表明した「国民向け談話」について、IWJ記者の質問に、次のように答えてくれた。
「朴槿恵大統領は辞めるべきです。辞めることができないなら、弾劾を受けるべきです。(談話については)ずるいやり口だと思います。弾劾を遅らせるための戦法であり、政治的な一つの方法だと思っています」
抗議集会のあとは、参加者たちはプラカードを手に「大統領は今すぐ下野しろ!」とシュプレヒコールをあげながら、裁判所が認めた大統領府の200メートル手前まで行進した。