「自民党は今、民主主義というよりは、多数決主義だ」——。
議事録にない強行採決を既成事実化し、参議院本会議で安保法制の採決を強行しようとしている与党・安倍政権。2015年9月18日午前11時半、国会審議に呼応して行われている市民による国会前抗議に、昨日(9月17日夜20時30分)に引き続き、俳優の石田純一さんが登場。民主主義を無視して強引に法案を通そうとする安倍政権を痛烈に批判した。前日に増して、熱い、気迫のこもったスピーチだった。
【9月17日の石田純一さんのスピーチ動画記事はこちら】
石田さんは、スピーチにおいて、選挙による自民党の得票数の変遷について言及した。2009年の衆院選では、民主党の政権交代が実現したが、この際でも、自民党の得票数は4600万票を得ていた。ところが、自民党が政権の座に返り咲いた2012年の衆院選では、自民党の得票数が4200万票だった。与党に返り咲いたにもかかわらず、与党から転落した時よりも、得票数を400万票も減らしていたのだ。
全有権者の17%しか支持していないにも関わらず、自民党は議席数を119から294に倍増させた。この点を石田さんはつき、「選挙制度(小選挙区制)のトリックだ」と指摘し、「自分たちは承認を得た、白紙委任状を得たと言ってこういうこと(強行採決)をやるのは、非常にずるいやり方だ」と訴えた。
そのうえで、「この我々の声を、何にも感じないようだったら、政治家として相当感覚悪い」と与党政治家を痛烈に批判した。以下、石田さんのスピーチ動画と、全文文字起こしを掲載する。(佐々木隼也、文責・岩上安身)
このスピーチのあと、IWJ記者が石田さんへぶら下がりインタビューを行った。その模様も、動画と全文文字起こしでお伝えいているので、ご覧下さい。
石田純一さん国会前抗議でのスピーチ動画・全文文字起こし
「みなさんおはようございます。そして、お疲れ様です。昨日に引き続き、ここで喋らせてもらいます。
自民党はそもそも今、民主主義というよりは、多数決主義、でもって今回の法案、法律を今こうやって通そうとしています。それが民意なんでしょうか。(拍手)
みなさん2009年の、あの民主党が勝った時の自民党の得票数、すべての得票数は4600万票でした。その次、衆議院議員選挙で2012年、自民党が民主党にとって代わって政権復帰した衆議員選挙では、4200万票、つまり400万票減らしているんですよ。そして全有権者の17%しか自民党に投票していないんですよ。これは投票に行った方でも、およそ33%、つまり3人に1人が自民党に入れたというわけです。(有権者の3割の支持にもかかわらず、議席数は)圧倒的、294議席になった。
2009年の時は4600万票、つまり400万票も多かったのに、つまりやればやるだけ自民党は得票数を減らしているんです。そこをメディアはあまり突っ込みません。それは非常に我々の責任でもあるんですけども、ぜひみなさん、そういう事実を、本当に勇気を持って、これから我々の民意を、どうか反映させたく、政策に反映させたく、頑張っていきましょう。(拍手)
もう一度言います。2009年の時は4600万票取ってても119議席、それが、2012年にはなんと400万票減らしても、それが倍以上の294議席になってしまうんですよ。これは選挙制度のトリックだと思います。小選挙区制をやってる限り、こういう暴挙はどんどん行われてしまう。そして自分たちは承認を得た、白紙委任状を得たと言って、こういうことをやるのは、僕は非常にずるいやり方だと思います。
もうちょっと我々の声も聞きましょうよ。この我々の声を、何にも感じないようだったら、政治家として相当感覚悪いと思います。ぜひ、(聴衆「頭も悪いよー」の声)はい、頭も悪いかもしれないけれども(笑)あの、本当に感覚悪いですね。ですから我々は大多数のマジョリティ、サイレントマジョリティとずっといわれてきました。声なき声ではなく、やはり声を上げていくことによって、お互いに連帯していきたいと思います。
本当に返す返すも、これから、子どもたち、少子化ですけれども、今も見学に来ている若い小学生や中学生や、彼らがやっぱり我々と同じように、ほんっとに平和な、そして幸せな、夢も、希望も、そして営みも、ちゃんと自分たちのやりたいように暮らしていける、慎ましい、それだけ平和なこの日本、僕たちは70年間続けてきました。
これをやっぱりずーっと続けていきたい。続けていかなくてはいけない。それを最後の言葉にしたいと思います。本当にこれからも頑張っていきましょう。よろしくお願いします」
【IWJブログ】NHKでサザンがヒトラーの「チョビ髭」、タモリが「憲法改正」を疑問視―自主規制によってひたすらトボケ続けるメディアの中で、政府の暴走に “国民的著名人” が堂々プロテスト(抗議)発言!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/223444
2015/09/12 岩上安身による栗田禎子・千葉大学文学部史学科(中東現代史)教授インタビュー(動画)
※連休中も公開続行!会員以外の方にも特別公開中!!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/263722