「戦争は、最大の環境破壊である」──。

　FoE Japan、グリーンピース・ジャパンなど、6つの環境団体がこのように訴える、「安保法案に反対する環境NGO共同声明」が2015年7月28日に発表された。6つの呼びかけ団体のうち、4団体の代表者らによる会見が東京都内で開かれ、各代表は順番にマイクを握り、政府・与党に対して安保法案の撤回を強く求めた。

　「ひとたび、この一連の法改正が行われれば、戦後70年、日本が築いてきた平和国家としてのブランドが覆されるでしょう。自衛隊が戦争に加担し、人を殺し、殺される事態となるでしょう。海外では日本人が標的にされ、国内ではテロのリスクが高まることが予想されます」

　このように述べている共同声明に賛同したのは、223団体。環境団体のみならず、反原発の市民団体や「9条の会」なども含まれる。また、個人賛同者も900人近くに達しているという。

　特に、日本社会がテロの標的になる可能性については、「多数の原発を抱えている日本は、非常に危険だ」との懸念が表明された。

• 「原発と火山、原発と戦争。そのリスクは地球大に広がる！」 ～IWJ×FFTV（実験版） 満田夏花・福田健治・岩上安身 2014.10.8

• 日時 2015年7月28 日（火） 13：00～
• 場所 参議院議員会館（東京都千代田区）
• 詳細 「安全保障関連法案（安保法案）に反対する環境 NGO 共同声明」へのご賛同のお願い｜FoE Japan
• 呼びかけ ラムサール・ネットワーク日本、ピースボート、国際環境NGO グリーンピース・ジャパン、環境市民、ジュゴン保護キャンペーンセンター、FoE Japan

「われわれも、声を上げるべき」

　「われわれ環境団体は、普段は主に環境保全、それに関連する人権問題などに取り組んでいるが、それらは土台に平和があればこそ。安保法案が成立したら、その土台は大きな打撃を受ける。戦争は、最大の環境破壊。であれば、環境団体も法案反対の声を上げるべきだという考えに至った」と説明した、FoE JAPANの満田夏花氏は、安保法案に反対する動きが各方面で広がっていることにも触発された部分もある、と述べた。

　共同声明の中の、「ひとたび、この一連の法改正が行われば、戦後70年、日本が築いてきた平和国家としてのブランドが覆されるでしょう。自衛隊が戦争に加担し、人を殺し、殺される事態となるでしょう。海外では日本人が標的にされ、国内ではテロのリスクが高まることが予想されます」という文章に触れた満田氏は、今回の法案は、審議の進め方にも非常に乱暴なものがあり、今、民主主義が問われているとして、このように続けた。

　「安保法案は7月16日に衆院本会議で強行採決され、本日、参院特別委員会で審議が始まったが、憲法学者をはじめ、さまざまな分野の学者らがそれぞれ団結して、法案反対の声を上げている。また、大学生たちも立ち上がっている。国際協力を展開中の団体も同様だ。『われわれ環境団体も』という気持ちにさせられた」

　続いて、ラムサール・ネットワーク日本の花輪伸一氏が、「政府・与党が打ち出した安保法案は、国内のみならず、世界の環境・人権・平和に悪影響を及ぼす」とし、われわれ環境団体は、戦争への加担につながる今回の安保法案の成立を阻止しなければならないと、強い調子で語った。

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「原発・多設置国」という日本の弱点