非政府組織「ピースボート」の創設30周年を記念するイベントが横浜市の関内ホールで開催され、世界平和の呼びかけを行ってきたこれまでの活動を振り返った。共同代表の吉岡達也氏と川崎哲氏の他、国内外のジャーナリストやアーティスト、市民活動家などが多数参加した。
ベトナム戦争を取材した経験を持つ報道写真家の石川文洋氏は、「戦争とは””殺人と破壊””。常に民間人が犠牲になる」と語り、戦争のない世界の実現を訴えた。
「差別と戦争」をテーマにスピーチを行った東京大学教授の高橋哲哉氏は、デンマークの陸軍大将・フリッツホルンが提唱した「戦争絶滅受合法案」を紹介。戦争が開始されると、国家元首、国務大臣、各省次官などが最前線に送り込まれるという同法の内容に触れ、「原発絶滅受合法案」を提唱した。官僚や電力会社が形成する「原子力ムラ」に属する人々が原発事故の収束に送り込まれるようになれば、脱原発を実現することができるのではないか、と語った。