野中ともよ氏「誰の力が問われているか、それは私たちなんです。私たち自身がとにかく投票に行かないと」 〜第23回 ロックの会 2013.7.9

記事公開日:2013.7.9取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2013年7月9日(火)20時から、第23回目のロックの会が行われた。今回のテーマは「選挙」。会場となった東京都渋谷区のuniceはオープンと同時に満席となり、このテーマへの関心の高さを物語った。7月21日に投開票が行われる参議院議員選挙を控え、各登壇者がそれぞれの分野から、選挙についてトークを繰り広げた。

■ハイライト

  • ゲスト:後藤政志氏(元東芝原子炉格納容器設計技術者、NPO法人APAST理事長)、野中ともよ氏(NPO法人ガイア・イニシアティブ代表)、想田和弘氏(映画監督)、森達也氏(映画監督、作家)、雨宮処凛氏(作家、活動家)、小熊英二氏(社会学者、慶應義塾大学教授)、竹村英明氏(緑茶会)
  • 進行:松田美由紀氏(女優、写真家)、吉岡達也氏(ピースボート共同代表)
  • 日時 2013年7月9日(火) 20:00~
  • 場所 unice(東京都渋谷区)

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 はじめに、「今でも多くの政治家たちは、福島第一原発のメルトダウンの状況すら理解していない」と指摘する後藤政志氏は、プラントの外側で汚染が広がっている可能性を危惧し、「東電は事故対応を必死でやっているが、タンクも、貯水槽からも、汚染水は漏れている。これは、原発が技術的にコントロールできないことを意味している。放射能は、格納容器から出てしまえば、手の打ちようがない」と述べた。また、原発再稼働申請に関する東電の一連の動きについては、「安全神話の再構築にしか見えない」と指摘し、事故調査委員会による調査の必要性を語った。

 野中ともよ氏は、原子力ムラの利害関係を解説した上で、「事実として、今まで地球という惑星が味わったことのないほどの、放射線がだだ漏れになっている。電事連、金融機関、保険会社、地方自治体などが絡み合った、利害関係が蔓延する社会を変えていくには、私たち一人ひとりの覚悟が問われている。この国のリーダーが誰であるべきかを選べるのは、1回の選挙だけである」と訴えた。そして、選挙の際、判断基準として、命を守る政策を掲げている候補者を選ぶ必要性を訴え、「今、問われているのは民度である。命に優る正義はない」と話した。

 第2部では、映画監督の想田和弘氏、森達也氏が、3.11以降の日本社会の問題点について語った。想田氏は、原発を推進してきた自民党が、衆院選で圧勝する状況に疑問を投げかけ、「3.11の事故が起きたあと、将来、国がどの方向へ舵をとるのか、議論して擦り合わせなければいけない状況だった。にもかかわらず、誰もそんなことは話そうとしなかった。この状況は、とても奇妙である」と指摘した。森氏は、投票行動におけるバンドワゴン効果について触れ、社会の中で集団化が進んでいる状況、営利企業であるメディアとジャーナリズムが一体化し、メディアの論理にジャーナリズムの論理が回収されてしまっている問題点を指摘した。

 第3部では、参院選に向けて、国民は、どのように考え、行動すればいいのかが話し合われた。「政治に絶望すればするほど、自民党の議席が増える」と話す竹村英明氏は、脱原発の実現のためには、国会に脱原発派の議員を送り込み、国会の場で法制度を作っていく必要性を説いた。小熊英二氏は「問題は、膨大な無関心層である。デモに行くような人たちが、どれだけ家族や職場の人へ意識を伝えられるかが重要である。自公政権が優勢な現在の状況を、今すぐ変えることは難しいかもしれないが、今やっていることが、3年後、5年後に影響を与える」と語った。

 最後に野中氏は「命は、どんなにキャッシュを積んでも、買うことができない。スティーブ・ジョブズは、世界中のありとあらゆるものを買えたと思うが、唯一、命だけは買えなかった。命あっての景気である。命を大事にする国づくりを目指すためには、それを声高に主張している候補者を、国会に送り出さないといけない。皆さん、選挙に行きましょう」と語りかけた。

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