フリージャーナリストらが東京地裁に提起した特定秘密保護法の違憲訴訟で、2015年6月3日、第6回口頭弁論が開かれ、原告の本人尋問が行われた。尋問にはジャーナリストの林克明氏、寺澤有氏が立ち、秘密保護法の影響で「表」の取材と「裏」の取材の両方に支障が出ていると証言した。
(原佑介)
特集 秘密保護法
フリージャーナリストらが東京地裁に提起した特定秘密保護法の違憲訴訟で、2015年6月3日、第6回口頭弁論が開かれ、原告の本人尋問が行われた。尋問にはジャーナリストの林克明氏、寺澤有氏が立ち、秘密保護法の影響で「表」の取材と「裏」の取材の両方に支障が出ていると証言した。
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林氏は、今年2015年1月に発生したIS(イスラム国)邦人人質事件に言及した。
政府の検証委員会は5月21日、政府の事件対応について「救出の可能性を損ねるような誤りはなかった」などと結論づける報告書をまとめたが、検証内容には「特定秘密」にあたる情報が含まれており、ヨルダンほか関係国とのやりとりの内容など、重要な事実が明らかにされていない。
事件の真相が解明されていないと考えた林氏は、「人質解放交渉に関する文書一式」と、「ISと戦う周辺諸国に対する人道援助に関する文書一式」を外務省、内閣府に情報開示請求したが、外務省は開示決定の期限を延長して情報開示せず、内閣府からは「文書不存在」との回答を得たという。
林氏は、「これまでは『不開示』の場合、黒塗りの文書が示されていたが、今回は文書が存在しないとしている。それはありえない。文書が出なかったことで、取材は止まった」と指摘し、「秘密保護法でこうなったのではないか」と主張した。
寺澤氏は、自衛隊員や防衛省職員の協力を得て、省庁の予算の不正使用などを暴いてきた。善意の内部告発を受け、職員の手引きで施設内に入り、不正の証拠物を撮影する、といった取材方法だ。林氏の情報公開請求が「表」の取材なら、「裏」の取材にあたる。
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情報源は口を閉じ、文書は黒塗りから「不存在」へ…安保法案閣議決定の日に自衛隊員のプライバシー情報が収集されていた!? 秘密保護法違憲訴訟、第6回口頭弁論 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/247706 … @iwakamiyasumi
予想通りの展開に。「物言えぬ」社会は始まっていた。
https://twitter.com/55kurosuke/status/606196682020118528