長時間労働や低賃金などの劣悪な労働環境問題で、日本を本拠とする国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」は、実態調査の結果をもとに、株式会社ファーストリテイリング(以下、FR社)との2度目の面会を終えての協議状況の報告と、カンボジアにおける日本企業を含む国際ブランドの下請け工場での過酷労働に関する現地聴き取り調査結果を発表する記者会見を、2015年4月1日(水)に開催した。
ヒューマンライツ・ナウは、2015年1月、FR社の完全子会社である株式会社ユニクロの中国国内製造請負工場における、過酷な労働環境に対する調査報告書を発表している。
- ファストリテイリング社との協議状況に関して
- 日本企業等のカンボジア下請け工場での過酷労働に関する新しい調査について
- 日時 2015年4月1日(水) 13:00~
- 場所 厚生労働記者会(東京都千代田区)
- 主催 ヒューマンライツ・ナウ
情報公開に消極的なファーストリテイリング社
ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子氏は、中国における労働環境の改善を、FR社に面談で要望してきたと報告。「こちらの要望通りにはなかなかスムーズには進んでいないが、いろいろご検討いただいている状況です」と語った。
実際、FR社がどのような調査を行ない、改善されたのかについての詳細が分からないため、公開性が低いと伊藤氏は考えている。また、労働環境のモニタリングの観点から、全てのサプライヤー(商品製造業者)リストの公開を要求しているが、FR社は「今後、慎重に検討する」との回答に留まっている。ちなみに、本社がスウェーデンにあるH&M社は、リストを公開しているという。この他にも、適正な発注単価の検証などを伊藤氏らはFR社に要求している。
カンボジアでも聞こえてきたユニクロ、GUなどの劣悪労働環境
伊藤氏らは、2015年2月にもカンボジアで聴き取り調査を行なっている。ヒューマンライツ・ナウは、FR社の労働環境の調査をしに行ったわけではなかったが、現地の労働組合や労働者に聞いたところ、ユニクロやユニクロと同じFR社の完全子会社であるGUの下請け工場における労働問題が非常に深刻だという声が聞かれているという。
カンボジア政府が定める、縫製・織物・靴工場の最低賃金は月額128ドルとなっているが、これは都市で生活する労働者の生活賃金にはほど遠く、生活のために長時間残業を余儀なくされている状況にある。聴き取りは、カンダール市内の工場3つと、プノンペン市内の工場1つで行なわれた。
24時間勤務で残業代は「5ドル」
中国だけではなかった―カンボジアでもユニクロ、GUなどの工場で人権を無視した劣悪な労働環境実態が明らかに~NGOの調査で発覚 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/241131 … @iwakamiyasumi
あなたが「安い」と買った服、その1枚に、何人の“人生”が巻き込まれているのか?
https://twitter.com/55kurosuke/status/583936392033476608
紛争や災害を繰り返さなければ、貧困国になる必要がない国、独自の文化を発展させていく国もあるでしょう。
カンボジア行きの飛行機の乗客には欧米人が多いのに、観光地でほとんど見かけないのを不思議に思いましたし、バラック小屋のようなお店に海外メーカーの飲料水やタバコの看板が目立ちました。
米国では人件費削減のために囚人労働が盛んなのですから、カンボジアで低賃金労働を目的とした事業展開をしてもおかしくないですし、今回の問題にも関係があるように思います。
ポル・ポトが中国系なために、カンボジアでは中国系と距離をとる人もいると現地で聞きましたから、
雇い主と労働者の関係に人種の混乱がないといいのですが。
ポル・ポトの残虐行為が、軍産複合体やグローバル企業の利益につながっているとは考えたくもないのですが、
福沢諭吉を振り返れば、なきにしもあらずかと。