野宿者や失業者らが貧富の差などの改善を訴え、5月6日、「野宿者、失業者、持たざる者の全都メーデー」を開き、渋谷の街を練り歩いた。デモに先立って行われた集会では、各地で貧困問題に取り組んでいる市民らが近況を報告し合った。
(IWJ・原佑介)
野宿者や失業者らが貧富の差などの改善を訴え、5月6日、「野宿者、失業者、持たざる者の全都メーデー」を開き、渋谷の街を練り歩いた。デモに先立って行われた集会では、各地で貧困問題に取り組んでいる市民らが近況を報告し合った。
■ハイライト
東京三鷹市でアルミ缶のリサイクルや炊き出しなどをして野宿者支援に取り組んでいる「夜まわり三鷹」。メンバーの一人の奥山さんは、生活保護の受給を始めたことで野宿者から生活を立て直したが、最近、仕事先でトラブルにあったという。
「私は会社で、最低賃金(当時、821円)以下の700円で働かされました。週に5日、1日8時間働いても、生活保護よりも1万円以上低い収入にしかならなかった。生活保護は、最低限でも健康的で文化的な生活を受ける権利を持つためのものだが、それよりも低い給料で働かされていたんです。去年の12月からは会社が苦しいということで、賃金すら払ってもらっていないんです」
「APFS労働組合」の男性は、「APFSには、日本社会、日本経済を支えている外国人労働者が多く集まっている」と組合を紹介し、「少子高齢化が進む中、政府は、海外から労働力を多く受け入れようという方向に進んでいる。しかし、外国人労働者は、『使い捨ての労働力』でしかないんです」と告白した。
男性の話によれば、日本に働きにきたミャンマー人のミョータンさんは、某居酒屋チェーン店の厨房で、最低賃金以下の給料で働いていたという。ある日、ミョータンさんが勤務していた厨房の中で、ミョータンさんの同僚のミャンマー人と日本人が喧嘩になり、ミョータンさんは仲裁に入った。ところが、その場にいなかった経営者が後からやってきて、ミョータンさんに、「お前も騒ぎに加わったから同罪だ、クビだ、出て行け、明日から来なくていい」と告げた。ミョータンさんは、敢えなく不当解雇されたのだ。
「APFS労働組合」は、この件で「労働審判」を申し込むと同時に、ミョータンさんが務めた店舗の前で抗議活動を展開していくという。
集会に参加したミョータンさん自身は、片言の日本語で、「皆さん、◯◯(ミョータンさんが勤務した某居酒屋チェーン店)を許さないでください。これから頑張りましょう」と参加者に呼びかけた。
(…会員ページにつづく)
元野宿者の労働者「週に5日、1日8時間働いても給料は生活保護以下の水準」 使い捨てにされる外国人労働者も http://iwj.co.jp/wj/open/archives/138326 … @iwakamiyasumi
国を挙げての「使い捨て社会」が進んでいる。彼らの訴えは、明日のあなたの声かもしれない。
https://twitter.com/55kurosuke/status/584619946497277952