2013年7月17日(水)18時、東京都港区のIWJ本部において、NPO法人POSSE(ポッセ)代表の今野晴貴(こんのはるき)氏に、岩上安身がインタビューした。今野氏は労働問題の専門家として、いわゆる「ブラック企業」をめぐる問題の解決に取り組んでいる。
(IWJテキストスタッフ・久保元)
※サポート会員ページに全文文字起こしを掲載しました(2013年7月26日)
2013年7月17日(水)18時、東京都港区のIWJ本部において、NPO法人POSSE(ポッセ)代表の今野晴貴(こんのはるき)氏に、岩上安身がインタビューした。今野氏は労働問題の専門家として、いわゆる「ブラック企業」をめぐる問題の解決に取り組んでいる。
■イントロ
冒頭、今野氏は、ブラック企業について、「若者を次々と正社員として採用し、使い潰す企業」と定義した。一般的には、「違法な働かせ方をする企業=ブラック企業」とイメージされているのに対して、「そのような企業は従来から存在したが、長期安定雇用や年功型の賃金体系などの『見返り』によって、従業員は頑張ってこられた」とした。一方、ブラック企業については、「長時間労働・低賃金労働で雇い、短期間で退職することを想定の上で、従業員を絞りつくして好業績を維持する『システム化された労務管理』が行われている」と説明し、従来型の違法労働との違いを強調した。
ブラック企業が横行する原因として、労働基準監督署の大幅な人員不足や、労働時間の上限規制がないに等しい労働基準法の不備、企業側に抗議する労働者が少ないことを逆手に取り、企業が確信犯的に違法行為に手を染めていることなどを理由に挙げた。ブラック企業の悪質な「手口」については、実現困難なノルマなどの過度なプレッシャーを従業員に与え、長時間労働が当たり前という心理状態に「書き換える」手法や、あらかじめ長時間の残業を前提とした「固定残業制度」が横行していることなどの問題点を説明した。
今野氏は、ブラック企業の放置は、当該企業と従業員だけの問題にとどまらず、まじめに法令を遵守している企業の競争力を削ぐなど、多大なマイナス面をもたらしているとした。また、労働者の人権の侵害、精神疾患患者の増加、経済面の非効率化を招くといった問題や、少子化を加速させる要因となっていることなど、ブラック企業が社会全般に大きな損失をもたらしていることも強調した。
さらに、自民党が目指している憲法改正やTPP加入について、これらが実行されてしまうと、基本的人権の制限や就労目的の移民流入などによって、労働を取り巻く環境がこれまで以上に厳しさを増すだろうとの見解を示した。
(…サポート会員ページにつづく)
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ブラック企業は法令順守企業の競争力を削ぎ、経済面の非効率化や少子化など、あらゆる社会問題をもたらす ~岩上安身による今野晴貴氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/91519 … @iwakamiyasumi
若者の未来を食いつぶすということは、国としての自殺行為。
https://twitter.com/55kurosuke/status/581415001354702849