【沖縄県知事選スペシャル】「翁長さんは辺野古移設を進めてきた立役者」と主張する下地幹郎・元郵政民営化担当相に岩上安身がインタビュー、辺野古の是非は「県民投票」で ~ 岩上安見によるインタビュー 第467回 ゲスト 下地幹郎氏 2014.10.15

記事公開日:2014.10.16取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・安斎さや香)

 11月16日に投開票を迎える沖縄県知事選に立候補を予定している元郵政民営化担当相の下地幹郎氏に10月15日、岩上安身がインタビューし、辺野古への移設をめぐる米軍基地問題や集団的自衛権の問題など、下地氏の見解を聞いた。

 米軍基地の辺野古への移転について、下地氏は「県民投票」で決断すべきだと語る。賛成でも反対でも、県民の意志で決断した方向に進んでいく覚悟を語った。

 辺野古「反対」となった場合、下地氏は、移設先は辺野古・普天間を除く「県内」のどこかになるという。「段階的に小さくしながら最終的に県外にというのを実現していきたい」と主張し、「中国や北朝鮮を見定めながら丁寧に減らしていかなければならない」と現実的な基地削減をアピールした。

 また仮に、県民投票で辺野古「反対」多数となったにもかかわらず、国が移設を強行しようとすれば、沖縄県民が「独立」の方向へ向かう可能性があることを示唆した。

 安倍政権による集団的自衛権の行使容認の閣議決定については、国民投票をせずに行使容認したことは「反対」であるとし、「どんなに正しいことでも手法を間違ったらダメ」だと批判した。

 日米安保について、これまで日本が米国に基地を提供し、代わりに防衛してもらうという片務性から、互いに防衛していく双務性に変化する場合、「沖縄に基地があるのは過剰ではないか」と岩上安身が問うと、下地氏は「言われてそうだなと思いました」と明かし、今後、こうした過剰負担をも視野に入れて政策を主張していきたいと語った。

■イントロ

  • 日時 2014年10月15日(水) 18:00~
  • 場所 下地幹郎後援会事務所(沖縄県那覇市)

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※以下、実況ツイートをリライトし再構成したものを掲載します

辺野古の問題は「県民投票」で

岩上「下地さんと言えば国民新党の元幹事長。そして郵政民営化担当大臣もお務めになった。無所属で立候補する予定と。地域政党『そうぞう』から離れて出馬される予定。出馬を決意した理由は?」

下地氏「沖縄の知事は威厳があってモノを言えなければならない。沖縄はアジアの中で大きな影響力のある軍事基地を持っている。尖閣問題もある。中国、北朝鮮と最終的に対峙した役割を持っているのは米軍。米軍基地の70%は沖縄にある。沖縄があるから日本の安全保障は保たれている」

岩上「基地の問題が争点になる。中でも辺野古の基地を作ってはならない、移設先にしてはならないという民意が大多数を占めると言われ、仲井真さんは『県外移設』と約束したがその後変節した」

下地氏「県外か県内かというのはカレーライスを注文してチャーハンが出てくるようなもの。県内の嘉手納統合、辺野古を言うのはライスカレーかカレーの問題。県内のことを県外と言う、県外のことを県内と仲井真さんが言うのは、安全保障のことを考えない、共産党や社民党が『基地さえなくなればいい』と言う時に使うのが県外。

 私たち保守の立場は、段階的に小さくしながら最終的に県外にというのを実現していきたい。共産党の論理には乗れない。仲井真さんも翁長さんも簡単に県外と言ってしまうのが問題。この問題を簡単に言えること自体が不思議。

「翁長さんは辺野古移設を進めてきた立役者」

 翁長さんは、辺野古を進めてきた人。自民党の幹事長(県連)で彼が一番の立役者。この人が県外と言うのは疑問」

岩上「翁長さんも仲井真さんの二の舞になるとお考えですか?」

下地氏「十分にある。僕は彼(翁長氏)の取ってきた行動を見てきて、これを県外と言ってきているのは、選挙。知事を勝つという一つのポピュリズムからきている話。腹の中から『撤回する』という声には聞こえない」

岩上「下地さんは辺野古について日米合意でいこうと?」

下地氏「日米合意でいけるかどうかは県民の意志を聞いてみようと。県民投票」

岩上「反対派が多数を占めたら?」

下地氏「中止、撤回。セカンドプランをいきますよ」

岩上「普天間のままは許されないと?」

下地氏「それは絶対に許されない」

岩上「嘉手納統合案を復活させるお考えは?」

下地氏「県民投票の結果の前には、セカンドプランは言っちゃいけません」

基地は辺野古・普天間を除く県内のどこかへ、その後県外、グアムへ

岩上「県民投票の聞き方について」

下地氏「県民投票は辺野古に賛成・反対の2者択一」

岩上「辺野古NOという答えが出ても、イコール県外移設とは限らない?県内のどこかということも?」

下地氏「県外は今の段階ではできない。74%ある基地を30%まで段階的に減らしていく。減らし方も中国や北朝鮮を見定めながら丁寧に減らしていかなければならない。時間のかけ方も必要。現実的な減らし方をしていくことになる」

岩上「鳩山政権の初期にも見えますが…セカンドプランが周りの利権を持った人達に潰されていくということは?」

下地氏「普天間移設の辺野古の問題は18年になります。セカンドプランは民主も自民もいっぱい出してきた。あとは決断するだけ。(案は)いっぱい出たけど信頼関係がなかったから全部つぶれてきたんです」

岩上「県内か県外かはどっちなんですか?」

下地氏「県外はセカンドプランではありません」

岩上「県内なんですね」

下地氏「まずは県内でそれから県外。県外になっていった場合、最終的にはグアムになると思いますよ」

岩上「米軍基地負担が30%になっても、日米の国籍を問わず、自衛隊の基地負担が増えるということは?」

下地氏「自衛隊は今そこまで拡がるだけの能力はないですよ。役割も違う。自衛隊は専守防衛。米軍はさまざまな抑止力」

岩上「安倍政権がアメリカに言われながら集団的自衛権を行使容認。アメリカに世界のどこへでもくっついて行くのでは?」

下地氏「沖縄だけの自衛隊でそれは担えない」

岩上「下地さんはこれまでの自衛隊の専守防衛のありかたを支持すると」

下地氏「今のままで十分です。海外でPKO活動をすることは大事」

沖縄県民による「辺野古」決断の必要性

岩上「スコットランドの話がありました。意識されている?」

下地氏「あの住民投票が結末を迎えた。結果を受け入れないとエンドレスの戦いになる。どこかで沖縄県民は賛成なのか反対なのかを決めなきゃいけない。世論調査で反対8割というけれども、知事は辺野古賛成の人を選んでいる。はっきり示さなければこの問題は解決しない」

岩上「琉球独立論も出てきていますが…」

下地氏「県民が(辺野古)反対と言っているのに強引に(移設を)進めたら、沖縄の人はその方向(独立論)に走るんじゃないかと。香港みたいに収集のつかないデモに入る前に独立するかどうかの投票をすると。収集するための理屈です。民意を踏みにじったらこうなると、安倍さんに示していかないと」

岩上「県民が独立すると決めたら、ともに歩むと」

下地氏「そうなったら日本の法治国家が崩壊しますね」

岩上「全世界が注目しますね」

下地氏「県民の意志が投票で決まったら、安倍さんはそんなこと(辺野古移設強行)はしないと」

岩上「民主主義者ですね」

下地氏「国は何もやらなかった。知事選挙で辺野古賛成と選んだ時には、たんたんと進めればよかったんです。基地は振興にならない、辺野古を作っても何にもならない」

岩上「観光資源を潰すだけですね」

下地氏「基地経済は5%しかない」

集団的自衛権行使容認「手法を間違ったらダメ」

岩上「戦争が起きた時に基地がある怖さ。これはかつての議論とはリアリティが違うのでは?」

下地氏「昔はもっと基地があった。ベトナム戦争もあった。その論理は新しい論に見えて実際は古い議論。私たちは日米同盟があってそれが守られてきた。基地は(外に)出したいけど今はできない。段階的に30%にしていく」

岩上「集団的自衛権には賛成ですか?反対ですか?」

下地氏「国民投票をやらないでこれ(行使容認)をやったことは反対です。どんなに正しいことでも手法を間違ったらダメ」

岩上「日米安保はもともと基地提供することで代わりに守ってもらうという相互性だったはず。お互いに助けあうなら、日本に基地を置かなくてもいい。そうなると沖縄に基地があるのは過剰ですよね」

下地氏「言われてそうだなと思いました」

岩上「今度は対イスラム国(IS)の戦闘に加わるかもしれない。沖縄でイスラム国の自爆テロが起きるかもしれない。過剰な負担ですよね」

下地氏「グローバル化は疑問に思わなくちゃいけない。法の整備ができていない段階でガイドラインを作るのはおかしい。

 地位協定を変えると知事が言わないこともおかしい。治外法権のところを知事の方から言うべき。協議の中に地位協定を入れろと。ここが知事の威厳のなさですね。沖縄県知事は国会議員以上の権限を持っている」

岩上「討論会でもグローバルな討論をしてほしいですね」

下地氏「岩国の市長は偉い。彼は本当に素晴らしい。それから大阪の橋下さん」

岩上「下地さんに聞いて(大阪市長の)記者会見で(オスプレイ受け入れを)質問したら『そうなんです。でも記事にならない』となった。それでその日の夕刊は大騒ぎになりました。

 アピールしたい政策は?」

沖縄が抱える貧困、子どもの教育費「無償化」へ

下地氏「貧困率が29%。全国が14%で沖縄が一番高い。20代から45歳までの人が高い。平均所得が200万で出るのが(出費)高い。それが児童虐待につながる。それで子どもの教育費無償化を言っている。

 基地問題、普天間の問題を終わらせて、辺野古の問題を終わらせて、子どもの教育をやって、経済政策をがんばる。この3点セットです。あとは安全保障にいつでも食い込む知事。アメリカの国防会議に沖縄県知事を座らせろと言いたい。州の一つと一緒だから。

 喜納さんは今回良い仕事してますね。辺野古反対の撤回の筋を通すっていうのは」

岩上「おもしろいですね、沖縄は。熱戦を期待しております。良い議論ができるといいですね」

下地氏「遊びで県民投票を提案している訳じゃない。腹をくくらないと」

(了)

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