2014年10月8日(水)10時30分から、原子力規制庁庁舎で2014年度第31回規制委員会が行われた。SPEEDIの今後の運用について、指針通りに緊急時避難や防護措置の判断には使用しない方針が確認された。ただし、他の参考情報としては活用するという。
2014年10月8日(水)10時30分から、原子力規制庁庁舎で2014年度第31回規制委員会が行われた。SPEEDIの今後の運用について、指針通りに緊急時避難や防護措置の判断には使用しない方針が確認された。ただし、他の参考情報としては活用するという。
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原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の原因分析を所掌事務の一つとして、検討会や現地調査を継続している。2014年10月までの成果を中間報告(案)として提示、委員会として取りまとめることについて議論するもの。
報告書では、1号機で冷却材が喪失しても炉心損傷に至らないこと、非常用交流電源喪失は津波原因であることや、3号機SFP(使用済み燃料プール)も臨界の可能性はないなどの解析結果が報告されている。
中村佳代子委員は、英訳してIAEA等に送付するだけでなく、Webにも掲載し、さらにWebを活かしたダイナミックな表示を工夫するように指示した。
更田豊志委員長代理は、現地調査した検査官の被曝線量をまとめて知らせること、本中間報告書は正式なNRAレポートとして、報告書番号をとることを要請。
山形浩史・管理官は、「調査者の中で一番線量が高いのは、おそらく自分で5mSvぐらい、詳細まとめは個別に報告し、NRAレポート化は別途相談する」と返答した。
中間報告(案)は事務局案通り承認された。
京都大学と九州大学にて、原子炉等規制法に違反する事例があり、さらに規制庁側が適切な対応を行っていなかったことを報告、今後の対応について委員会にで議論した。
京都大学では、必要な法令手続きをせずに設備の変更、撤去を行っていた。文科省管轄の時に調査していたが、発見できなかったというもの。一方、九州大学では、二つの法令手続きの片方を行っていなかったため、対処方法を規制庁に相談したが、規制庁が適切な指示を行わなかったというもの。
取り扱う放射性物質が微量であることなどから、安全上は問題ないことを現地調査で確認している。
更田豊志委員長代理は、「旧文科省時代のことだが、現地確認で発見できなかったのは問題」だとして調査、検証し、今後の教訓にすることを指示。九州大学の事例では、規制庁側の対応不備の原因をしっかり究明するよう指示した。
京都大学に対しては報告聴取を命じ、九州大学には口頭で注意を促すことが承認された。規制庁については、改善事項として管理し、再発防止策等を後日報告することになった。
9月26日に改正された規制委員会組織令の一部を改正しており、これに伴う防災業務計画の事務的な改正ポイントを説明、承認を得るもの。
規制委員会と内閣府とで併任していた業務を見直し、原子力防災体制の充実・強化のため、組織変更を行ったことに伴うもの。
部署や役職の統廃合や、緊急時には代理者が担当できるような改正を行う。
複数の委員より、「規制庁側内規はこれで良いが、内閣府側の内規等を齟齬がでないように確認する」ようコメントがあり、異論はなく承認された。10月14日に内規施行される予定だという。
SPEEDIの今後の取り扱い方針を議論するもの。
原子力災害対策指針では、SPEEDIの結果は、緊急時の避難や防護措置の判断には使用しないという方針になっている。今後、防災基本計画やマニュアル等の修正、自治体や関係機関への周知を行っていく考えだ。ただし、防護措置の判断以外の場合に、参考情報としては活用することを考えているという。
田中知委員は、「適切な考えだ」とコメント。「SPEEDIでできること、できないことを説明し、世の中にわかってもらうことも大事。使うときの柔軟な対応も必要」とコメントした。
更田豊志委員長代理は、「国際的な考え方に則ったもの。国際的にみれば、防災の考え方が正常化するものだ」とコメントした。
原子力規制委員会で、「安全研究」および「エネルギー基本計画」が策定されたことを踏まえ、JAEAの2014年度までの5年間の第2期中期目標について、必要な変更を行うもの。おもに事務的な変更となる。今後、財務省と協議する予定だという。
10月1日から2日にかけて行われた第二回日仏規制当局間会の結果を報告するもの。
中村佳代子委員が、「意見交換の中身は公開しないのか」と質問。青木昌浩・長官官房は、「率直な意見交換をする必要があるので公開しない」と回答した。更田豊志委員長代理からも、「航空機衝突やテロ対策などについても意見交換しているので、非公開だ」とコメントがあった。
日本側から参加した田中知委員は、「委員になって初めての参加で、非常に有意義だった」とコメント。
この会合は日仏交互に開催することから、来年第3回は仏国へ日本から出向くことおになる。今年と同時期ごろを予定しているが、誰が行くかはこれから検討するという。
概要報告のみで終了した。