「ベクレルフリー北海道」代表のマシオン恵美香氏ら市民団体が中心となり、核廃棄物の処分方法や処分場に関して、政府関係機関との2回目の会合を8月20日、参議院議員会館で行なった。
政府側からは資源エネルギー庁、文部科学省、JAEA(日本原子力研究開発機構)、原子力規制庁、日本原燃、NUMO(原子力発電環境整備機構)が参加した。
(IWJ・松井信篤)
「ベクレルフリー北海道」代表のマシオン恵美香氏ら市民団体が中心となり、核廃棄物の処分方法や処分場に関して、政府関係機関との2回目の会合を8月20日、参議院議員会館で行なった。
政府側からは資源エネルギー庁、文部科学省、JAEA(日本原子力研究開発機構)、原子力規制庁、日本原燃、NUMO(原子力発電環境整備機構)が参加した。
■ハイライト
日本原燃からは、前回の会合でも質問が出た、各電力会社からの前受金について報告があった。前受金は、1997年から2005年で1兆1千億円に上る。
青森県六ケ所村再処理施設でアクティブ試験が開始された2006年3月以降は、前受金を再処理料金に充当しているという。2013年度末の残高は、4740億円。アクティブ試験後に再処理事業に要した費用は、施設の減価償却費を含めて年間2700億円と報告した。
JAEAからは、茨城県東海村の再処理施設に関して報告があった。東海村の再処理施設では、1140トンの使用済み核燃料の24%にあたる、247本がガラス固化体となっている。残りの76%は、廃液となって存在しているという。
資源エネルギー庁は、海外委託によって、再処理済みの燃料1574本が六ケ所村に保存されていると報告。費用については、契約の守秘義務を理由に回答がなかった。
防災の観点からは、再処理されガラス固化体となっている使用済み核燃料で大量の放射能漏れ事故が起きた場合、50Mが避難範囲の対象になっていると規制庁が説明。しかし、50M圏というのは、当時の原子力安全委員会が設定した旧来のもので、見直しが検討されている。
エネ庁からは、現在存在している約2.5万本相当の高レベル放射性廃棄物に対して、4万本以上の規模の処分場施設の建設を予定していると報告があった。福島第一原発事故で発生した指定廃棄物の処分場建設問題で、候補地に選定された栃木県塩谷町の町議会では、建設の白紙撤回を求める意見書が可決している。
最終処分の適地候補の自治体である全1700市町村のうち、全てが塩谷町のように懸念を表明し、反対することは「想定していない」とエネ庁は主張する。
国が示す科学的有望地に関しては、自治体の反対とは関係なく提示する仕組みとなっている。提示された有望地を対象に、重点的に理解促進に努めて文献調査の申し入れに持っていく流れになる。
エネ庁は、「申し入れ自体を自治体に反対されたら、それを無視してまで、文献調査に国やNUMOが入ることは考えていない」と説明した。
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