「金目発言、セクハラヤジ。暴言連発で安倍政権の崩壊が始まる」 ~小池晃共産党副委員長 演説会 2014.6.28

記事公開日:2014.6.28取材地: テキスト動画
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(文 IWJテキストスタッフ・花山/奥松)

 「日本を戦争する国にしようと突き進んでいるのが、安倍政権。アクセルだけでブレーキなし。ハンドルは右にしか曲がらない。こんな危険な暴走車を走らせるわけにはいかない。暴走政治は許さない」──。

 2014年6月28日、新潟市の新潟県民会館で、日本共産党新潟県委員会・新潟地区委員会主催による、小池晃参議院議員(共産党副委員長)の演説会「どうする日本?アキラのここがポイント!ブラック企業・原発・医療介護・消費税・集団的自衛権…etc」が行われた。

 小池氏は「集団的自衛権の話で、よく『アメリカが攻撃された時に助けなくていいのか』と言うが、一番最近アメリカが攻撃された時とは、日本による真珠湾攻撃。それ以外は全部、アメリカから仕掛けた侵略戦争。そういう戦争に付き合わされるのは許されない」と力説した。

 さらに、ブラック企業問題、原発、TPPなど、日本社会を取り巻く課題を解説し、安倍政権を痛烈に批判。「亡国の自民党政治に決別を」と訴えた。

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  • 登壇 小池晃氏(参議院議員、日本共産党副委員長・中央委員会政策委員長、医師)
  • 日時 2014年6月28日(土)14:00~
  • 場所 新潟県民会館(新潟県新潟市)
  • 主催 日本共産党新潟県委員会・新潟地区委員会(告知

集団的自衛権行使で自衛隊に犠牲者が出る

 まず、小池晃氏は、集団的自衛権の行使容認の危険性に言及した。「憲法の解釈を変えて、海外で武力行使できるように、ということ。政府は、今までの自衛権発動の3要件に代わって、武力行使の3要件を容認する閣議決定を、週明けにすると言っている。現実に何が起こるかというと、イラク戦争、湾岸戦争など、その時々の戦争に日本が参加することになる」。

 「先日、衆議院予算委員会で志位和夫委員長が『戦闘地域に行かないという歯止めを残すのか、残さないのか』と追及しても、政府は『残す』とは言わなかった。その結果、戦闘地域には行かないという歯止めをなくしてしまうことが、閣議決定されようとしている」。

 「しかし、アフガン戦争に参加したNATO軍も、『戦闘に行く』と言って参加したのではない。『後方支援する』と言って戦闘地域に行った。その結果、21ヵ国で1000人以上の軍人が殺されている。元内閣法制局長官の阪田雅裕氏は、『集団的自衛権の行使は、海外で戦争に加わること。自衛隊員に犠牲者が出ることも、自衛隊員が他国の軍人を殺傷することも、起こりうる』と言っている」と懸念を表明した。

過去の日本の誤りを認めない人たちが戦争に突き進む

 「このように、日本の歴史を変えることを、安倍首相は『私が責任者だ』と言って、憲法を変える手続きすら踏まず、解釈の変更で進めようとしている。こんなことをすれば、最高法規としての憲法の信頼が揺らぐ」と小池氏は力説した。

 また、集団的自衛権を巡って怒りの声が広がっているとし、元自民党幹事長の古賀誠氏の「人間の命は、戦争によって失われては絶対にいけない。先の大戦の愚かさを、わが国は二度と繰り返してはいけない。これが歴代政権が踏襲してきた政府の憲法解釈だ」という発言を紹介した。

 さらに、「オバマ大統領は尖閣諸島問題に関連して、『大事なことは、対話を通じて平和的に解決を目指すこと。エスカレートすることは重大な誤り。信頼醸成措置を講じるべきだ』と繰り返し言っている。アメリカも慎重である。いったい、なぜか。過去の日本の戦争や、植民地支配の誤りを認めない人たちが、集団的自衛権の行使で、戦争ができる国に進もうとしているからである」と述べ、安倍政権の暴走を批判した。

社会保障でも、財政再建でもない。大企業のための消費増税

 次に暮らしの問題について、「4月に消費税が8%に増税され、来年10月には10%に上がる予定。今、GDPの伸びはどんどん落ちていて、アベノミクスに急ブレーキがかかっている。賃上げをしたというが、物価の上昇にまったく追いついていない。増税の判断が間違っていたことは明らかである」と批判した。

 「しかも、消費税の増税と一緒に、黒字企業、大企業しか恩恵を受けない法人税の減税をやった。社会保障のための消費増税だと言っていたのに、年金の削減が始まっている。介護保険は、制度始まって以来の大改悪が強行された。医療費の値上げもやる。生活保護基準の引き下げもやっている。社会保障のためでもなければ、財政再建のためでもない。大企業の減税のための消費税増税だったことが、明らかになった」と指摘した。

ブラック企業は、日本の未来を潰す

 また、小池氏はブラック企業の問題について、このように話した。「ブラック企業は、若者に対して『お前の代わりはいくらでもいるぞ』と言って追い込んでいく。この世の中、正社員と名前がつけば、どんなに厳しい労働条件でもしがみつかざるを得ない。こういう状況を作ってきたのが、今までの政治だ」。

 「政府は、ブラック企業をなくせというが、その一方で、まったく逆のことをやっている。派遣労働の規制を緩和し、いつでも、どこでも、いつまでも、派遣労働者として使い続けられることを提案した」。

 「あるいは、残業代をゼロにする。財界は『幹部候補生に限る』というが、ブラック企業は新入社員全員を幹部候補だと言って、追い込んでいく。日本の未来を担う若者を潰すブラック企業の問題は、経済だけでなく、日本社会の未来に関わることだ。若者が、夢も希望も持てない社会に未来はない。人間らしく働けるルール、そういう日本を作っていく」と訴えた。

柏崎刈羽は廃炉に!

 原発問題に関して小池氏は、「政府は、エネルギー基本政策を決めた。『原発は重要なベースロード電源だ』と言って、将来にわたって維持推進する宣言をした。しかし、自民党は前回の選挙で何と言っていたか。『原子力に依存しない社会を作る』と言っていた。公明党も『可能な限り速やかに原発ゼロ』と言っていた。こんなにあからさまな公約違反はない」と政府与党の対応を批判した。

 続けて、「福島第一原発事故が起きた時、これから原発なしでやれるのか、多くの人は心配した。しかし、あれから3年。今、原発はひとつも動いていないのに、ちゃんと電気は点いている。だったらなぜ、わざわざ止まっている原発を動かす必要があるのか。止まったままで廃炉にすることが、もっとも現実的で責任があるやり方だ。柏崎刈羽原発は、活断層も指摘されている。中越沖地震の時は、設計時の予想を超えた振動で危機一髪の状態になった。柏崎刈羽原発の再稼働などあり得ない。廃炉にする。これが県民の声である」と訴えた。

 さらに、新潟のエネルギー事情に触れて、「バイオマス発電で、新潟県は全国トップである。小水力発電は全国3位。新潟の温泉の数は全国で3番目。地熱発電の可能性がある。海洋エネルギーにも可能性がある。三条市では、風力発電機の製造が行われている。風力発電の風車には1万から2万点の部品が必要だと言われていて、しかも、匠の技術が必要。ものづくり技術を持つ中小企業の出番である。原発をなくして、自然エネルギーで新潟経済を元気にしていく」と述べた。

 「自民党の新潟県議団は水面下で泉田県知事に圧力をかけ、柏崎刈羽の再稼働を狙っている。しかし、あの福島の苦しみを二度と繰り返さない政治が必要ではないか」と主張した。

日本の農業再生のため、TPP撤退を

 続いてTPPについて、「アメリカ側は、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖という主要5品目にも、関税の撤廃を迫ってきている。これを許せば、日本の農業は崩壊する。今、安倍政権は慌てて『農業支援が必要だ』と言っている。しかし、中身は50年前から言い続けている大規模化でしかない。しかし、アメリカの農地は日本の100倍、オーストラリアは1500倍。圧倒的な生産条件の格差を無視したやり方で、日本の農業が潰れてもいいという無責任な議論だ」と小池氏は指摘した。

 「日本の農業の危機を真剣に憂う、そして打開する意識があれば、危機を作ってきた根源である『何でも外国依存、輸入自由化路線』からの決別が必要。何よりも、究極の自由化であるTPP交渉から撤退することだ。これこそが、日本の農業の再生の第一歩である。日本の農業の最大の利点は、安心安全で美味しい産物を求める1億2000万人の国民と、産地が直結していること。これを、大いに盛り立てる政治が求められている」。

 「また、TPPは関税だけではない。非関税障壁の撤廃がある。たとえば医療。アメリカは日本に対して、株式会社による病院経営を求めてきた。これを認めると、医療で儲けを出さないといけないので、今の保険診療だけではダメになり、自由に差額料金を取れる混合診療の全面解禁という話になる」。

 医師でもある小池氏は、「皆さんが病院に入院して、明日は手術という時に、看護師が枕元に料金表を持ってくる。『松・竹・梅』と書かれている。松だときれいに治る。梅だと治らないかもしれない、ということが起こりうる。これで儲けようとしているアメリカの保険会社のような連中がいるからだ。そんなことのために、日本の医療を壊さなければいけないのか」と憤りを表した。

 最後に小池氏は、「自民党の驕り高ぶりが現れているのが、繰り返される暴言だ。福島の苦しみをよそに『最後は金目でしょ』と言う環境大臣。『早く結婚しろ』『子どもを産めないのか』と女性議員をヤジる自民党都議会議員。『金持ちの子どもが一番いじめられる』と集団的自衛権を正当化する麻生財務大臣。第1次安倍内閣も失言続きで崩壊した。今、自民党政治の終わりの始まりだ。亡国の自民党政治に決別しよう」と力を込めた。

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