2014年6月18日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。東北電力東通原発1号機の共通部分について、審査が着手されるが、田中委員長は、「審査の原則は変わらない、仕事のやり方が少し変わるだけ」との考えを示した。
2014年6月18日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。東北電力東通原発1号機の共通部分について、審査が着手されるが、田中委員長は、「審査の原則は変わらない、仕事のやり方が少し変わるだけ」との考えを示した。
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東北電力東通原発1号機について、他の原発と共通する部分に限定して審査に着手することが同日午前の委員会で承認された。
破砕帯実施中のプラントは、一定の破砕帯の見解がまとまってから新規制基準適合性審査を進めるという、根幹的な考えは「変えていない」と田中委員長は言う。審査を効率よく進めるため、他のプラントと共通する部分は進めるように「仕事のやり方が少し変わる」と説明した。
審査に着手するものの、破砕帯調査はまだ結論が出ていない。もし、今後活断層だという結論が出た場合にはどうするのか。片山啓審議官は、設置変更申請に対して”不許可”を出すとともに、その根拠となるものをつくる必要があるとの考えを示した。ただし、前例がないため、どうするかは考えないといけないという。
午前の委員会で大島賢三委員が、核セキュリティに関して「内部脅威の問題」「個人認証の問題」についての対応をスピードアップすべきと述べている。
それ対する考えを尋ねられた田中委員長は、「福島第一に関しては、スケジュール感は持てない」、「それ以前に作業員の確保も難しい状況になってきている。そこも含めてどうするか考えないといけない」と答えた。
東京電力福島第一原発にて、海水配管トレンチと呼ばれる配管を凍らせて閉鎖する”凍結止水”が行われているが、予定通りに上手く凍らない問題が起きている。
田中委員長は、「試行錯誤的に多重的によく考えておくことがある、というのが今回の教訓だ」と所見を述べた。
9月で任期が終了する島崎邦彦委員の単独会見の開催を、記者が要望し続けている。田中俊一委員長は、「主旨は理解した、広報のほうでも相談することにしたい」と答えた。