トラブルの調査、報告を東電任せにする規制庁の姿勢が露呈~規制庁定例ブリーフィング 2014.4.15

記事公開日:2014.4.15取材地: テキスト動画
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 2014年4月15日(火)14時から、東京都港区の原子力規制庁で森本英香次長による定例ブリーフィングが行われた。東電福島第一原発で発生した、ポンプの誤動作による滞留水の流入問題について、規制庁は原因究明と再発防止策、汚染水の回収を指示していることが報告された。

■全編動画

第4回原子力規制委員会開催の詳細

  • 日時:4月16日(水)10:30~ 12:00
  • 場所:原子力規制委員会庁舎 会議室A
  • 議題 1 原子炉安全専門審査会及び核燃料安全専門審査会の審査委員の任命等について
    • 委員の任命について議論、決定する予定
  • 議題 2 高速増殖原型炉もんじゅにおける点検時期超過事案に係る原子炉等規制法に基づく命令に対する日本原子力研究開発機構の対応状況について
    • 現在のJAEAの対応状況を規制庁から報告するもの
  • 議題 3 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈の記載の適正化について
    • 内規の解釈の適正化を図り規制委に報告するもの
  • 議題 4 東京電力福島第一原子力発電所における集中廃棄物処理施設焼却工作建屋への滞留水の流入について
    • 法令上の報告があったため、規制委に報告するもの

検討チーム等会議開催予定

  • 4月16日(水)14:00 第106回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合
    • 島崎邦彦委員担当、事業者未定
  • 4月16日(水)14:00 H26年度第1回道府県原子力防災担当者連絡会議
    • ※外の会場で開催
  • 4月16日(水)14:30 定例田中俊一委員長記者会見
  • 4月17日(木)14:00 第15回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合
    • 更田豊志委員担当:日本原燃株式会社(再処理とMOX燃料加工施設)
  • 4月18日(金)14:00 第20回特定原子力施設監視・評価検討会
  • 4月18日(金)14:00 定例ブリーフィング

委員の視察

 4月21日(月)更田委員が、JAEA(独立行政法人日本原子力研究開発機構)の核燃料サイクル工学研究所(東海村)等を視察する予定。

要人面会

特に予定なし

もんじゅ管理体制「再構築の途上」

 16日の委員会、議題 2に取り上げられる「高速増殖原型炉もんじゅ」は、多数の機器点検漏れが発覚し、法人としての体質が問題視されている。しかし規制委は、もんじゅの保守管理体制と品質保証体制が「再構築の途上である」との認識であることがわかった。

 16日の委員会では、再構築を行っている事業者の保守管理や品質保証に係る業務の改善に向けた取り組み状況を確認し、途中経過の状況を規制委員会に報告するものだという。

東海村の核燃料サイクル工学研究所等を視察する予定

 JAEA(独立行政法人日本原子力研究開発機構)が、プルトニウム溶液の固化安定化処理を開始する予定になっている。これに伴い、4月21日に更田委員が東海村の核燃料サイクル工学研究所等を視察することが発表された。

 今回は単なる施設の視察で、新基準適合審査とは格段関係はないという。

東電福島第一原発、滞留水の流入の問題

 東電福島第一原発において、通常使用していないポンプ4台が誤って動作し、予定していない建屋の地階に、高濃度に汚染されている滞留水が流入した事故に関連して、規制庁は東電に対し原因究明と再発防止策、流入水の回収を指示していることが報告された。

 滞留水の流入については、法令報告事項になったため、規制委員会にまず報告をし、原因究明のみならず、この流入水の回収についても指示を出しているという状況だ。ただし、回収することを指示しているだけで、具体的な回収方法は、事業者の方で判断してもらおうという考えだ。

 規制当局として、規制庁が調査に乗り出す方向はないのか、と複数の記者が訊ねると、「現時点ではそういう方向にはない。やはり東京電力の方でしっかり原因究明をしてもらって、その結果報告を受けた上で、規制委員会として議論をするということになると思う」と森本次長は応じた。

 「まずは、汚染水を移送する際の監視を強化すること」が再発防止策の大きな方向性であり、既に検討会WG等でも紹介している。その上で、適切な管理が成されることが再発の防止になると金城氏は考えているようだ。

 「トラブルの対応といった観点からは、充分な再発防止策があれば、それはしっかりやていただくことが重要」だと考えており、人員の補給や経営に関しては、田中委員長が直接、廣瀬直己東電社長に伝えるなどして、規制庁は対応をとってきている、という認識を示した。

東電福島第一原発、H6タンクエリアのバルブ誤操作による漏えい

 東電福島第一原発では、2月に水移送配管のバルブ操作を誤り、H6タンクエリアから汚染水が約100トン漏えいした。森本次長は本件に対し、「東京電力の調査は、まだ継続しているという認識をしています」と述べた。

ALPS処理水の取扱い

 福島第一原発について、地下水バイパスから放水される水は、敷地境界の1mSvという規定の枠内で管理される。一方、今後サブドレンから汲み上げる水、あるいはALPSの処理水はどうするのか。

 金城・福島第一事故対策室長は、「今のところ扱いについては、明確なものになっておりません」と説明。1mSvの枠内で扱うように指示しており、「今後は、当然その中でしっかりと扱われるものに(実施計画変更認可)申請がなってくる」との考えを示した。

 東電任せの規制庁側の姿勢が露見している。

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