国が、経産省前に設置されている「脱原発テント」の撤去を求めている裁判で2月10日、第5回口頭弁論が行われた。約200人の市民らが駆けつけたが、抽選で選ばれた約90人が裁判を傍聴した。
裁判の終了後、参議院議員会館で報告会が開かれ、被告人であるテントひろば代表の正清太一氏と渕上太郎氏が登壇。意見陳述の内容を報告した。
(IWJ・ぎぎまき)
国が、経産省前に設置されている「脱原発テント」の撤去を求めている裁判で2月10日、第5回口頭弁論が行われた。約200人の市民らが駆けつけたが、抽選で選ばれた約90人が裁判を傍聴した。
裁判の終了後、参議院議員会館で報告会が開かれ、被告人であるテントひろば代表の正清太一氏と渕上太郎氏が登壇。意見陳述の内容を報告した。
■ハイライト
法廷で正清氏は、東京電力が汚染水を流出し続けている現実に触れ、「福島原発事故が何一つ解決していないにも関わらず、経産省や国は、何の責任も持たない」と訴えた。渕上氏も同様、福島原発事故を反映していないエネルギー基本計画案を批判し、「極めて無責任で、デタラメで、いい加減な国が、我々を訴えている構造を私たちは許さない」と陳述。経産省が土地を許可するか否かだけの問題に矮小化せず、無責任な国が市民を提訴している構造自体に目を向けるべきだと、テント存続の意義を考えて欲しいと法廷で訴えた。
報告集会に参加した弁護団の河合弘之弁護団長は、都知事選の脱原発候補者一本化を働きかけてきた中心的人物だ。河合弁護士はこの日、裁判の報告を手短に済ませ、都知事選の選挙結果について、思いの丈を打ち明けた。
「昨日の選挙で舛添氏が1位。2位が宇都宮さん、誤差の範囲の違いで細川さんが3位。両方足すと、ほぼ舛添氏に近い票を取った。私は小泉、細川ラインを推し、海渡弁護士は宇都宮さんを推していた。宇都宮さんも僕も、この弁護団の仲間だ。亀裂が発生しているかと心配している方もいるかもしれないが、そういう心配は全くご無用」と、両者の間に、一本化をめぐる確執はないと説明した。
「違うのは、保守の中核部分から『脱原発』の声があがってきたことを、どう評価するか。その捉え方の違いだけで、脱原発の志や方向性は同じ。そこが壊れなければ、何も心配することはない」と付け加え、最後に「敗北などは総括しないで、脱原発運動が第二段階に入ったという総括をしたい。これからは保守も革新も手を携えて、一緒にがんばれる脱原発運動にしていきたい」と訴えた。