16日(水)、中国電力上関原発の建設計画に反対する市民が院内集会を開き、「上関の自然を守る会」の高島美登里氏が、建設予定地となっている瀬戸内海の豊かな自然環境について報告を行った。
(IWJ・石川優)
16日(水)、中国電力上関原発の建設計画に反対する市民が院内集会を開き、「上関の自然を守る会」の高島美登里氏が、建設予定地となっている瀬戸内海の豊かな自然環境について報告を行った。
■ハイライト
「世界一小さいクジラ」として知られ、ワシントン条約で保護の対象となっているスナメリや、世界で初めて内海で確認されたオオミズナギドリ、繁殖期以外は外洋で生活すると考えられていたカンムリウミスズメなど、希少な生物が瀬戸内海には今も生息している。
高島氏によると、この地に上関原発が建設されれば、埋め立て工事にともなう騒音や、原発から流れる排水などにより、これら希少生物を育んでいる瀬戸内海の豊かな生態系は致命的な打撃を受けるという。
高畑氏は、瀬戸内海の生態系を守るために、上関原発の建設計画を白紙に戻し、地域一帯が世界遺産に登録されるよう働きかけていくべきだと語った。
ラムサール条約に基づき、湿地の保全と再生を訴えている環境NGO「ラムサール・ネットワーク」日本共同代表の花輪伸一氏は、事業者が原発立地の環境を事前に調査する「環境アセスメント」の結果に疑義を投げかけた。
九州電力川内原発の環境アセスメントでは、原発の取水口付近のプランクトンの生存率を30%以上と報告していた。しかし花輪氏は、プランクトンの細胞が残っているだけであり、実際にはほとんど死滅している可能性があると指摘した。