2013年4月15日(月)18時30分、青森県弘前市の弘前大学50周年記念会館(みちのくホール)において、東洋大学教授の渡辺満久氏が「青森県の核燃・原子力施設と活断層問題」と題した講演を行った。渡辺氏は「変動地形学」の専門家で、原子力規制委員会の外部有識者として、原発直下の活断層判断において重要な指摘を行っていることで知られる。
講演で、渡辺氏は「活断層とは何か」「活断層があると何が困るのか」「下北半島周辺の海底活断層」というテーマに分け、活断層の基礎的知識から、下北半島に林立する核関連施設への影響に至るまで、詳細に解説した。
- 主催あいさつ 安藤房治氏(弘前大学教育学部)
- 講師紹介
- 講演 渡辺満久氏(東洋大学教授、原子力規制委員会外部有識者)「青森県の核燃・原子力施設と活断層問題」
- 活断層とは何か
- 活断層があると何が困るのか?
- 下北半島周辺の海底活断層
- まとめ
- 質疑応答(中継には含まれません)
冒頭、基礎知識として、断層の定義を「強い力で破壊が起こり、地層が食い違っている構造のこと」と説明した。活断層については、「今は動いていないが、近い将来、動く可能性がある断層」と定義し、図を用いながら活断層の見分け方を説明した。その上で、渡辺氏が専門とする変動地形学の基本概念である、「地面の形がどうやってできたか」という点の考察、すなわち、地表面の変形状態や成因、時期を分析することにより、「地層は見えなくても、活断層の認定は可能である」とした。
渡辺氏は、「よく、『マグニチュード7の地震が起こっても施設が耐えられるのか』との質問を受けるが、私は素人なので全く分からない」と述べ、地震を語る上でメジャーとされている「地震学」と、マイナーな扱いを受けている変動地形学の違いについて説明した。