2013年3月7日(木)17時から、衆議院第一議員会館で「第19回 国会エネルギー調査会準備会」が行われた。原発の新安全基準骨子案について、原子力規制庁の担当者が説明したが、専門家らは、新基準の甘さを次々指摘。変動地形学の専門家、渡辺満久氏は「原発は活断層の近くには作らないと明記すべきである」とした。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
2013年3月7日(木)17時から、衆議院第一議員会館で「第19回 国会エネルギー調査会準備会」が行われた。原発の新安全基準骨子案について、原子力規制庁の担当者が説明したが、専門家らは、新基準の甘さを次々指摘。変動地形学の専門家、渡辺満久氏は「原発は活断層の近くには作らないと明記すべきである」とした。
■ハイライト
はじめに、阿部氏が「この国会エネルギー調査会(準備会)は、国会の中では唯一フルオープンの、議員、有識者、行政担当者が参加する会合である。活発な論議をお願いしたい」と話した。
続いて、原子力規制庁の刀禰氏が、原子力災害対策指針改定原案に対して、3000通を超えるパブリックコメントが寄せられたことを報告し、「それらを項目別に分類すると、緊急時防護措置の実施基準に対する意見、原子力災害に備えて平時から予防対策を行う重点区域に関する意見が多く見受けられた。それらの結果を踏まえて、原子力規制委員会で審議を行い、原子力災害対策指針の第一次改定が行なわれた」と述べた。
後藤氏は「改定案の内容には、主体性が見えない。福島の原発事故を踏まえているのか」と述べ、新安全基準がIAEAやICRPの世界標準に依っている点について、「福島第一原発事故を経験した日本から、世界最高レベルの安全基準を打ち出すべきである」とした。それに対して刀禰氏は「その指摘はもっともであり、IAEAのガイドラインより厳しい基準作りを進める努力をしていく」と答えた。その上で、今回の新安全基準が、IAEAの緊急時の避難基準1000マイクロシーベルト/毎時(以下μSv/h)に対し、その半分の500μSv/hを設定している点を強調した。阿部氏は「IAEA基準の半分の値を設定したから安全、とするのは乱暴だ。実測値がどうであったのか、原子力規制委員会が入手しているデータを開示し、物事を考える土壌を共有して、建設的議論を進めるべきである」と述べた。
金子氏は、福島第一原発の事故当時、東京電力がメルトダウンの可能性を知りながらベントを行なった点や、政府のSPEEDIのデータ隠しを指摘し、「事故隠し、データ改ざんを行い、認めてきたのが、当事者の東京電力と原子力安全・保安院である。とても信用できるものではない」と述べ、安全基準、原子炉の設置基準の見直しプロセスそのものに問題点があるとした。
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