第3回インタビューの最後のパートでは、再び麻生太郎氏について検証した。
2025年4月7日、麻生氏は、国会内で開催された集会で、「悠仁(ひさひと)親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」と表明した。
さらに麻生氏は、「皇統に属する男系男子、いわゆる旧11宮家の子孫の方々に養子として皇族になっていただく」「結婚して皇族に残った内親王の配偶者や子供は皇族としない」ことが、極めて重要だと、男系男子の固定化を主張した。
これに対して高森氏は、「政府は、皇室典範再改正による、女性天皇・女系天皇の実現をにらんでいるから、女性に皇族として残ってもらいたい」との見方を示し、以下のように語った。
「でも、それを言うと反発を食うので、官僚が反発を恐れすぎて、(結婚して皇族に残った内親王・女王の配偶者や子供は皇族としないという)極めて異常な制度を作ってしまった。
しかし政府は、将来の女性天皇・女系天皇を100%排除してはいけないということをわかっている。女性皇族がいなくなったら、将来の女系天皇の可能性もなくなってしまう。
とにかく、女性皇族を残すという考えがあって、そのためには男系男子派の石頭をなだめながら進める、という考え方。
国民も、皇室も、憲法上も、すべて女性天皇・女系天皇を認めるという方向で一致している。
にもかかわらず、永田町を中心に、高市派が大きな勢力を占めているという政治状況で、女性皇族を皇室に残したいということを、最優先したのではないか、というのが、私の見方です。
私は、それは譲歩し過ぎだし、本末転倒に近いと思っているのですが、この制度を作った側にすれば、女性皇族が今後結婚されればされるほど、女性天皇・女系天皇の道がどんどん閉ざされていくのを止めたい、という話です」。
他方で高森氏は、麻生氏に対して、「一つ、大きな謎がある」と、以下のように語った。
「去年の6月の段階で、麻生さんは(当時立憲民主党代表だった)野田佳彦さんに説得されて、旧宮家養子案は後回しにして、内親王・女王の結婚後の皇族身分保持だけ、先にやると、合意しているのです。
それを自民党に持ち帰った時に、政府サイド(当時は石破茂内閣)の山崎重孝(やまさき しげたか)内閣官房参与(政府側で皇室典範改正に関する政策立案や与野党との調整を担う実務トップの皇室制度連絡調整総括官)が、これをひっくり返した、という経緯があった。
麻生太郎さんは、何で野田さんの提案をのんだのだろうか。麻生悪玉論では説明がつかない謎なんです」。
高森氏は、自民党がその後、養子案を第1優先にすると表明したものの、実際には内親王・女王の結婚後の皇族身分保持が優先されていることを指摘し、「リップサービスと、公的な進め方は違う」と、以下のような見方を示した。
「内親王・女王の結婚後の皇族身分保持を制度化する、というのが、実は今回の大きな目的、目玉だった。
それに対して麻生さんが、『まずは、それだけでやろう』と言われて納得しているわけです。
政治の中枢部分の本音は、『内親王・女王がこのままいなくなったら、皇室はもう立ち行かなくなる』というもの。
それを、どうやって着地させるかと考えた時に、男系男子派へのリップサービスとして、『第1優先は、養子案だ』と言わざるをえなかった。
政治の中枢は、内親王・女王を残すことが本音で、しかしそれをやるためには、養子案もつけなくてはならなかった。養子案もつけて、男系男子派を懐柔しながら、内親王・女王を残す。
女性天皇・女系天皇を残すという本当の意味での政治のメインストリームは、小泉内閣での挫折というトラウマを抱えていて、ここで潰されたら、もう取り返しがつかないということで、男系男子派に極力譲歩した」。
こう述べた高森氏は、最後に次のように希望を示した。
「国民の世論が高まって、『今回の制度がひどすぎる、誰が養子や養親になるんだ』という機運をどんどん高めていけば、再改正ということが、かなりリアルに、遠い将来ではなく、目の前に見えてくると、私は思っている。
今回は、最低最悪の皇室典範改正ですけど、私はちゃんと、希望の種は埋め込まれていると思うんです」。
■【6】エッセンス版


































