【特別寄稿】国際政治理論から斬る ウクライナ戦争丸4年〈下〉 2026.2.24

記事公開日:2026.2.24 テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文:評論家 塩原俊彦)

 2026年2月13~15日に開催されたミュンヘン安全保障会議(MSC)をめぐる議論を、〈上〉で紹介した国際政治理論と結びつけながら論じたい。

アイキャッチ画像:ドナルド・トランプ大統領が、2026年1月9日金曜日、マリンワンに搭乗する前にメディア関係者に話しかける。(2026年1月9日、ホワイトハウス

トランプは「壊す人」!?

▲ドナルド・トランプ大統領(出典:ホワイトハウス

 まず、2月9日に主催者側が発表した、「破壊下で」というショッキングなタイトルの報告書について紹介したい。報告書では最初に、「建設が始まってから80年以上が経過した今、米国主導の1945年以降の国際秩序は崩壊しつつある」という基本認識が示されている。そして、「自らが属する社会が歩み始めたリベラルな方向性に対する憤りと後悔に駆られ、彼らはより強く繁栄した国家の出現を阻むと信じる構造を破壊しようと試みる」と記されている。別の箇所では、「改善の欠如や変化の遅さを嘆くよりも、彼ら(トランプ政権:引用者注)は自らの社会が辿ってきたリベラルな軌道を根本的に拒絶している」とも指摘している。

 つまり、報告書は、本稿と同じく、トランプ政権がリベラリズムを攻撃し、破壊しようとしているという認識のもとにある。ここで、2025年9月に刊行した拙著『ネオ・トランプ革命の深層』の副題が「『騙す人』を炙り出す『壊す人』」であったことに注意を向けたい。たしかに、トランプは破壊者であり、「壊す人」だ。ただし、その破壊活動の標的は、これまで偽善を隠蔽することで成り立ってきたリベラリズムであり、その偽善を暴くことで、この偽善を支えてきたリベラリストの欺瞞や偽善を炙り出すことは決して間違いではない。この偽善を支えてきた学者、マスメディアは「騙す人」であり、今でも「騙す人」であり続けている。ゆえに、「壊す人」が攻撃している。これが、この本の視角であり、筆者の基本認識である。

 この立場からみると、今でも偽善に満ちたウクライナ戦争を継続させようとしているリベラリストは、ウクライナの惨状という現実に目を向けないまま、代理戦争をウクライナに強いていることになる。ウクライナの人々に犬死をカネで求めているようなものだ。

 残念ながら、報告書は、リベラリスト寄りであり、「壊す人」である「リアリスト=トランプ」を批判するだけで、リベラリストの偽善にまったく触れていない。国際政治理論上の明確な議論もない。この程度の主催者のもとで開催された会議だが、多数の政治指導者が参加したため、今の政治情勢を理解するには役に立つ。

「欧州タマネギ」の誕生へ

 もう一つ、MSCの直前に開催された12日の非公式欧州連合(EU)サミットについて説明しておきたい(この非公式サミットには、19ヶ国が出席したが、スペイン、ポルトガル、アイルランド、スロベニア、マルタ、および バルト三国は出席しなかった)(下の写真を参照)。今のEUの政治状況を理解するうえで重要な方向性が決まったからだ。同日付のThe Economistは、「新たな予想外の共同体の形が今、芽吹いた:ヨーロッパ・オニオン(European Onion)である」と報じている。

▲EU理事会議長アントニオ・コスタとEU委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエンが、アルデン・ビーセン城で開催されたEU首脳会議に到着(出典)https://newsroom.consilium.europa.eu/photos

 加盟国の全会一致ではなく、必要に応じて「小規模な連合体」によって事態を前進させるという、「二つのスピード」のEU(“two-speed” European Union)を推進する方向性が合意されたというのだ。EU加盟国27ヶ国全体のコンセンサスが遅すぎる、あるいは政治的に阻止されている場合に、EUの中核的なグループが統合や政策をより迅速に進めることを認めることになる。つまり、EUが「多層なタマネギ」(onion of multi-layers)のようになることらしい。

 この「二つのスピード」のEUという構想は、EUの意思決定が麻痺しているという現実への対応として構想されていた。といっても、ユーロ圏や 、出入国審査なしに自由に各国間を行き来するためのシェンゲン協定が小グループの構想としてスタートしたという前例があるから、決して珍しいことではない。

 同構想の「キックオフ」として、1月27日、6ヶ国の財務・経済大臣によるビデオ会議が開催された。ドイツのラース・クリングバイル財務相は、「今こそ二つのスピードのヨーロッパの時だ」と語った。「E6グループ」のメンバーは、ドイツ、フランス、ポーランド、スペイン、イタリア、オランダだ(下の地図の緑色部分)。

 (1)資本市場と投資同盟、(2)ユーロの強化、(3)防衛投資の調整、(4)重要原材料とサプライチェーン――という四つの柱について、ドイツのフリードリッヒ・メルツ首相は、貿易やウクライナ政策を含め、EUの完全な全会一致なしでも前進する意欲を示している。いわば、「E6グループ」は経済的統合の先駆的核と位置づけられている。

▲E6グループは緑色部分(出典)https://brilliantmaps.com/two-speed-europe/

 こうした動きを受けて、12日の非公式サミットでは、「強化された協力」(enhanced cooperation)という、アムステルダム条約によって創設され、欧州連合の機能に関する条約(TFEU)でさらに定義された仕組みの弾力的適用という方向性が合意されたようだ。具体的には、少なくとも九つのEU加盟国が特定の分野において高度な統合や協力を追求することが可能となり、参加しない加盟国とは異なる速度で、異なる目標に向かって進むことができる。非公式サミット後、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、次回の正式な首脳会合が行われる3月20日までにこの計画、すなわち、「一つの欧州、一つの市場」(One Europe, One Market)を提示すると約束した。これまでは、EU内部の分断を招きかねないという懸念から、同規定は離婚法、欧州特許、金融取引税で適用されただけだが、今後は、世界の容赦ない新たな現実を踏まえ、迅速な対応をするために、この規定が頻繁に活用されることになるだろう。

▲(左)ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長(2024 公式ポートレート、出典:Wikipedia)(出典)https://en.wikipedia.org/wiki/Ursula_von_der_Leyen(右)マリオ・ドラギ前イタリア首相(2024, 出典:Wikipedia

 これは、マリオ・ドラギ前イタリア首相が提唱する「プラグマティックな連邦制」(pragmatic federalism)に対応している(Politicoを参照)。この場合、「プラグマティック」が「現実的」という意味に近いが、あえて「プラグマティック」とされている含意については、〈上〉で解説した部分を再読することで考えてほしい。

 いずれにしても、ここで紹介したことからわかるように、MSCの前の段階で、欧州諸国はトランプ政権が突きつけるさまざまな現実に臨機応変に対応する必要性に迫られていた。

過激なリベラリストの排除

▲カヤ・カラス欧州委員会副委員長、EU外務・安全保障政策上級代表(2024公式ポートレート、出典:Wikipedia

 ここからは、MSC自体に関連する解説をしたい。まず、欧州諸国の政治状況についてである。第一に、前述したように、現実の変化への対応に迫られた欧州の多くの国は、理想主義的で過度に現実離れした人物を排除しつつある。具体的には、カヤ・カラス欧州委員会副委員長、EU外務・安全保障政策上級代表だ。

 彼女は、MSCでの演説で、欧州の主体性を取り戻すには、三つの優先課題があるとし、欧州防衛、欧州近隣地域(東と南)の安定、国際的なパートナーシップを挙げた(下の写真)。ただ、演説の中身をみると、「我々はロシアの最終目標がドンバス地域ではないことを知っている」、「今日、ロシアは崩壊し、経済は破綻し、欧州のエネルギー市場から切り離され、自国民さえも国外へ逃亡している」――などの不正確な発言が目立つ。元エストニア首相らしい発言とも言えるが、反ロシア感情剥き出しの姿勢は「EU外相」としては、あまりに浅はかだ。

 加えて、「我々の最優先課題は拡大であり、ロシア帝国主義への解毒剤である」という発言は、民主主義の輸出を前提にしたEUやNATOの拡大を想起させ、リベラリストの介入主義そのものだ。加えて、「ロシア帝国主義」という言葉遣いは過激なリベラリストを印象づけている。

 こんなカラスに対する嫌悪がEU内部で確実に広がっている。Politicoによると、EUの最高外交責任者であるカラスは、ミュンヘン安全保障会議に出席している外相達との非公式会合を開催したいと考えていたが、外相の大半がすでに帰途についていたため、この会合は中止となったと、3人の当局者が伝えたという。カラスは昨年も同様の会合を開催したが、ミュンヘンにいなかった外相達との間に若干の緊張が生じたと、外交官達は当時語っていた。今年、論争は発生していないが、組織上の問題があったと、ある関係者は述べた、と報じている。どうやら、過激なリベラリストのカラスは嫌われているようだ。

▲MSCで演説するカラス外務・安全保障政策上級代表(出典)https://www.eeas.europa.eu/eeas/keynote-speech-hrvp-kaja-kallas-msc-europeans-assemble-reclaiming-agency-rougher-world_en

リアリズムに近づくが、中途半端なドイツ、フィンランド

 〈上〉で紹介したように、メルツ独首相はリベラリズムとの決別を受け入れている。リアリズムに傾く姿勢を示してはいる。だが、トランプの2期目において、米国の世界的なリーダーシップは「挑戦を受け、おそらくは失墜した」と述べた彼は、トランプ流のリアリズムを受け入れていない。彼は米国人を繰り返し「友人」と呼び、米国と欧州が依然としてパートナーとしてお互いを必要としている理由を主張しながらも、トランプ政策が気候変動との闘い、自由貿易の支持など、ドイツ人や他のヨーロッパ人がかつて米国と共有していると信じていた価値観から、どのように逸脱しているかを列挙した(NYTを参照)。

 興味深いのは、Politicoがメルツについて、「依然として NATO を強く支持しているものの、ワシントンに対して反射的に敬意を払う姿勢は大幅に薄れている」と報じている点だ。だからこそ、メルツは、「欧米の間に溝が生じている」と率直に指摘し、「J・D・ヴァンス副大統領は1年前、ミュンヘンでこれを率直に語った。彼の言う通りだ。MAGA運動の文化戦争は我々のものじゃない」と話したのである。

▲(左)フリードリヒ・メルツ独首相(2024, 出典:Wikipedia)(右)ジョルジャ・メローニ伊首相(2026,出典:Wikipedia

 だが、この発言は、ジョルジア・メローニ首相の反発を引き起こした。トランプの「魔女の文化」に対する正当な政治的批判には同意できないと認めつつも、論争には入りたくないというものだ(「コリエレ・デラ・セーラ」を参照)。さらに、19日にホワイトハウスでの平和評議会にオブザーバーとして参加することを確認した。

 こうみると、メルツのリアリズムはまだ本物ではない。それどころか、トランプのリアリズムに対峙する内容を含んでおり、少なくともEU内での協調およびその主導という国際主義を前提としている。つまり、リベラリズムの衣を今でもまとっている。しかも、19日に公表されたドイツのラインファルツ紙とのインタビューで、「私に言わせれば、この戦争(ウクライナ戦争)が終結するのは、軍事的にも経済的にも、どちらか一方が疲弊したときである」と語り、代理戦争を続けさせる意向をあからさまに認めた。まさに、リベラリストそのものだ。

▲フィンランドのアレクサンドル・ストゥブ大統領(左端)。ジョー・バイデン米大統領(中央)、カナダのジャスティン・トルドー大統領(右)と。(2024, 出典:Wikipedia

 〈上〉で紹介した、「価値観にもとづくリアリズム」(values-based realism)を主張するフィンランドのアレクサンドル・ストゥブ大統領については、15日時点で、The Economistは、ストゥブが「冷静なリアリストの立場を貫いている」と評しているが、私はそうは思わない。なぜならリアリストにしては、分析能力が低いからである。

 ストゥブは2025年12月に論文「西側の最後のチャンス 手遅れになる前に新たな世界秩序を築く方法」を『フォーリン・アフェアーズ』(2026年1月/2月号)に寄稿している。そこでも、「価値観にもとづくリアリズム」について書いているのだが、以下の記述はリベラリズムにもとづく見解そのものであり、まったくリアリズムから遠く離れている。

 「2022年2月、ロシアによるウクライナへの全面侵略戦争は旧体制にさらなる致命的な打撃を与えた。これは第二次世界大戦終結後で最も露骨なルールにもとづく国際秩序への違反であり、間違いなく欧州が経験した最悪の事態であった。平和維持のために設置された国連安全保障理事会の常任理事国が加害者であったことは、事態を一層深刻なものにした。この秩序を守るべき国家が、それを崩壊させたのである」。

▲スペインのペドロ・サンチェス首相 (2026 公式ポートレート、出典:Wikipedia

 ほかにも、低能力の証左がある。2月16日付のDefense Newsによると、国防費の対GDP比5% の目標を拒否した唯一の同盟国スペインのペドロ・サンチェス首相がミュンヘンで、この支出水準は「結局のところ」欧州の米国防衛産業への依存度を高めるだろうと述べたのに対して、大西洋横断の安全保障に関するパネルでサンチェスとともに登壇したストゥブは、フィンランドは「安全保障の消費者ではなく、安全保障の提供者であることを願っている」と反論したという。

 私からみると、①そもそも国防費/GDP(%)という基準がユーロ建てなのか、ドル建てなのか、②なぜ国防費の絶対額を問題にしないのか、③国防費に何を含めるのか――といった現実的議論を徹底するべきであり、国防費の増額が米国の防衛産業を利するだけに終わる可能性を含めて、安易な対GDP5%議論に乗るべきではないと思われる。ロシアと国境を接するフィンランドのストゥブは、対ロ恐怖症に陥りやすく、現実を冷静に判断していないのではないか。

4リベラリスト、マクロンの「ボンクラ」ぶり

▲(左)エマニュエル・マクロン仏大統領(2025、出典:Wikipedia)(右)セバスティアン・ルコルヌ首相(2022公式ポートレート、出典:Wikipedia

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領はMSCで、ロシアとの対話の再開について言及した。しかし、それは相当先の話であり、これまでのフランスとEUのその他の対ウクライナ政策は維持される。彼は、EUの戦略的自律性に関しても発言したが、「自律的な」EUが米国からの独立性を高めると同時に、ロシアに対して敵対的な姿勢を維持すべきであると想定されている。ゆえに、ヨーロッパ諸国は大胆になり、ロシアにもっと強く圧力をかけ、ウクライナを「絶対に明確に」支援するよう促したのだ。こうした姿勢は、これまでのリベラリズム路線を踏襲したものであり、自らのウクライナとの接し方が間違いであったことをまったく認めていない。はっきり言えば、政治指導者として「ボンクラ」なのである。現実をみてみると、欧州の支援によって得たものは、腐敗したゼレンスキー政権の維持にすぎず、領土は着実に失われ、多数のウクライナ国民が死傷している。

 彼は2027年5月に予定されている大統領選には出馬できない。2024年7月の総選挙で与党が敗退した結果、現首相のセバスティアン・ルコルヌ(元国防相)は2年間で5人目の首班となり、野党の反対でマクロンは2度も任命しなければならない失態に追い込まれた。

 2月6日に公表された、Sud RadioとLe FigaroのIfop-Fiducialバロメーター第3波によると、44%のフランス人が国民連合(RN)党首ジョルダン・バルデラの出馬を希望しており(2025年5月時点から+1ポイント)、RN前党首マリーヌ・ルペンの40%(-2ポイント)を上回っている。大統領陣営の重要な代表であるガブリエル・アタル(29%、-5ポイント)、法相のジェラルド・ダルマナン(26%、-2ポイント)を抑え、エドゥアール・フィリップ元首相が37%(-4ポイント)だった。

▲「マクロン大統領は、私たちの機関を封じ込め、それらに対する支配力を維持し、自らの影響力を拡大しようとしている」と、国民連合の「プランB」大統領候補であるジョルダン・バルデラは2月11日に述べた。 Valentine Chapuis/AFP via Getty Images
(出典)https://www.politico.eu/article/emmanuel-macron-bid-to-marine-le-pen-proof-france-2027-election-national-rally/

 なお、2025年3月、パリの矯正裁判所はルペンに欧州議会資金横領の有罪判決を下し、懲役4年(うち執行猶予2年)、選挙参加停止5年の判決を下した。国民議会(下院)での現在の議員資格には禁止令は適用されないが、ルペンは他の選挙で選ばれた役職から離れる義務がある。この事件の裁判は2024年9月に始まった。欧州議会で働くアシスタントを架空に募集し、約300万ユーロを横領したというものだ。ルペンは判決に対して控訴、2026年1月13日にスタートした控訴裁判所の審理は4週間続き、最終判決は7月7日に言い渡される。

▲(左)マリーヌ・ルペン氏(2025、出典:Wikipedia)(右)アメリー・ド・モンシャラン氏(2020公式ポートレート、出典:Wikipedia

 こうしたなかで、マクロンは今、極右のフランス大統領候補を封じ込めるために奔走しているらしい。Politicoによると、マクロンは、RNがポピュリスト的な政策を実行するのを防ぐため、主要人事の任命を加速し、忠実な人物たちを要職に配置している。マクロンは同じルネサンス党員で予算相のアメリー・ド・モンシャランをフランス会計検査院長に任命することを承認した。この法律により、彼女は68歳(現在40歳)で引退するまで法廷のトップに留まることになる。マクロンが2025年夏にフランス軍の参謀総長を交代させた(ティエリー・ブシャールからファビアン・マンドンに交代させた)のも、極右人気の高まりが動機のひとつだったとみられている。こうして、リベラリストのマクロンは、その理想主義的な政策を追求し続けることで、リアリスト的側面をもつバルデラやルペンに対抗しようとしている。

▲(左)キア・スターマー英首相(2024公式ポートレート、出典:Wikipedia)(右)ピーター・マンデルソン氏(2025公式ポートレート、出典:Wikipedia

 英国のキア・スターマー首相の演説も精彩を欠いた。米国はヨーロッパにおいて「不可欠な大国」であり続けると主張し、「断絶」について語るのは危険だと示唆した程度である。その演説の大部分は、英国と EU の間のより強固な関係の必要性に割かれていただけだ。おそらく、エプスタインとの交友関係の長さを知っていたにもかかわらず、ピーター・マンデルソンを、スターマーが駐米大使に任命した件で辞職を求められているスターマーにとって、会議への出席は重荷だったに違いない。ただ、前述したように、求められる道徳の水準はリアリズムのリベラリズム批判によって引き下げされているから、うまく逃れられるかもしれない。

現実をみないリベラリスト的ロシア恐怖症を唱え続ける欧州指導者達

 全般的に総括すれば、2月14日付のNYTが書いたように、「4年前にはプーチンがウクライナ侵攻のリスクを冒さないと主張していた欧州諸国の指導者達の多くが、今や彼がウクライナ国境で止まらない可能性があると警告している」。ただし、これはあくまでリベラリズム指向の人々の観測にすぎないが、口ではリアリズムを説くメルツやストゥブもこうした見解に染まったままだ。

 現実的な分析からは、そんな可能性は見当たらない、と私は思っている。NYTの指摘するように、「彼らは、自国領土内での破壊工作がますます大胆になっていることを、プーチンがNATO領域で積極的な影の戦争を展開している証拠として挙げている」。だが、「リアリスト=トランプ」あるいは「リアリスト≒J・D・ヴァンス」ほど、リアリストではないマルコ・ルビオ国務長官でさえ、このロシアの脅威について、2月14日の演説で一切触れなかった。

▲2月14日のミュンヘン安全保障会議でのマルコ・ルビオ国務長官 Thilo Schmuelgen/Reuters
(出典)https://www.washingtonpost.com/politics/2026/02/14/munich-security-conference-rubio-europe/

経済ではリアリズム優先の欧州

▲(左上)マクロン大統領、(右上)スターマー首相、(左下)カーニー首相らが中国・北京を訪問し、習近平国家主席と会談した。(右下)ミュンヘン安全保障会議で王毅外相と握手するメルツ首相(出典:中国外交部)
https://www.fmprc.gov.cn/eng/gjhdq_665435/3265_665445/3291_664540/3293_664544/202512/t20251204_11766890.html
https://www.fmprc.gov.cn/eng/gjhdq_665435/3376_665447/3382_664830/3384_664834/202601/t20260116_11814149.html
https://www.fmprc.gov.cn/eng/xw/zyxw/202601/t20260129_11847645.html
https://www.fmprc.gov.cn/eng/gjhdq_665435/3265_665445/3296_664550/3298_664554/202602/t20260215_11860533.html

 欧州の政治指導者については、経済面では、たしかにリアリズムを優先している点について注意喚起しておきたい。2025年12月の初めから、フランスのマクロン、カナダのカーニー、英国のスターマーが中国を訪問した。2月24日には、ドイツのメルツが30人の企業トップを伴って北京に向けて出発する。韓国の李在明(イジェミョン)大統領も2026年1月5日、習近平(シーチンピン)国家主席と北京で会談した。

 いつまでもリベラリズムにもとづく理想主義的アプローチを続けていても、経済的な利益を逸するだけだから、そこはリアリズムに立ち返り、少なくとも中国との経済的関係については険悪になるのを避けようとしていることになる。

 ただし、現実には、成果はほとんどなかったように感じられる。マクロンは2025年12月3日から5日にかけて中国を訪問し、習近平国家主席と北京や四川省成都で会談した。2026年のG7議長国として経済・貿易の均衡や対中貿易赤字削減を求める一方、異例の地方都市同行など蜜月関係を演出した。だが、中国訪問から数日後、マクロンは、「中国が巨額の貿易黒字を抑制できなければ、EUは新たな関税を発動する可能性がある」と警告した。

 スターマーは、2026年1月28~31日まで訪中した。だが、訪中からわずか1週間後の2月9日、香港の裁判所は、78歳の民主派メディア王(「蘋果[リンゴ]日報」創業者)で英国籍の黎智英に対し、北京が制定した国家安全法にもとづき懲役20年の判決を言い渡した。外国勢力との共謀および反乱を煽る記事の掲載で有罪判決を受けたこの判決は、これまででもっとも重い刑罰であり、息子はこれを「死刑判決」と表現した。これに対し英国は香港在住数千人のビザ取得を容易化する措置を講じたが、中国当局はこれを「卑劣な行為」と非難した。

 ドイツの場合、2025年にドイツの自動車やその他の製品に対する中国向け輸出は急落し、国内で価格圧力に直面する中国企業からの輸入急増により、貿易赤字は900億ユーロ(1050億ドル)に達し、ドイツGDPの2%という目もくらむような規模となった(The Economistを参照)。国内需要が低迷するなか、中国の自動車やその他の製品の輸出業者は、第三国においてドイツの競合他社から市場シェアを奪っている。ドイツ産業界の一部は、中国の補助金政策と著しく過小評価された人民元を不正と非難している。こうした経済的現実に対して、メルツがどうリアリスティックな対応を求めるかが注目されている。

リアリストを隠すルビオ国務長官

 他方で、ルビオはMSCにおいて、「我々が構築した国際協力のシステムを放棄する必要はなく、我々がともに築き上げた旧体制のグローバルな制度を解体する必要もない」と主張した。その代わりに、これらは「改革」され、「再構築」される可能性があるとしたのである。米国は欧州を見捨てるのではなく、「同盟関係を再活性化」することを求めている、と彼は主張したのだ。つまり、彼自身は、リアリストといえるほど、国際協調を軽視していないように映るように口先では誤魔化そうとして。さらに、「ロシアはウクライナでの戦争に勝利していない、と彼は後のインタビューで付け加え、ヴァンスや、政権内のウクライナに懐疑的な声とは相反する見解を示した」というから、とてもリアリストと呼ぶに値しない(The Economistを参照)。要するに、現実を見ていないように思われる。だからこそ、下の写真にあるように、リベラリストの欧州人からスタンディングオベーションを受けたのだ。

▲ミュンヘン会議で演説したマルコ・ルビオ国務長官(写真)は、昨年、J・D・ヴァンス副大統領が欧州に対して行ったのと同じ主張をところどころで繰り返しにもかかわらず、旧世界と新世界の結束について非常に心地よい言葉でそれを彩ったため、会場は何度も拍手喝采に包まれた Photo: Alex Brandon / Pool / Reuters
(出典)https://www.kommersant.ru/doc/8439655

 おそらく、よりリアリスト的だったのは、エルブリッジ・コルビー米国防次官だろう。彼は「常識と柔軟なリアリズム」について語り、共通の価値観に関する議論を「賛美歌やシボレス(shibboleths, 見分けの言葉[合言葉])だ」と一蹴した。つまり、コルビーはトランプ政権のいう「柔軟なリアリズム」(flexible realism)を明確に踏襲し、ストゥブやカナダのマーク・カーニー首相のいう「価値観にもとづくリアリズム」(〈上〉を参照)のような曖昧模糊としてリアリズムを無視する姿勢を示したことになる(NYTを参照)。彼は、「我々の政治的立場からすれば、それが真実かどうかはわからない」と述べ、代わりに「共通の利益のような、より永続的で堅牢かつ現実的な基盤の上にパートナーシップを築こう」と語ったという。まさに、利益を優先するリアリズムを重視するというのだ。

 ほかにも、ヨーロッパ諸国が自大陸の通常防衛の責任を担うならば、米国は NATO パートナー諸国に対して核の傘を今後も提供し続けると説明した(The Economistを参照)。その見返りとして、米国は核兵器の使用や拡散といった深刻な問題について主導権を握り続ける。一部の欧州諸国で核兵器取得に関する議論が高まっていることに触れ、コルビーは、米国政府は同盟国によるいわゆる「友好的な核拡散」に反対であると述べた。いずれも、現実に根差した明確なメッセージのように思われる。

ルビオのスロバキア・ハンガリー訪問

 ただし、ルビオはMSCの後、スロバキアとハンガリーを訪問した。この2ヶ国訪問の裏には、ロシアのエネルギー資源の放棄についてハンガリー・スロバキア当局と協議を行うというねらいがあった。

 2026年1月20日、欧州理事会は、ロシアからの天然ガス輸入の段階的禁止を承認した。その結果、パイプラインによる気体状態の天然ガス(「パイプラインガス」)については、2027年9月30日より適用され、ロシアを原産地とする、またはロシアから直接もしくは間接的に輸出される液化天然ガス(LNG)については、2027年1月1日より適用されることなった。この欧州理事会で、スロバキアとハンガリーが反対票を投じたものの、承認されたのだ。ハンガリーは、この決定を覆すため、EU司法裁判所に提訴した。

▲(左)スロバキアのロベルト・フィツォ首相 (2023, 出典:Wikipedia)https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Fico
(右)ハンガリーのオルバン首相(左側)、トランプ大統領とホワイトハウスで(2023, 出典:Wikipedia

 2月15日、スロバキアを訪問したルビオと会談したロベルト・フィツォ首相は、「EUの有害かつイデオロギー的な決定により」、サプライチェーンの末端に位置することになった事情を説明した。

 より重要なのは、1月16日に署名された米国・スロバキア政府間協定が2月13日に発効したことだ。米国からの資金提供により、ウェスティングハウス社製大型原子炉の新設に向けた極めて重要な建設前段階である基本設計(FEED)調査が推進される。 FEED作業は、安全で確実かつ責任ある核エネルギー計画の構築を支援する米国務省の「小型モジュール炉(SMR)技術の責任ある利用のための基盤インフラ(FIRST)プログラム」の下で実施される。スロバキア政府は2027年に米国ウェスティングハウスと1200メガワット級核エネルギー発電ユニットの建設契約を締結する計画であることが確認された。推定総工費は130億~150億ユーロである。公開入札なしにウェスティングハウスが随意契約対象となっており、今後、ウェスティングハウスとの正式な交渉が開始され、2040年までのプロジェクト完成をめざす。

 これにより、エネルギー供給における脱ロシア化の実現をはかろうとしているわけだ。ただし、それまでの期間、スロバキアは特別の配慮を米国に求めたものとみられる。双方ともに相互利益で結びついており、リアリズムにもとづく外交交渉が行われたことになる。

 ハンガリーでは、16日、ルビオはヴィクトル・オルバン首相と会談した。ハンガリーは4月12日に予定されている議会選挙を目前に控えており、ルビオ長官の訪問は、第一に、再選をかけた選挙戦に直面しているオルバンを支持する政治的ジェスチャーを示すことだった(「コメルサント」を参照)。第二に、1月27日にウクライナがドゥルージバ石油パイプラインのウクライナ部分を経由して東ヨーロッパへのロシア産石油の輸送を停止した後、ハンガリーにとって急激に悪化したエネルギー安全保障の問題が、ルビオのブダペストでの会談で特別な意味をもつようになった。ウクライナ側の決定は、表向きはパイプラインの補修工事の必要性が動機となっているが、ゼレンスキー政権とオルバン政権との対立の現場をルビオに理解してもらう機会となった。

 重要なのは、ルビオが米国とハンガリー間の民生用核エネルギー政府間協定に署名したことだ。これにより数十年にわたる原子力分野での協力が実現する。さらに、ハンガリーを地域における小型モジュール炉(SMR)開発の拠点とするという米国のコミットメントを強調し、ハンガリーに対し米国製SMR技術の選択を促した。米企業ホルテック・インターナショナルが、議会措置を条件として、ハンガリーの使用済み核燃料貯蔵(最高水準の保安・安全・柔軟性を誇る乾式キャスク貯蔵システム)を支援する用意があることを再確認した(「国務省」サイトを参照)。

 つまり、ハンガリーとの間でも、二国間の相互利益が優先されるリアリズム的なアプローチがとられたことになる。ルビオはMSCで見せた以上に、トランプ流のリアリストに近いのかもしれない。

ウクライナ戦争との関連

▲EU議会「2026/2027年度ウクライナ支援融資及びウクライナ支援枠組みの設立に関する採決」(2026年2月11日, 出典:European Parliament

 ここで、ウクライナ戦争の停戦・和平をめぐる現状をまとめてみよう。これを理解するには、2月10日にPoliticoが報道した「2027年までにウクライナをEUに加盟させる五つのステップ」という記事が参考になる。依然として、リベラリズム的な政策を追求する国が多い欧州が何を考えているかがわかるからである。

 Politicoは、10人の政府関係者や外交官に取材し、EUがウクライナの欧州における地位を強化し、モスクワから遠ざけようとしている計画の最新版を明らかにしている。非公式に「逆拡大」(reverse enlargement)と呼ばれているものだ。3人のEU高官と2人のウクライナ高官との会話にもとづき、明らかにされたものだという。

ステップ1:ウクライナの準備をする

 EUは、ウクライナの加盟に向けた法的ステップである「クラスター」交渉の非公式な指針をキエフに提供する。EUはすでに、六つの交渉クラスターのうち三つについてウクライナに詳細を提供している。

ステップ2:完全加盟を達成する前に、EU加盟の一部のメリットを利用できるようにする提案モデル(EU membership-lite)を創設

 これは、EUに加盟し、段階的に権利と義務を与えるという、一種のプロセスの再調整を意味している。つまり、欧州委員会が加盟基準を設定したときとはまったく異なる現在の状況にもとづいて、加盟の方法を再考することになる。たとえば、(1)EU単一市場への部分的アクセス、貿易と経済統合を可能にする、(2)正加盟国と同様の開発・農業資金援助を受けることができる、(3)正式加盟が認められるまでは、欧州理事会や欧州議会での投票権を持たないなど、制度的な意思決定から除外される――といった条件で、EUへの一部加盟を認め、それを完全加盟に拡大してゆく。ゆえに、「逆拡大」と呼ばれている。

 ゼレンスキー氏は以前から、ウクライナはEUの2番目の地位は受け入れないと発言しているが、キエフの考えに詳しいある政府関係者によれば、ウクライナがEUの本格的な加盟国となる前に、同国のEUへの道を成文化するようなものであれば、受け入れる可能性があるという。このモデルはウクライナだけでなく、モルドバやアルバニアにも適用可能となる。

ステップ3:オルバンの離脱を待つ

 ウクライナの加盟の可能性を左右する課題は、加盟27ヶ国すべてを味方につけることだ。EU圏の拡大には全会一致の支持が必要だからだ。プーチンのEUにおける最側近であるオルバンは、断固として反対している。しかし、欧州委員会とEU各国は、4月のハンガリー選挙を見据え、オルバンの拒否権を回避する方法にも取り組んでいる。オルバンは厳しい戦いに直面しており、世論調査でも遅れをとっているが、もしオルバンが再選されれば、第4ステップに進むことになる。

ステップ4:切り札を使う

 2027年までにウクライナをEUに加盟させることが、戦争を終結させるための20項目からなる草案に盛り込まれている。このため、トランプに依頼し、ハンガリーにウクライナの加盟を認めるように圧力をかけてもらうのである。

ステップ5:万策尽きたら、ハンガリーの投票権を剥奪する

 EUの外交官2人によれば、トランプ大統領の交渉が失敗した場合、EUにはもう1つカードがある。それは、欧州連合条約第7条で、民主主義、法の支配、人権といったEUの中核的価値観を侵害しているとみなされる加盟国に対して、EUが措置を講じることができるため、しばしばEUの「核オプション」と呼ばれる。つまり、ある国がEUの基本的価値観に違反する恐れがあるとみなされた場合に発動されるもので、EUが課すことのできる最も深刻な政治的制裁といえる。状況が改善しない場合、EUは制裁措置を強化することができ、その中には「EU理事会における当該国の投票権停止」も含まれる。これは利用可能なもっとも厳しい政治的制裁だ。ただし、「全会一致が必要」(他のすべてのEU加盟国が同意しなければならない)ため、こんなことが可能かどうかは疑わしい。

 この五つのステップは、ウクライナのEU加盟という理想のみを追い求めるのではなく、現実を見定めようとするEU加盟国の姿勢を投影している。その意味で、多少なりともEUもリアリズムに理解を示すようになっているようだ。

 だが、あくまで欧州はバイデンのリベラリズムを踏襲し、ウクライナ支援を継続する一方、対ロ制裁をより厳しくすることで、見果てぬ夢である、ウクライナの勝利に賭けているように映る。

日本外交のお粗末さ

▲茂木俊光外務大臣(2026年1月20日、IWJ撮影)
https://youtu.be/if2b7cUWggI

 最後に、日本の状況を国際政治理論と関連づけてみよう。茂木敏充外務大臣はミュンヘン安全保障会議の「二重の脅威? 欧州、アジア、そして相互に関連する安全保障上の課題」というミッションに参加して、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の旗印の下、法の支配にもとづく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に取り組む必要性を強調したらしい(外務省のサイトを参照)。茂木はまた、防衛装備や産業協力などの分野における具体的な協力を通じて、NATOとの関係を深める日本の意向を表明した。さらに、NATOのマルク・ルッテ事務総長と会談し、ウクライナへの継続的な支援について協議し、国際的な安全保障パートナーシップに対する日本の取り組みを強化した。

 だが、残念ながら、茂木もまた、〈上〉で紹介したような国際政治理論上の大転換にまったく気づいていないようにみえる。日本政府が同調してきたリベラリズムが今や、トランプ政権によって批判され、見直しを迫られている現実をまったく直視できていない。

 今回の衆院選をみても、リアリズムの立場から、負け戦を支援する偽善を追及し、まるで人殺しを勧めているような支援を継続する日本政府を厳しく糾弾する政党がなかったのは、本稿で説明した国際政治理論の変遷に対してまったく無理解である証左であった。もちろん、偽善的なオールドメディアがその重大な元凶だ。大多数の国際政治学者の偽善や不誠実もまたその要因である。

 こんな惨憺たる状況において、日本政府が国家情報局をつくっても、おそらくリアルな世界を理解し、説明し、対策を講じることなどできるはずがないと書いておこう。

 私がこの論考を書いたのは、日本の「知識人」とか「専門家」と呼ばれている人々のレベルが低すぎるからである。国際情勢を分析したり議論したりするのであれば、せめてここで解説した程度の知識を出発点にしてほしいと思う。読者のみなさんには、どうか、この論考を心ある人に伝えて、少しでも真っ当な見方ができる人を増やしてほしいとお願いしたい。


1. Under Destruction: Munich Security Report 2026 (Feb. 2026)
https://securityconference.org/assets/02_Dokumente/01_Publikationen/2026/MSR2026/Under_Destruction%E2%80%93Munich_Security_Report_2026.pdf

2. 塩原俊彦(2025)『ネオ・トランプ革命の深層:「騙す人」を炙り出す「壊す人」』南東舎

3. The European Onion is a joke whose time has come(12 Feb. 2026, The Economist)
https://www.economist.com/europe/2026/02/12/the-european-onion-is-a-joke-whose-time-has-come

4. Draghi pushes ‘pragmatic federalism’ to get Europe out of its predicament(25 Oct. 2025, Politico)
https://www.politico.eu/article/mario-draghi-push-pragmatic-federalism-get-europe-out-predicament/

5. Keynote speech by HR/VP Kaja Kallas at the MSC: Europeans Assemble! Reclaiming Agency in a Rougher World(15 Feb. 2026 EEAS Press Team)
https://www.eeas.europa.eu/eeas/keynote-speech-hrvp-kaja-kallas-msc-europeans-assemble-reclaiming-agency-rougher-world_en

6. As it happened: Munich Security Conference 2026(13 Feb. 2026, Politico)
https://www.politico.eu/article/munich-security-conference-2026-live-updates/#1320252

7. German Officials Needle Trump at Munich Security Conference(13 Feb. 2026, The New York Times)
https://www.nytimes.com/2026/02/13/world/europe/germany-merz-trump-munich.html

8. Giorgia Meloni: «Ue e Usa insieme. Non condivido le critiche alla cultura Maga»(15 Feb. 2026, Corriere Dellasera)
https://roma.corriere.it/notizie/politica/26_febbraio_15/giorgia-meloni-ue-e-usa-insieme-non-condivido-le-critiche-alla-cultura-maga-0c465df8-b13e-4ab3-a696-d6ff859b1xlk.shtml

9. „Land in einem Zustand der tiefsten Barbarei“: Kanzler Merz über Russland(19 Feb. 2026, Die Rheinpfalz)
https://www.rheinpfalz.de/politik_artikel,-land-in-einem-zustand-der-tiefsten-barbarei-kanzler-merz-%C3%BCber-russland-_arid,5862436.html

10. Finland’s president has a plan to save the liberal world order(15 Feb. 2026, The Economist)
https://www.economist.com/insider/inside-geopolitics/finlands-president-has-a-plan-to-save-the-liberal-world-order

11. Alexander Stubb(2 Dec. 2025)The West’s Last Chance: How to Build a New Global Order Before It’s Too Late(Foreign Affairs)
https://www.foreignaffairs.com/united-states/wests-last-chance

12. Pentagon official blesses Europe’s push to spend defense money at home(16 Feb. 2026, Defence News)
https://www.defensenews.com/global/europe/2026/02/16/pentagon-official-blesses-europes-push-to-spend-defense-money-at-home/

13. Presidential ambition barometer – wave 3(6 Feb. 2026, ifop)
https://www.ifop.com/en/article/presidential-ambition-barometer-wave-3

14. Macron’s mission: Le Pen-proof France before the 2027 election(17 Feb. 2026, Politico)
https://www.politico.eu/article/emmanuel-macron-bid-to-marine-le-pen-proof-france-2027-election-national-rally/

15. Once the Americans Warned of the Russian Threat. Now, It’s the Europeans’ Turn.( 14 Feb. 2026, The New York Times)
https://www.nytimes.com/2026/02/14/world/europe/europe-munich-rubio-russia.html

16. Secretary Rubio delivers remarks to the Munich Security Conference(14 Feb. 2026, U.S. Department of State)
https://youtu.be/yOjBJ89aeXA

17. How Germany fell out of love with China(19 Feb. 2026, The Economist)
https://www.economist.com/europe/2026/02/19/how-germany-fell-out-of-love-with-china

18. America offers Europe warmer words, but a deep chill remains(14 Feb. 2026, The Economist)
https://www.economist.com/europe/2026/02/14/america-offers-europe-warmer-words-but-a-deep-chill-remains

19. 【特別寄稿】国際政治理論から斬る ウクライナ戦争丸4年〈上〉 2026.2.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/530696

20. Three American Speeches at Munich, and Plenty of Confusion.( 15 Feb. 2026, The New York Times)
https://www.nytimes.com/2026/02/15/world/europe/three-american-speeches-at-munich-and-plenty-of-confusion.html

21. Donald Trump’s Envoys failed to reassure Europe(17 Feb. 2026, The Economist)
https://www.economist.com/international/2026/02/17/donald-trumps-envoys-failed-to-reassure-europe

22. Марко Рубио нашел в Европе общий язык(16 Feb. 2026, Kommersant)
https://www.kommersant.ru/doc/8440465

23. Secretary Rubio Advances National Security Through Civil Nuclear Deals in Central Europe(16 Feb. 2026, U.S. Department of State)
https://www.state.gov/releases/office-of-the-spokesperson/2026/02/secretary-rubio-advances-national-security-through-civil-nuclear-deals-in-central-europe/

24. 5 steps to get Ukraine into the EU in 2027 (10 Feb. 2026, Politico)
https://www.politico.eu/article/5-steps-ukraine-eu-membership-2027/

25. 茂木外務大臣のミュンヘン安全保障会議出席(結果)(2026年2月14日、外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/nsp/pageit_000001_00003.html

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です