2025年10月7日午前11時25分頃より、東京都千代田区の厚生労働省にて、福岡資麿厚生労働大臣の定例会見が開催された。
会見冒頭、免疫学者であり、医師の大阪大学特任教授・坂口志文(しもん)氏のノーベル生理学・医学賞受賞について、福岡大臣よりコメントがあった。
続いて、福岡大臣と記者との質疑応答が行われた。他社の記者からは、「診療報酬の改定」、「有料老人ホームの参入規制」、「新型コロナワクチン」などについての質問があった。
IWJ記者は、自民党総裁選で勝利し、新総裁となった高市早苗氏が行なった勝利演説での発言に関する質問を行った。
IWJ記者より先に指名された他社の記者も、高市氏の同じ発言について、「過労死」の問題として切り込んだ。
他社記者「自民党の高市新総裁は4日の就任挨拶で、『馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて、働いてまいります」と述べました。
過労死事案を担当してきた弁護士や過労死遺族らからは、単なる一個人の発言ではなく長時間労働の強要につながるのではとの懸念や抗議の声が上がっています。
過労死が社会問題化し、2014年に過労死等防止対策推進法を成立させ、働き方改革を推進してきた厚生労働省の大臣として、この発言をどのように受け止めますか。ご見解をお聞かせください」
福岡大臣「厚生労働省としては、働くことで命を落としたり健康を損なったりすることは、あってはならないことであると考えており、引き続き、過労死等防止対策推進法も踏まえて、関係省庁とも連携しながら過労死等の防止のための対策に全力で取り組んでまいりたいと思います」
この質問に重ねるかたちで、IWJ記者は、少子化を加速させる懸念もあることを、次のように質問をした。少子化対策も、厚生労働省の所管である。
IWJ記者「先ほどもありましたが、高市早苗新総裁の『働いて働いて』発言について質問します。
高市新総裁のこのような発言は、自民党内に向けた発言だったと弁明しても、極めて大きな社会的影響力を持つと思われます。
何よりも、働く女性への影響は甚大です。また、長時間労働や労働強化が進む懸念もあり、サービス残業を強要するようなブラック企業にとっては好都合かもしれません。
日本は、少子化がますます深刻化する一方、70年代半ばに合計特殊出生率が人口置換水準を下回ってから一度も回復したことがなく、半世紀も少子化が続いたため、生産年齢人口の空洞化がはなはだしく、労働力を補うために女性の労働力化を必要としています。
しかし、高市新総裁のこのような発言により、仕事と子供を産み育てることがますます困難になり、少子高齢化と人口減少に拍車をかけることは避けられず、結果、日本を亡国へと導くことにならないでしょうか。
厚生労働行政の長として高市総裁の発言についてどのようなお考えを持っているか、お聞かせください」
福岡大臣はこれに対し、次のように答弁した。
福岡大臣「多様な人材が安心して働くことのできる環境を整備することというのは、極めて重要であると考えています。
男女ともに、仕事と家庭を両立しながら希望に応じてキャリアを形成できるように、厚生労働省としては、引き続き、その実現に全力を上げていきたいと思います」
IWJ記者は、新たな総理大臣になる可能性が極めて高い、自民党新総裁によるこのたびの発言は、少子高齢化と人口減少に拍車をかけるのではないかと質問したが、そうなれば、日本国家存続のために、大量の移民を受け入れざるをえなくなり、欧米などと同様の社会問題が生まれるだろう。
高市新総裁は、現在、内閣総理大臣目前という踊り場に立っている。
この質問は、そのような人間の発言がもつ影響力が招き得る最悪の事態を想定したものであり、発言のリスクをきちんと認識しているのかを問うためのものだったが、福岡大臣の答弁を聞く限りでは、そのような危機感は感じられなかった。
- 自民党総裁選びは、高市早苗氏が新総裁に! 高市氏は、早速、総裁選勝利演説で「私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働いて、参ります」と宣言! 総理となる人間が、こんなことを言っていては、女性が働きながら、子供を産み育てることができなくなる! 日本は少子化亡国の危機なのに、それに拍車をかける日本滅亡加速妄言!! 衆参ともに自公は少数与党で、参政党、日本保守党は連立政権に前のめり、維新と国民民主は調整中!? 10月末にはトランプ大統領との首脳会談も控え、連立政権の行方と高市新総裁の人事が注目される!(日刊IWJガイド、2025年10月6日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20251006#idx-1
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会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。

































