【IWJ号外】レーガン元大統領の元特別補佐官ダグ・バンドウ氏インタビュー(前半)共和党のネオコンの重鎮ディック・チェイニー氏による民主党カマラ・ハリスへの支持表明を痛烈批判! ハリス氏は党を超えてネオコンの直系となる! 2024.9.20

記事公開日:2024.9.20 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 9月12日、米国にとって、「9.11」同時多発テロ事件の追悼記念日の翌日、ロナルド・レーガン元大統領の元特別補佐官・ダグ・バンドウ氏が、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに拠点を置く、独立系ジャーナリスト、アフシン・ラッタンシー氏が司会を務める、『ゴーイング・アンダーグラウンド』に出演しました。『ゴーイング・アンダーグラウンド』は、時事問題と地政学問題を主に扱っています。

 ダグ・バンドウ氏が出演した番組は「『不愉快』~ウクライナ代理戦争におけるNATOの役割をレーガン元大統領の元特別補佐官ダグ・バンドウ氏が痛烈批判」と題して、カナダに本社を置くオンライン動画共有プラットフォームの『ランブル』で公開されています。全体で30分ほどのインタビューを、前半と後半の2回に分けてお送りします。

 バンドウ氏は、2022年のウクライナ紛争勃発直後に、「ワシントンはウクライナ人が最後の1人となるまでロシアと戦う」と題する論評を、隔月の保守論壇誌『The American Conservative(アメリカン・コンサバティブ)』のウェブ版に発表しました。

 2024年9月中旬現在、ウクライナ軍(と同軍をサポートするNATO)によるクルスク侵攻戦略が完全に失敗し、ウクライナ領内の東部ドネツク州における戦線でもウクライナ軍が大きく後退しており、ウクライナ軍にとってはロシア軍から領土を奪回するなど夢のまた夢といった状況に陥っています。連日のように、1000人、2000人といった兵士が戦死・負傷して戦線を離脱しています。

 しかし、それでもゼレンスキー大統領は、米英にロシア領内奥深くを攻撃できる長射程ミサイルの使用許可を要請しています。

 未確認ながら、ロシアのトロペツの弾薬庫が、100機編隊からなるドローンの攻撃を受け、大爆発を起こしているという情報が入っていますが、その戦禍は誇張されており、大爆破の映像はフェイクとの情報もあります。9月20日午前9時現在、情報は錯綜しています。明らかになり次第、お伝えします。

 仮に長距離ミサイルなどで、ロシア深部を叩くことができても、それに対するロシア側の報復は、空前のものとなるかもしれません、すでにプーチン大統領は、何度もそこは踏み込んではならないレッドゾーンだと警告しています!

 戦争の強度が高まれば高まるほど、核保有国のロシアにとっては、有利になっていきます。ロシアに対し、一矢報いたいというのがゼレンスキー氏の狙いだとしても、その上で和平交渉に入りたい、それは、第二次世界大戦末期に、敗北は明らかだったのに、一撃を相手に加えてから和睦にもち込もうとした、日本の指導部の愚行の繰り返しとなってしまうでしょう。

 勝算のない戦闘を、いたずらに継続し、さらに多くのウクライナ国民を死なせることになるのは、火を見るよりも明らかです。

 ウクライナ国内では、兵役適合年齢の多くの男性達が兵役を嫌って国外脱出し、あるいは路上で拉致され、最前線に送り込まれています。そうした強制を恐れていたり、仕事にも行かず自宅に引きこもっていたり、国外脱出が叶わないまでも、国内で逃げ回るなど、徴兵忌避者が増えています。

 まさにバンドウ氏が、2年あまり前に指摘した通り、米英とゼレンスキー政権が「ウクライナ人が最後の1人となるまで」ウクライナ人にロシアとの「代理戦争」を戦わせ続ける、という状況が現実になっているのです。

 IWJは、2022年4月当時、バンドウ氏の記事をきわめて重要なものとして、お届けしています。この機会に、どうぞ、IWJ会員となって全文をお読みください。

 バンドウ氏は、インタビューの前半で、共和党の重鎮であり、ブッシュJr政権の副大統領として、「テロとの戦い」を押し進めたネオコンの超大物政治家であるディック・チェイニー氏が、カマラ・ハリス民主党大統領選候補への支持を表明したことに触れ、ハリス氏が戦争屋の忌まわしい経歴を持つチェイニー氏の支持を得て喜んでいるなど、「恥ずべきことだ」と批判しました。

 仮にハリス大統領が誕生すれば、バイデン政権以上にネオコン・軍産複合体に支配される政権となるリスクがあります。

 バンドウ氏は、「アメリカは、世界における自らの使命、独自の役割について並外れた意識を持っている」と、米国の外交政策が、独自の「例外主義」にもとづいていることに強い懸念を示し、中東諸国が米国の意に反して団結を強めていることに対して、「米国は、他国がワシントンの方針に従わないことを決して快く思っていない」と指摘しています。

 以下、『ゴーイング・アンダーグラウンド』のダグ・バンドウ氏インタビューの前半の仮訳です。


「不愉快」~ウクライナ代理戦争におけるNATOの役割をレーガン元大統領の特別補佐官ダグ・バンドウ氏が痛烈批判
アフシン・ラッタンシーの『ゴーイング・アンダーグラウンド』、2024年9月12日

「米国、ヨーロッパ、NATOはすべて、この件で責任を負うべきです。彼らはまったく無責任でした。NATOの拡大は、彼らが反対の保証をしたにもかかわらず…本質的には、ウクライナ人の命を犠牲にしてロシアを破壊するために戦っているのです。私は、それが嫌悪すべきことだと思います」~ ロナルド・レーガン元大統領の元特別補佐官、ダグ・バンドウ氏が、ウクライナにおける代理戦争に関する米国、英国、EUの政策を痛烈に批判する

<以下、インタビュー前半>

アフシン・ラッタンシ「アフシン・ラッタンシです。UAEから全世界に放送する『ゴーイング・アンダーグラウンド』へようこそ。

 今週、米国は、23年前、ワシントンD.C.では、ニューヨーク市を守れなかったこと(9.11)を記念しました。米国は他の(世界の主要な軍事大国の)9ヶ国をあわせたよりも多くの防衛費を支出しています。

 コソボやアフガニスタンのテロリストに対するCIAの支援が『9.11』テロのきっかけとなりましたが、水曜日(9月11日)、チリで新自由主義経済の急先鋒であるミルトン・フリードマンを記念する、もうひとつの『9.11』が開催されました。

 1973年9月11日、CIAはクーデターを強行し、民主的に選出されたサルバドール・アジェンデ大統領を排除しました(※1)。このクーデターは、何十年もの間、南半球の至る所で、死の部隊の設置、拷問、民営化、米国の従属国家を設置するための模範的な事例となりました。

 しかし今週、フィラデルフィアでのトランプ・ハリス討論会(9月10日開催)を前に、CIAの現ボス(※ビル・バーンズ長官)は、過ちについて語ることはありませんでした。

 彼はロンドンにいて、MI6(英国の対外諜報機関)のボス(リチャード・ムーア長官)とソファに座り、イスラエルとウクライナを支持し、ウクライナによるロシア侵攻についてゼレンスキー氏を祝福していました。(※2)

 そして、カマラ・ハリス氏は、彼女はロナルド・レーガン大統領を最初に支持した人物の支持を受け(※3)、誇りに思っていると述べました。その人物とは、ディック・チェイニー氏です。

 ここに、ワシントンD.C.から、元米国大統領ロナルド・レーガン氏の元特別補佐官であるダグ・バンドウ氏をお迎えしています。彼は、ワシントンのシンクタンク、ケイトー研究所(Cato Institute、※4)の上級研究員です。

 ダグ、ご出演ありがとうございます。イスラエルが資金援助している2人の候補者の討論会についてもお話いただけますね。

 9.11の記念日、チリ、そしてもちろん世界貿易センタービルと国防総省。その討論会の直前に、いわゆる『9.11の記念日』についてどのような見解をお持ちでしたか? そうですね、例えば、ミシガン州のイスラム教徒は、それをホロコーストと呼ぶでしょう。

 ハリスは、ジョージ・W・ブッシュの副大統領であるディック・チェイニーの支持を得たことを誇りに思うと述べています。そして、あなたはその人物を、おそらく、知っているでしょう…?」

ダグ・バンドウ「私はディック・チェイニーのファンではありません。私は彼を『ディック』と呼びますが、私にはもっと優先する事項がありました。

 『チェイニー』。彼は、ベトナム行きを避けるために5回も徴兵延期を申請した人物です。しかし、その後、徴兵年齢を超えると、彼は突如としてタカ派に転向しました。

 これ(チェイニーの支持を得たこと)は、ハリス候補にとって恥ずべきことだと思います。ご存じのように、民主党は、ディック・チェイニーが(ブッシュJr大統領候補の副大統領候補として)大統領選に出馬し、世界中で戦争を推進していた当時、彼を厳しく非難していましたから。

 ところが今や、突然、彼ら(民主党の政治家ら)は彼(ディック・チェイニー)を素晴らしい政治家だと持ち上げ、彼がハリス氏を支持することは、アメリカの民主主義と礼節を推進することにつながるなどと言い始めました。

 私には、これはきわめて異常なことのように思えます。彼の実績は忌まわしいものです。率直に言って、多くの共和党員がそうしてきたように、民主党には、彼を脇に追いやってもらいたいと願います」

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