2022年2月21日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部のロシア語系住民が多いドネツク州とルガンスク州の親ロシア派支配地域「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認した。しかも、ロシアは軍事介入を決定したと報じられた。ウクライナ危機は、ついにロシアがウクライナの「領土の一体性」を崩してしまう段階へと、エスカレートのステップを踏んだ。
フランスの仲介で実現目前だったプーチン大統領とバイデン米大統領の会談も風前の灯である。開催条件は「ロシアが侵攻しない」ことだった。一方、終了予定だったはずのベラルーシとロシアの合同軍事演習は継続をすることになり、ウクライナ国境沿いにとどまった。
この急展開に先立つ、2月10日、バイデン米大統領はNBCテレビのインタビューに、「アメリカ人とロシア人が撃ち合いを始めれば世界大戦になる(that’s a World War)」と断言していた。
ここから先、問題は、NATOがウクライナの加盟を承認するかどうか、である。
現時点では、ウクライナはNATO加盟国ではないため、ウクライナはNATOの集団的安全保障の対象ではない。しかし、加盟が承認されれば、ウクライナでロシアと米軍・NATOが直接対決することになる。その場合、階段を駆け上がるようにエスカレートしていけば、バイデン大統領の言葉通り、世界大戦に直結してしまうかもしれない。
思いつきで口にした大げさな言葉なのか確信をもって世界大戦への道筋が彼に見えているのか、その点は定かではないが。現実に世界大戦が勃発すれば、米国に隷属したままの今の日本政府の姿勢では、戦争に巻き込まれることを避けるのは困難である。
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