2021年9月22日、東京都渋谷区の日本共産党本部で、志位和夫委員長による、政策提言第2弾「日本共産党の新経済提言」の発表記者会見が行われた。
提言は「コロナ危機を乗り越え暮らしに安心と希望を」と題して「医療、介護、保育、障碍者福祉など、ケアをささえる政治に」など6項目。
冒頭、志位委員長は「全体を通した一貫したテーマは、弱肉強食の新自由主義の政策は終わりにしようということだ」と明らかにした。
IWJ記者は以下のように質問した。
「3点うかがいたいと思います。
ひとつは財源の件です。今回の提言では、緊急かつ臨時的というのと、恒久財源と、これを峻別されておられます。
野党の中には、MMT(現代貨幣理論)だとか、いわゆる際限のない国債の発行、こういうものに依存した経済政策、いまだにそういうものが残っているようですけれど、これについてどのようにお考えでしょうか。
それから選挙に関してですけれども、市民連合との4党合意、これは一定の成果だと思いますが、市民との共闘というのでしょうか、組織との、ということではなくて市民との共闘というのもお考えになってはいかがか、という点。
最後に、今世情を賑わしております、中国の恒大集団が破綻するのではないか、世界経済に影響を与えるのではないかという問題。こういう経済のあり方について、ご意見があればうかがいたいと思います」
IWJ記者の質問に対し、志位委員長は以下のように回答した。
「3点目はちょっとコメントの用意がちょっとありません。ご容赦ください。
まず1点目はいわゆるMMTということが言われました。それでMMTという議論も、『際限のない国債』という議論ではないと思うのです。『一定のインフレが起こらないような』ということだと思います。
ですから『際限のない国債』という立場ではないと思うのですが、やはり私たちはやっぱり国債発行をかなり、どんどん頼ってやっていきますと、いくらインフレを抑えると言っても、いったんインフレになっちゃいますと、じゃあその時に増税するのかということになりますよね。
ですからなかなか抑えが効かなくなってしまう危険があるな、というふうに思っておりまして、そういう財政論の立場とは私たちの立場は違います。
ただそういう方々とも、私は大事なことは富裕層や大企業に応分な負担を求めるという点では一致しているわけですよ。もちろん消費税の減税も一致している。社会保障を良くすることも一致している。ですから方向性はそういう方々とも一致していると思うんですよ。
そこが大事であって、ですから(れいわ新選組代表の)山本太郎さんも、この前の市民連合との共通政策には調印されたわけですね。ですから、そこで一致して結束していくということは、大事じゃないでしょうか。
いろいろな議論は、経済論としてはいろいろとあり得るわけで、それぞれの党がそれぞれの経済論を主張するということがあると思うんですけれども、やはり一致点は、今述べたような点は一致しているわけだから、協力していくということが大事だし、現にそういう協力が成り立ったと。
この前も4党の中にはれいわ新選組も入っておられるわけですから、これは非常に大事な点ではなかろうかと思っております。
それから市民の皆さんとの協力の追求ということなんですが、9月4日の共通政策というのは市民連合の皆さんが提唱していただいたものを、4党党首が合意して、それを実行する、そのための実行のための政権もつくる、ということでサインしたものですから、まさに市民の皆さんと野党が協力してああいう合意に到達したということですので、やはり私ども政党だけじゃなくていろいろな市民団体、市民運動を皆さんと幅広く連携してやっていくというのはこの共闘の始まったときからずっと一貫して重視してきた点ですが、この点引き続き重視してやっていきたい。
そういう点では市民連合の皆さんに本当にお骨折りいただいて、そういう共通政策をつくる上でも、いろいろな共闘を前に進める上でも、本当にお骨折りいただいて尽力いただいていることに感謝しております。協力を強めていきたいと思っております」。