2021年5月21日(金)、午前9時より、東京・中央合同庁舎にて、河野太郎新型コロナワクチン接種推進担当大臣の記者会見が開催された。
冒頭、河野大臣から、以下の件について、報告があった。
・5月24日(月)に開催予定の第9回再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース
・新型コロナウイルスのワクチン(5月20日迄で医療従事者へのワクチン接種は約620万回弱。約480万人と言われる医療従事者の8割が1回目の接種を終了。5月19日迄で高齢者へのワクチン接種は約160万回弱)
・厚生労働省が運営する医療機関・保健所等の医療人材の求人情報サイト「医療のお仕事 Key-Net」を活用したワクチン接種人材の確保
・モデルナとアストラゼネカ社製ワクチンの厚労省審議会での承認
・ワクチン接種に関する新しいテレビCM
大臣からの報告に続き、大臣と各社記者との質疑応答となった。IWJ記者からは、高齢者へのワクチン接種における、認知症や障害のある方々の扱いについて、以下のとおり、質問をした。
IWJ記者「認知症のご老人や障害のある方など、ご自身で意思表示ができない方のワクチン接種について、うかがいます。
先日、弊社に、函館市在住の方から以下のような情報提供がありました。
その方に『新型コロナワクチン事務処理の手引き(第1版)』というものが、市から送付されてきて、その中に『本人の意思が確認できない場合は接種できません』、『たとえ家族の了解があっても、本人の意思が確認できないなら接種はできない』『意識障害だけでなく、認知症などで本人の意思が確認できない場合も接種できない』との記載があり、理由はアナフィラキシーなどの重篤な副作用に関するリスク承知をご本人ができないから、とのことでした。
この方は、これまでインフルエンザワクチンなどはご家族様の同意と責任のもとで接種を行ってきており、今回も同様に行えるのではと反論したものの、そもそも他のワクチンもご本人の意思が確認できない場合は接種できないことになっており、今回は厳格に適応したまでとの返答だったようです。
これは全国的に起こっている話だと思われます。老健施設の、本人の意思確認ができない認知症状態のご老人などがワクチンを打てないのであれば、施設でのクラスター発生は今後も避けられないと思います。また、今後、一般人の場合でも、後見人の必要な判断力の不十分な方々にも同様の問題が発生するのではないでしょうか?
河野大臣の今後の対応についてのお考えをお聞かせください」
これに対し、河野大臣とIWJ記者との間で、次のようなやりとりがあった。
河野大臣「どこの自治体ですか?」
IWJ記者「函館市です。」
河野大臣「函館?…確認してご返事します。」
IWJ記者「よろしくお願いします。」
つい先日も、福島県会津若松市が「視覚障害のため点字の通知などを希望する住民に点字に対応していないワクチン接種券を送付していた」と発表。市は謝罪をし、現在、改善策を検討しているという。
今、社会は、新型コロナ禍の非常事態である。平時以上に、社会的な弱者と呼ばれる人々が置かれている状況を配慮し、適切な対応をしていかなければならないだろう。
記者会見の一部始終については、全編動画にてご確認いただきたい。