「野党が本気で止めようと思ったら、まだ策はあった」――“一人牛歩”で徹底抗戦した山本太郎議員に岩上安身が訊く!「やられたら取り返すしかない!」と再スタートを呼びかけ!岩上安身によるインタビュー 第582回 ゲスト 山本太郎議員 2015.9.24

記事公開日:2015.9.24取材地: テキスト動画独自
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(取材:岩上安身 記事:原佑介)

 全242人の参議院議員のうち、ただひとり「牛歩戦術」で安保関連法案の成立に抗った山本太郎参議院議員。9月18日の参院本会議では、「ここまで議会制民主主義を破壊した自民党は死んだも同然」だとして、数珠を手に、喪服姿で合掌するという「お焼香パフォーマンス」まで演じてのけた。

 「『国民の声を聞け!』という議員が1人もいないのは問題だろう、と思って牛歩をした。雨の中でも声をあげてきた全国の人たちに申し訳ないので」――。

 2015年9月24日、山本議員は岩上安身のインタビューに応じ、安保法案可決までの与野党の攻防の全貌を明かした。

 山本議員のパフォーマンスはたしかに奇抜ではあるが、本気で安保法案の成立をくい止めようとした結果の行動だった。山本議員は悔しさをにじませて、今国会を振り返った。

 「野党が本気で止めようと思ったら、まだ策はあった。牛歩をすれば、ひとりで3〜4分は稼げる。反対票に投じる約90人がみんなで牛歩すれば、時間は稼げた。もっと地べたを這いずりまわる抵抗はできたはずだ」

 さらに山本議員は、「自民は最終的にこのような民主主義の大破壊をゴリ押しした。『国会なんて存在はなくていんだ』と言っているようなものだ」と述べ、自民党の議事進行を批判。国会について「直接的な支配を隠すためにステージが設けられているようなものだ」と憤った。

 一方で、市民らの反対運動が、空前の規模で全国的な広がりをみせたことについて、「メディアが魂を売る中、草の根でここまで広がったのは素晴らしいことだ」と高く評価。「もう、やるしかない。安保法案を通されるまでは予測の範囲内。やられたなら取り返すしかない。センチメンタルになるよりも、ここから始めたほうがいい。皆さん、時代を楽しもう」と再スタートを呼びかけた。

記事目次

■イントロ

  • 日時 2015年9月24日(木) 18:30~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

「一人牛歩」に踏みきった山本議員の思いと葛藤

岩上「本日は、国会でひとり喪服を着て『自民党は死んだ』と弔った山本太郎議員にきていただいています。自民党がお亡くなりになったということで、私も頭を丸めてきました(笑)」

山本「議会制民主主義をあそこまで破壊した自民党は、死んだも同然ですからね。小沢一郎共同代表からは、『牛歩は議員に与えられた権利だからいいが、お焼香はふざけていると取られかねない』と叱責がありました。同じく同僚の主濱了議員は、牛歩中に『このあと衆議院に舞台が移るから、もし牛歩するならその次のほうが効果的』とアドバイスしてくれました。

 議長には牛歩を2分に区切られたので、『では2分でもやらせてください』とお伝えしました。国会議員になってから一番厳しく言われたことは、『ルールを破ることは許されない』ということでしたが、この間、議会制民主主義のルールがずっと破られてきましたよね。

 『国民の声を聞け!』という議員が1人もいないのは問題だろう、と思い、牛歩をしました。雨の中でも声をあげてきた全国の人たちに申し訳ないですから」

岩上「蟷螂の斧でも振りかざして爪痕を残したい、という思いですね。抵抗の姿勢は市民の皆さんが望んでいたものですよ」

山本「野党が本気で止めようと思ったら、まだ策はあった。牛歩をすれば、ひとりで3〜4分は稼げる。反対票に投じる約90人がみんなで牛歩すれば、時間は稼げました。もっと地べたを這いずりまわる抵抗はできたはずなんです。でも、僕も体力の限界もきていました。女性の先輩議員たちも膝や腰にきていて、やってもいないのに牛歩みたいになっていました(笑)。

 ひとりでもやるのかどうか迷いはあって、3日前くらいから考えていました。でも最後まで抗うために僕は国会に送られたので、何を選択するべきかは明らかでした」

岩上「野党の牛歩は昔、テレビで観ましたが、あれはひとりでは効果が薄いんですよね。ひとりでやっても、どんどん追い抜かれていってしまいますからね」

山本「他の野党議員も『負けるな』『頑張れ』と言ってくれました。こういう人たちとパーティーが作れたらいいなぁ、と思いました」

山本太郎議員

「お焼香パフォーマンス」に睨みつける安倍総理 山本議員「総理は目力ない」

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  1. IWJに感謝 より:

    久しぶりに太郎さんのインタビューを観さしていただきました。
    立候補された当時のインタビューと比べて、良くも悪くも政治家になられました。
    立候補した当時の輝きが、政治政党に対する失望に曇らされている感じがしました。
    共産党との共闘は政党が絡むと難しいのかな?
    ただ、芯は折れてない。出発点は忘れられてないと思います。
    今回、生活の党で勉強されて、将来的にはご自身の理想を実行できる政党を作られることを望みます。
    日本を変えれるのは山本太郎だと信じています。
    そして本当のマスコミはIWJです。

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