2014年3月28日(金)14時から、東京都港区の原子力規制庁で、森本英香次長による定例ブリーフィングが行われた。東電福島第一原発の対応について、森本次長は、規制委も一歩前に出るが、「それが過ぎることによって、責任関係、リスクの管理の責任関係が曖昧になることは避けたい」との考えを示した。
2014年3月28日(金)14時から、東京都港区の原子力規制庁で、森本英香次長による定例ブリーフィングが行われた。東電福島第一原発の対応について、森本次長は、規制委も一歩前に出るが、「それが過ぎることによって、責任関係、リスクの管理の責任関係が曖昧になることは避けたい」との考えを示した。
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4月3日(木)新規制基準適合性審査の一環で島崎邦彦委員が、九州電力株式会社川内原子力発電所の現地調査を行い、発電所の地震や津波に関する対策の状況について、直接現地を確認する予定。詳細は別途プレスリリースを参照。
通常火曜日には更田豊志委員担当のプラントの審査会合が開催されているが、4月1日は開催されない。いずれの事業者側の準備も整っていないため、開催されないという。
「優先プラントである川内原発の審査書案の策定のために職員の力を結集することで、他のプラントの審査のペースが遅れるということもあるかと思う」と森本次長は説明した。しかし、規制委の基本スタンスとして、事業者から必要な書類などが出てくれば、ヒアリングや審査会合は淡々と行うと表明した。
日本原子力発電から敦賀2号機の破砕帯審議について、ピアレビュー会合の有識者も加えてほしいという申入れがあった。現在は有識者調査団による評価会合の後、ピアレビュー会合を行うという二段階構成になっている。
森本次長は、審査に科学的観点からの中立性が重要との認識から、今のやり方を変える必要はないという規制委の考えを示した。事実上、申し入れは却下された。
新規制基準が施行された時点で37年以上に達する原発について、各電力会社が2015年7月までに、運転延長か廃炉かの方針を規制委に示さなければならない。それがなければ、「40年運転制限」が適用され、廃炉になる。
これは炉規制法で定められており、周知されていることだが、記者からの質問への回答として、改めて説明された。現在対象となる原発は、敦賀1号、美浜1号2号、島根1号、高浜1号、玄海1号、高浜2号の7プラントである。
東京電力福島第一原発にて、2月19日に確認されたH6エリアタンク上部からの水の漏えいは、”法令報告対象”に該当する。これに対する規制委の対応を問う質問が記者から出た。
金城慎司・福島第一事故対策室長は、東電からの報告を評価するとともに、”特定原子力施設監視評価検討会”や”汚染水ワーキンググループ”などで東電の原因の調査状況や対策について、「しっかりと詰めていきたい」という考えを示した。また、時期的に保安検査と重なっていたことから、保安検査に含めてH6エリアタンクも検査し、対応をとっているという。
「東電は、もうギブアップしているのではないか。当事者が本気で調査できるのか」と記者から質問が続いた。森本次長は、「この先、何十年にも渡るリスクをしっかり管理するということを、東京電力に果たしてもらう必要がある」と述べ、そのために規制委も一歩前に出るが、「それが過ぎることによって責任関係、リスクの管理の責任関係が曖昧になることは避けたい」との考えを示した。