2014年3月20日18時より、原子力規制委員会田中俊一委員長と東京電力株式会社廣瀬直己代表執行役社長との面談が行われた。東電からの報告に対し、委員からは「社長の発言は、国民に対する約束だと受け止めてほしい」、「1Fに対する投資を惜しまないでほしい」といったコメントが飛んだ。
2014年3月20日18時より、原子力規制委員会田中俊一委員長と東京電力株式会社廣瀬直己代表執行役社長との面談が行われた。東電からの報告に対し、委員からは「社長の発言は、国民に対する約束だと受け止めてほしい」、「1Fに対する投資を惜しまないでほしい」といったコメントが飛んだ。
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この面談は、東京電力から申し出があり開催されたもの。2013年10月28日に田中委員長と広瀬社長が直接面談し、委員長から作業員の職場環境整備などを求めた結果、東京電力は「緊急安全対策」を取りまとめ、本日までそれに沿った対策を実施してきているという。緊急安全対策の実施状況や、4月から発足する廃炉推進カンパニーについて報告したいと東京電力から規制委に申し出があり、面談が実現した。
東京電力からは、廣瀬直己(ひろせなおみ)代表執行役社長、相澤善後(あいざわぜんご)代表執行役福社長、増田尚宏(ますだなおひろ)廃炉汚染水対策最高責任者(CDO)が出席した。規制委は田中俊一委員長、更田豊志委員、中村佳代子委員が対応した。
廣瀬社長は、緊急安全対策実施から4ヶ月目、事故から丸3年が経過してもなお、避難などで「苦労をおかけしている」と謝罪。さらに、最近の汚染水漏えいに関しても、重ねて謝罪の言葉を述べた。
次いで、相澤福社長から緊急安全対策の進捗について報告があった。労働環境の抜本的な改善策として、大きく5項目を実施したことを説明。4号機の使用済燃料プールからの燃料取出しは、廃炉カンパニーが発足した後の連休ごろに一旦休止し、これまでの振り返りや反省などを行う考えを示した。
これらを受けて田中委員長は、短期間の間にかなり進捗したことは率直に認めると称賛したが、「社長の発言は、国民に対する約束だと受け止めてほしい」と述べ、「1Fの問題をきちんとしないと、東京電力の存在そのものが危うい状態になる」とくぎを刺した。さらに「現場を学ぶのに一番いい場所は、今は1Fだ。だから、できるだけ交代しながら長期で1Fの現場に入って仕事をするようにと規制庁職員に言っている。東電も、人の流れ、苦労、痛みを共有することが大事だ」とコメントした。
「1Fの廃炉作業、汚染水対策の計画や実施における安全に対する姿勢は、東京電力の安全に対する姿勢だと考えてよいか」との更田委員からの問いに、廣瀬社長は、「その通りだ」と応えた。その上で更田委員は、「福島第一に対する投資を惜しまないでほしい」と要望した。
中村委員は、”F1 issue”として海外に福島第一原発に関する情報を発信している立場から、面談に出席していると前置きし、東電に対して「『だろう』や『考えている』という文章はない。事実だけを伝えることが、信頼性を担保している」と、苦言ともとれる発言をし、「今日の説明が、絵に描いた餅にならないように、確実に前に進んでほしい」と要請した。