危機的な状況が続く福島第一原発の汚染水漏洩問題について、原子力規制委員会の田中俊一委員長は28日午前、東京電力の廣瀬直己社長を原子力規制庁に呼んで面談した。田中委員長と廣瀬社長が面談するのは今回が初めて。
面談の模様は非公開で、終了後、廣瀬社長と、同席した原子力規制庁の池田克彦長官がそれぞれぶら下がり会見に応じた。
田中委員長「福島第一、極めて憂慮すべき状態」
池田長官が明らかにしたところによると、田中委員長は廣瀬社長に対し、「福島第一の現状は極めて憂慮すべき状態」だとしたうえで、作業現場の意識改革や士気の向上、社長としての現状認識などについて説明を求めたという。廣瀬社長は作業員の確保が困難になっている状況を説明したうえで、火力や水力の分野からも担当者を派遣したいと述べたという。
面談後、記者団への取材に応じた廣瀬社長は、「1F(福島第一)をまずはきちんとしなければならないというのが社の認識。社員にしろ協力企業にしろ、職場環境を良くしていくことをやっていかなければいけない」と語った。作業員の不足については、「(台風の)雨の対策でパトロールを強化するなどバタバタしたが、手当は済んだ。とりあえずは足りていると思っている」と強調した。
この日の面談では、東電が9月27日に適合審査を申請した新潟県柏崎刈羽原発6,7号機に関する話題は出なかったという。