築地市場の移転は現実的なのか──。
2014年2月15日、東京都中央区にある築地中央卸売市場の移転問題を議論する「緊急2.15大シンポジウム どうなる築地市場 みんなで大激論」と題するシンポジウムが、築地市場内の講堂で行われた。
築地市場移転問題の発端は、石原慎太郎氏の築地視察だった。1999年に東京都知事に就任した石原氏は、その年の9月1日に築地市場を視察し、「古い、汚い、危ない」と発言したのだ。そして立ち上げられたのが、豊洲新市場への移転計画である。
(IWJ・石川優)
特集 築地市場移転問題
築地市場の移転は現実的なのか──。
2014年2月15日、東京都中央区にある築地中央卸売市場の移転問題を議論する「緊急2.15大シンポジウム どうなる築地市場 みんなで大激論」と題するシンポジウムが、築地市場内の講堂で行われた。
築地市場移転問題の発端は、石原慎太郎氏の築地視察だった。1999年に東京都知事に就任した石原氏は、その年の9月1日に築地市場を視察し、「古い、汚い、危ない」と発言したのだ。そして立ち上げられたのが、豊洲新市場への移転計画である。
■ハイライト
ところが、移転先として選んだ豊洲新市場予定地は、東京ガスの跡地であり、日本最大級の土壌汚染地帯だった。
2007年に設置された土壌汚染対策に関する専門家会議の調査で、国の環境基準値の4万3千倍の有害物質ベンゼンが検出され、さらに、2011年3月11日の東日本大震災時には、豊洲新市場予定地で液状化が起こった。土壌汚染にとどまらず、脆弱な地盤だということも露呈したのだ。
一方、築地市場は大震災のとき、どうだっただろうか。それまで移転推進派によって施設の老朽化が指摘され、そのことが市場移転の理由のひとつにもされていたが、目立った被害はなく、強靭な地盤であることが証明されたのである。
東京中央市場労組書記長の中澤誠氏は、豊洲新市場について「物流が問題。間抜けな建物」と批判する。
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