日刊IWJガイド・日曜版「『ペンタゴン・ペーパーズ』の、ダニエル・エルズバーグ氏が92歳で死去! 死の床から、現在を『すべてが危機に瀕しているとき』と警鐘!」2023.6.18号~No.3930号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~ベトナム戦争への米国の参戦の経緯から泥沼化へと至る過程を記した国家機密文書を暴露した内部告発者、ダニエル・エルズバーグ氏が死去! 1971年、7000ページに及ぶ米国防総省の機密書類「ペンタゴン・ペーパーズ」で、米政府の嘘を暴き、「アメリカで最も危険な男」と呼ばれたエルズバーグ氏は、最後のインタビューで、内部告発をする者が負うリスクはますます大きくなっているが、それでも告発すべきときは「すべてが危機に瀕しているとき。クリミア、台湾、バフムートで世界が爆破されようとしているとき」と語っていた!

■IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から5月まで10ヶ月間の累積の不足額は、1868万2900円となりました! 6月は16日までの16日間で、72件、151万円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の39%にあたります。そして、月間目標額の達成にはあと13%、239万円が必要になります。6月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

■【中継番組表】

■<IWJ取材報告 1>辺野古新基地建設断念を求める国会請願署名「55万9224筆」を国会議員に手交。「全国民の問題として、国会の場で議論をしていただきたい」と稲嶺進実行委員長!!~6.13辺野古新基地建設断念を求める請願署名 国会提出に向けた院内集会

■<IWJ取材報告 2>厚労省はPFAS汚染対策をやる気なし! 阿部知子議員「血液検査をどうやってやらせていくか、強く取り組みたい」~5.31 立憲民主党会派環境部門会議―内容:PFASに関する被害の現況と国への要望について、沖縄住民よりヒアリングほか

┠【本日のニュースの1撃!】

■【第1弾!】サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)で、ノルウェーの政治学者が「西側諸国の対露制裁は自傷行為」だと指摘!

■<今週の新記事振り返り>

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>

■【スタッフ募集・事務ハドル班】事務ハドル班は、岩上安身によるインタビューのアポ取りとスケジューリング、各種リサーチ、公共コンテンツの取材のためのアポ取りや、中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの活動予定を組み立て、指示を出す、重要な役割を担っています。翌日以降の中継・配信予定と、撮影後に記事化された動画の情報を整理し、翌日の日刊IWJガイドの番組表へ反映する、IWJコンテンツ構成の要となる部署です。

■【スタッフ募集・テキスト(赤反映担当)班】記者として日刊IWJガイドや記事の執筆、エディターとして編集業務を行っていただける方を募集します。特に深夜業務での校正作業を厭わない方は、優遇し、最優先で募集します! 深夜に及んだ場合は、社用車での帰宅が可能です。時給はスタート時は1300円から、能力・実績次第で昇給します。深夜業務は法にのっとった割り増し残業代を支払います。『サビ残』は一切ありません!
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■はじめに~ベトナム戦争への米国の参戦の経緯から泥沼化へと至る過程を記した国家機密文書を暴露した内部告発者、ダニエル・エルズバーグ氏が死去! 1971年、7000ページに及ぶ米国防総省の機密書類「ペンタゴン・ペーパーズ」で、米政府の嘘を暴き、「アメリカで最も危険な男」と呼ばれたエルズバーグ氏は、最後のインタビューで、内部告発をする者が負うリスクはますます大きくなっているが、それでも告発すべきときは「すべてが危機に瀕しているとき。クリミア、台湾、バフムートで世界が爆破されようとしているとき」と語っていた!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 ベトナム戦争への米国の関与を暴露した内部告発者、ダニエル・エルズバーグ氏が、6月16日、92歳で、カリフォルニア州ケンジントンの自宅で膵臓がんのため亡くなりました。『BBC』はじめ、各紙が報じています。

※Daniel Ellsberg: Pentagon Papers whistleblower dies aged 92(BBC、2023年6月17日)
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-65932944

 エルズバーグ氏は、1971年、7000ページに及ぶ米国防総省の機密書類「ペンタゴン・ペーパーズ」を『ニューヨーク・タイムズ』に渡し、米政府の嘘を暴き、反戦を訴えました。「ペンタゴン・ペーパーズ」とは、エルズバーグ氏自身も関わった、1945年から1967年までの米国のベトナムへの政治的および軍事的関与を記した文書です。

 スティーヴン・スピルバーグ監督による、映画『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(THE PENTAGON PAPERS)』(2018)では、ダニエル・エルズバーグ氏をマシュー・リース、エルズバーグ氏から機密書類を受け取った『ニューヨーク・タイムズ紙の記者ニール・シーハン氏をジャスティン・スウェインが演じました。

 一方、メリル・ストリープが『ワシントン・ポスト』のトップで、米国主要新聞社史上初の女性発行人キャサリン・グラハム氏、トム・ハンクスが編集主幹ベン・ブラッドリー氏を演じました。

※ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BA/%E6%9C%80%E9%AB%98%E6%A9%9F%E5%AF%86%E6%96%87%E6%9B%B8

 『ポリティコ』は6月4日、エルズバーグ氏への最後となったインタビューを公開しています。エルズバーグ氏は、オバマ政権以降、内部告発のリスクはさらに高まっており、本当にリスクを冒してまで内部告発をすべき事柄は限られており、よく考えて行うべきだとアドヴァイスをしています。

 「私が言いたいのは、これほど内部告発者が必要とされている時代はないということです。…私たちの時代よりも、内部告発者が常に必要とされてきています。同時に、内部告発者になることの危険性もますます高まっています。それについてはほとんど疑いの余地がありません」

 「私の最大のアドバイスは、自分のキャリアを破壊され、実際に刑務所に入るという高いリスクを受け入れる覚悟がない限り、こんなことはするなということです」

 「刑務所に入るというのは、オバマの時代から始まった新しいことですが、今となっては非常に大きな問題です。明らかに、内部告発に値する事柄の数はかなり絞られます。例えば、贈収賄やコスト超過の問題だけであれば、私は内部告発をしないでしょう。刑務所に入るほど重要なことではありませんから」

 エルズバーグ氏のインタビューを公開したマイケル・ハーシュ氏は、エルズバーグ氏が自らの告発の後に続いた、チェルシー・マニング氏やジュリアン・アサンジ氏、エドワード・スノーデン氏などの告発にもかかわらず、米国は依然として「秘密帝国」を運営している、と指摘したことを紹介しています。

 「1時間20分のインタビューの中で、エルズバーグ氏は、NATOの米国支配に象徴されるように、米国が今も世界中で『秘密帝国』を世界中で運営していると主張した。エルズバーグ氏は、ワシントンが権力中枢をロシア国境に向かって東進させることで、意図的にウラジーミル・プーチンを挑発してウクライナを侵略させたと考えている。主流メディアは政府が隠す権利のない秘密を保持することを許可することに『加担』している。そして、アメリカ人が海外では常に『善人(good guys)』であるという考えは『常に誤りだった』と」。

 エルズバーグ氏は、同インタビューで、内部告発によって、自分のキャリアや人生を犠牲にするリスクがあることを認めながらも、なお内部告発に価値があるものになりうる場合がある、と語っています。

 「すべてが危機に瀕しているとき。私はここで暗黙のうちに核戦争について話していますが、気候も同じです。私たちがかなり究極的な大惨事に直面しているときです。クリミア、台湾、バフムートで世界が爆破されようとしているとき。…文明と80億人から90億人の人類の生存の観点から、すべてが危機に瀕しているとき、わずかな影響を与えうるであろうわずかなチャンスにも価値があるでしょうか? 答えは『もちろん、ある』です。もちろん、それだけの価値があるかもでしょう。それはむしろ義務的であるとさえ言えます」

 末期癌の病の床にあって、エルズバーグ氏は、今こそ、人生の危険を冒してでも真実を知るものは告発せよ、と呼びかけているのです。

※Daniel Ellsberg Is Dying. And He Has Some Final Things to Say.(POLITICO、2023年6月4日)
https://www.politico.com/news/magazine/2023/06/04/daniel-ellsberg-final-advice-00099639

 エルズバーグ氏が、『ペンタゴン・ペーパーズ』を持ち込んだときに、『ニューヨーク・タイムズ』の記者であった、シーモア・ハーシュ氏は3月、エルズバーグ氏との思い出を書いています。

※MY FIFTY YEARS WITH DAN ELLSBERG(SEYMOUR HERSH、2023年3月8日)
https://seymourhersh.substack.com/p/my-fifty-years-with-dan-ellsberg

 1971年当時のエルズバーグ氏の会見は以下で見ることができます。

 動画には「(1971年12月30日)国防総省の文書『ペンタゴン・ペーパーズ』を盗み、『ニューヨーク・タイムズ』に流した罪で再起訴された後、記者会見で話すダニエル・エルズバーグ博士」と注記されています。

※SYND 31 12 71DOCTOR DANIEL ELLSBERG SPEAKING AT A NEWS CONFERENCE(APアーカイブ、2015年7月24日)
https://www.youtube.com/watch?v=DjVlIR1By8I

 昨日の『日刊IWJガイド』でも、ジュリアン・アサンジ氏の米国への身柄引き渡しの危機が近づいている、というニュースにあわせて、ダニエル・エルズバーグ氏に言及したばかりでした。ご冥福をお祈りします。

※【第10弾! RSF、8日】英国高等法院の上告棄却を受け、ジュリアン・アサンジ容疑者の米国への引き渡しが近づいている! アサンジ氏は、なぜ21世紀のダニエル・エルズバーグになれなかったのか!?
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230617#idx-14
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52407#idx-14

■IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から5月まで10ヶ月間の累積の不足額は、1868万2900円となりました! 6月は16日までの16日間で、72件、151万円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の39%にあたります。そして、月間目標額の達成にはあと61%、239万円が必要になります。6月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 6月に入り、昨年8月1日から始まったIWJの第13期も、残り2ヶ月を切りました。

 厳しい経済状況の中、ご寄付をお寄せくださった皆さま、誠にありがとうございました!

 しかしながら、今期第13期5月末までの累積の不足額は、1868万2900円となりました。この累積の不足額を少しでも削れるように、引き続き、どうぞご支援をお願いします!

 6月は16日までの16日間で、72件、151万円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の39%にあたります。そして、月間目標額の達成にはあと61%、239万円が必要になります。

 ぜひ、皆さま、今月6月こそは、まずは月間目標額を達成できますよう、どうぞ緊急のご支援をお願いいたします!

 また、現状の会員数をお知らせします。

 5月末時点での会員総数は2648人(前年同日比:1113人減)でした。会員の方々の会費と、ご寄付が、IWJの運営の二本柱です。ご寄付も、連日お伝えしているように、目標額を下回っていますが、会員数も会費も減少しています。

 経営は本当に赤字が連続し、厳しい運営状況が続いています。

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、独立系メディアの意義と、米国に忖度する日本政府、大手主要メディアの「情報操作」の恐ろしさについて、広めてください。

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、IWJにつなぎ融資をいたしました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けて、まだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。近いうちに、また私がIWJにつなぎ融資をしなければならない見込みですが、本当に貯金が底を尽きます。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、会費も減少し、ご寄付までもが急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。

 ウクライナ紛争に続き、「台湾有事」を口実とする米国の「代理戦争」が、東アジアで画策されている今、私、岩上安身とIWJは、破滅的な戦争を回避すべく、また、ウクライナ紛争報道で明らかになった、偏向マスメディアの不誠実な「情報操作」に代わるべく、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるよう走り続けたいと存じます。

 その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために、今後も全力で頑張ってゆきたいと思います。

 2月、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出しました。日本の新聞・テレビなどのメインストリーム・メディアは、一切このスクープを報じませんでした。

 IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5

 私は、ロシア軍がウクライナに侵攻して1年となる2月24日の岸田総理会見で、ハーシュ氏のスクープについて岸田総理に直接、質問しました。

 私が「日本政府は、このノルドストリーム爆破疑惑について、独自に検証や調査を行なっているのでしょうか?」と質問したのに対し、岸田総理は、「米政府は完全なるフィクションであるという評価をしております」「ノルウェー外務省もナンセンスと言っています」「多くの国においてこうした記事に関しては、否定的な評価がされている」とはぐらかし、日本政府・日本国総理としての独自の判断を示しませんでした。

※【IWJ代表:岩上安身質問】ノルドストリーム爆破疑惑について、日本は独自に検証や調査を行なっているのか?岸田内閣総理大臣記者会見-令和5年2月24日(Movie IWJ)
https://www.youtube.com/watch?v=9uUrTxr_Mss

※はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!~(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230225#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-1

 このウクライナ紛争は、ロシアを弱体化させるための米国主導の戦争です。

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、同盟国のドイツが多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、ロシア産の格安の天然ガスが入らなくなって窮地に陥った欧州に、米国産の高値の天然ガスと石油を売りつけて市場を奪い取ったということになります。

 つまり、米国は「敵国」のロシアだけでなく、米国の重要な同盟国であるはずのドイツにも大損害を与えた疑いがあるのです。これが真実であるならば、同盟国への重大な背信であり、裏切りです。犠牲を払わされたドイツと同じく、同盟国とは言いながら、ジュニア・パートナー(主権のない従属国)扱いされている日本も、同じ目にあわされる可能性があります。

 IWJでは、独自のIWJ検証レポートによって、ドイツとロシアを直接結ぶノルドストリームの建設を米国政府・議会が何度も妨害してきた事実、そして、完成はしたもののウクライナ紛争の勃発と対露制裁によって使用できなくなり、さらに爆破テロに見舞われるまでの経緯を、お伝えしています

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプラインノルドストリームの阻止!!」~2022.4.27
(その1)https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505188
(その2)https://iwj.co.jp/wj/open/archives/508187

 お読みいただければわかりますが、この経緯を知ると、ウクライナ紛争以前から、米国はノルドストリームの完成と開通を何としても阻みたいと思っていたという事実が明らかになります。

 岸田文雄総理は、1月早々、昨年末に閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて鼻高々でした。

 国会での議論と承認がなされなくても、米国からの要請があれば、「安保3文書」を閣議決定し、軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が身代わりに犠牲となり、日本はウクライナのように、米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。

 上記の4月24日の岸田総理会見で、私は、「米国は誠実な同盟国なのかどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に丸ごと委ねていていいのか」「有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか」と問いました。

 岸田総理は「自衛隊及び米軍は、各々独自の独立した指揮系統に従って行動をする、これはいうまでもないこと」などと、自衛隊の指揮権はあたかも米軍から独立して存在しているかのように述べました。

 しかし、この総理の発言は、事実と異なります。従来の幕僚長を事実上廃止し、新たに米軍との「統合司令部」を設置する「安保3文書」の改定は、自衛隊を米軍の司令下におく「2軍」にしてしまうものです。

 自衛隊が米軍と司令部を統合してしまい、自身で状況判断するための目と耳(情報衛星他)をもたず、独自に判断する頭(内閣に直結し、米国から独立した司令部)をもたない、そんな日本が、安全保障において、米軍から独立した主権をもつ、といくら岸田総理が口先だけで言っても、自衛隊のおかれたリアルな現実を国民に説明していることにはなりません。

 3月28日、「安保3文書」の改定を踏まえ、防衛費を大幅増額した2023年度予算案は、政府案どおり成立しました。

※令和5年度予算(財務省)
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2023/fy2023.html

 日本は、このまま米国追従を続け、米国の単独一極覇権を支えるために、日本自らは世界最悪の財政危機に直面しているというのに、米国の要請に従って、軍拡という重い財政負担を背負うのはあまりに愚かではないでしょうか!?

 ノルドストリームの爆破事件については、その後、新たな進展がありました。

 米『ワシントン・ポスト』が6月6日、「米国はノルドストリーム・パイプラインを攻撃するウクライナの詳細な計画の情報を(事前に)持っていた」とするスクープを出しました。同日、『ニューヨーク・タイムズ』が後追い記事を出しています。

 『ワシントン・ポスト』は、ノルドストリームを爆破したのは、ウクライナ軍の総司令官であるザルジニー将軍直属のウクライナ軍の一部であり、米政府はその爆破計画を事前に知っていたと報じたのです。

 しかし、ザルジニー将軍は現在消息不明、頭部を負傷して職務に復帰するのは困難などと伝えられ、このスクープ記事にコメントできる状況にありません。

 しかも、『ワシントン・ポスト』によれば、ノルドストリーム爆破計画は、ゼレンスキー大統領には知らされていなかったというのです。

 つまり、この両紙にリークしたそれぞれの情報源は、他人事のように「米政府は事前にウクライナの爆破計画について知っていた」とすることで、ウクライナ側に責任をすべて負わせ、シーモア・ハーシュ氏が暴露した「米国主犯説」を否定し、かつ、米国の望むままに紛争をエスカレートするゼレンスキー大統領を温存するもので、「主犯」役扱いのザルジニー将軍は消息不明で弁明もできません。この点は、まさしく「死人(負傷者?)に口なし」です。まことに米国に都合のよいストーリーになっています。

 ただし、仮にこの説が真実に近いとすると、米国は主犯ではなくても、無関係だった、無実だ、とは言えなくなります。むしろこのノルドストリーム爆破計画に、一定の関与をしていた疑いが濃厚です。

 事前に爆破計画を知っていながら、米政府はこの情報を秘匿し、ウクライナにテロをやめるように働きかけず、黙認したことになります。

 実際に爆破が起きた後は、誰が主犯か知っているというのに、米国政府は、「ロシアが自作自演の爆破を行なった」という、自国の資本を投じたロシアにとって何のメリットもない、まったくの濡れ衣を着せるデマ宣伝を続けたのです。

 これは西側政府や西側各国のマスメディア、御用知識人等々に大きな影響を与え、馬鹿馬鹿しいロシア自作自演説を喧伝する記事や番組、コメントなどが今に至るまで、溢れかえりました。

 『ワシントン・ポスト』のスクープは、ザルジニー将軍による爆破計画や実施の詳細も曖昧で、情報源は「あるウクライナ人」といった調子で、雲をつかむような内容でした。

 いずれにしても、この両紙のスクープによって、ハーシュ氏が彼の記事に書いた米国の犯行加担の疑惑が消えたわけではなく、ウクライナの犯行という疑惑も消えたわけではありません。両国の共犯という可能性もあり得るからです。

 IWJは、この件について、13日、林外務大臣の記者会見で問いただしました。

 その一問一答は、本日の日刊IWJガイドに掲載していますので、ぜひ御覧ください!

※「ノルドストリーム爆破はウクライナ軍によるもの!! CIAは事前にこの爆破計画を欧州諸国と共有していた!?」IWJ記者の質問に「報道のひとつひとつにコメントすることは差し控える」と林大臣!!~6.13 林芳正 外務大臣 定例会見 2023.6.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516594

 また、一昨日の13日に、岸田総理の会見に出席した岩上安身は、同様の質問をする予定でしたが、当たりませんでした。

 しかし、総理会見出席者は、メールでその質問を官邸広報室に送り、総理の回答が官邸のホームページに掲示されることになっています。ぜひ、ご注目ください!

※はじめに~子ども未来戦略方針を閣議決定したことを踏まえ岸田文雄総理が記者会見! これだけの少子化対策を実際に実行すれば、実効性が期待できるものの、20~25年前にこれだけの対策を行っていれば第三次ベビーブームが起きていたはず! なぜ半世紀もの間、与党・自民党と日本政府は、少子化問題に取り組もうとしなかったのか!? 不作為の極み! 少子化は人災である!(日刊IWJガイド、2023年6月14日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230614#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52394#idx-1

 IWJは、検証記事を号外で出しています。どうぞこちらもお読みください。

※【IWJ号外】米『ワシントン・ポスト』が、「米国はノルドストリーム・パイプラインを攻撃するウクライナの詳細な計画の情報を持っていた」とスクープ! IWJはスクープ記事を全文仮訳! 2023.6.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516462

※『ワシントン・ポスト』の報道を受けて『ニューヨーク・タイムズ』が援護射撃?!「ペンタゴン・ペーパーズ」の再現か!? 姑息な情報操作の連鎖か!? いずれにしてもノルドストリームを爆破して、ロシアの自作自演という嘘をついてきたのは米国かウクライナのどちらか、あるいはその両方。米国とNATO諸国政府が爆破計画を事前に知っていたことは否定できず!(日刊IWJガイド、2023年6月8日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230608#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52371#idx-4

 そもそも日本が依存している米国は、誠実な、信頼に値する同盟国といえるのでしょうか!?

 4月12日の日刊IWJガイドの記事(※)も、ぜひあわせてお読みください。米国は、同盟国に対して、当たり前のように盗聴を仕掛けています。ドイツなどは米国政府に抗議しましたが、日本政府は、まったく抗議していません。

※『ニューヨーク・タイムズ』が報じた、ウクライナ紛争をめぐる米国とNATOの戦争機密文書漏洩事件! 漏洩文書に韓国政府内の議論が含まれていたことから、CIAによる韓国国家安保室盗聴が発覚! 謝罪を求めない尹政権に韓国与党も「卑屈極まりない」と批判! 2013年のスノーデン氏による盗聴暴露問題も再燃し、米国のダブルスタンダード、繰り返される同盟国への盗聴に韓国メディアが猛批判を展開! 日本も盗聴されているはずだが、沈黙し続けるのか!?(日刊IWJガイド、2023年4月12日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230412#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52117#idx-1

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として立つべきです。同時に、エネルギーと食料の自給ができず、資源をもつ他の国々からの海上輸送に頼らなければならない、孤立した「島国」であるという「宿命」を決して忘れず、国外にそもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

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店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
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 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

 岩上安身


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◆中継番組表◆

**2023.6.18 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・大阪】15:30~「増税反対!国会を揺らそう。大阪デモ ―登壇:れいわ新選組 山本太郎代表、大石あきこ衆議院議員ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach1

 「れいわ新選組 大石あきこ事務所」呼びかけのデモを中継します。これまでIWJが報じてきた、れいわ新選組関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E3%82%8C%E3%81%84%E3%82%8F%E6%96%B0%E9%81%B8%E7%B5%84

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◆中継番組表◆

**2023.6.19 Mon.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【IWJ号外】ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領予備選立候補発表後に行った、歴史的なボストン・スピーチをIWJが全文仮訳!(第3回)父のエピソードから、米国民に真実を伝えようとする!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516665

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■<IWJ取材報告 1>辺野古新基地建設断念を求める国会請願署名55万9224筆を国会議員に手交。「全国民の問題として、国会の場で議論をしていただきたい」と稲嶺進実行委員長!!~6.13 辺野古新基地建設断念を求める請願署名 国会提出に向けた院内集会

 2023年6月13日、午後12時より、東京都千代田区の参議院議員会館にて、オール沖縄会議と、辺野古新基地建設断念を求める国会請願署名実行委員会の主催により、「『辺野古新基地建設断念を求める請願署名』国会提出に向けた院内集会」が開催され、稲嶺進氏(オール沖縄会議共同代表)、高里鈴代氏(同共同代表)、福元勇司氏(同事務局長)らが登壇しました。

 冒頭の主催者挨拶の中で、国会請願署名実行委員長の稲嶺進氏は、「およそ56万筆(55万9224筆)に及ぶ署名にご協力くださいました全国の支援者の皆さまに、感謝と敬意を表したい」とし、次のように述べました。

稲嶺氏「これだけの数字が集まったその背景には、辺野古新基地建設問題は、我が国の民主主義と、それから地方自治のあり方を問う、それから、国民主権をしっかりと主張する、極めて基本的な問題であるということだというふうに思っております。

 そして、同時に、これらの問題は、もはや沖縄だけの問題ではなくて、全国・全国民が『自分ごと』として受け止めていただいた。その結果が、数字として表れたもの、といふうに認識をいたしております。

 戦後は沖縄の歴史は、米軍による植民地政策、そして米軍基地に、米軍基地問題を抜きには語れない、外交や国策の大義名分のもとに、差別や分断、そして人権をも蹂躙され、翻弄されて続けてきた、その、我が沖縄。

 しかし、今なお、その構図はまったく変わっていない。それどころか、昨今は、新たな戦後史が始まっているとさえ言われるようになっております。

 普天間基地の強行問題、集団的自衛権の行使、敵基地攻撃能力の保持、5年で43兆円もの防衛予算の確保などなど、我が国の将来を左右する大事な案件、国会での議論や国民への説明を排除し、閣議決定のみで強行する。今の政権のあり方、これもまた問われるべきことでございます。

 我々は、これらの不条理に抗い、民主主義と自治権、県民の人権を守るために、これまであらゆる運動を展開してまいりました。ご承知のように、これまで、すでに12件の訴訟、国が県を訴え、県が国を訴えるという訴訟を繰り返してまいりました。

 けれども、公正中立、法の下の平等をうたう司法にも、ことごとく裏切られ、裁判を受ける権利さえ奪われて、門前払いを食わされる、こういう状況が続いているのが現状でございます。

 今回の請願は、それこそ、全国・全国民の問題として、『国会の場で議論をしていただこう』、そういう強い思いと願いが込められた行動であります。どうか、趣旨をご理解の上、ご支援と御協力お願いを申し上げる次第でございます」

 続いて、55万9224筆の署名が、集会参加議員の代表者に手交されました。「沖縄と米軍基地問題議員懇談会」事務局長の、立憲民主党・石橋通宏参議院議員は「56万筆に及ぶ全国の皆さんからの『辺野古絶対ダメだ!』という、その思い、私たち全員でしっかりと受けとめさせていただきました」と連帯の意思を表明しました。

 院内集会の詳細については、ぜひ全編動画にてご確認ください。

※辺野古新基地建設断念を求める国会請願署名55万9224筆を国会議員に手交。「全国民の問題として、国会の場で議論をしていただきたい」と稲嶺進実行委員長!!~6.13 辺野古新基地建設断念を求める請願署名 国会提出に向けた院内集会
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■<IWJ取材報告 2>厚労省はPFAS汚染対策をやる気なし! 阿部知子議員「血液検査をどうやってやらせていくか、強く取り組みたい」~5.31 立憲民主党会派環境部門会議―内容:PFASに関する被害の現況と国への要望について、沖縄住民よりヒアリングほか

 5月31日、東京都千代田区の衆議院第2議員会館にて、立憲民主党会派環境部門会議の主催により、PFAS(有機フッ素化合物)に関する被害の現況と国への要望について、沖縄の市民団体らからのヒアリングが行われました。

 ヒアリングでは、衆議院議員の近藤昭一氏と森田俊和氏が司会進行役をつとめました。

 沖縄からは、宜野湾ちゅら水会・照屋正史氏、コドソラ代表・与那城千惠美氏、宜野湾市議の座間味かずか氏がリモートで参加。また、神奈川県横須賀市から「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の新倉裕史氏、東京都の多摩地区から「東京の水連絡会」の藤木千草氏(国分寺市)と苗村洋子氏(小平市)が出席し、それぞれの地域のPFAS汚染の状況と課題などについて、報告・情報交換を行いました。

 質疑・意見交換では、衆議院議員の阿部知子氏が、住民側に、以下のように質問しました。

阿部議員「市民の皆さんが一生懸命やってくださって、(血中PFAS濃度の検査の)数値もいくつか重なってきていますが、アメリカなどはCDC(アメリカ疾病予防管理センター)がもうこの20年間ずっとデータを持っているから、推移がわかるわけですが、日本はそれも一部はあるけれども、ほとんどやってなくて、これからもやる気がないという(厚労省の)答弁でありました。

 ですので、私としては、やはり、しっかりと血液検査をどうやってやらせていくかと、沖縄の皆さんもそういうふうに強く要望されていましたし、私自身はそこに強く取り組みたいと思っています。

 ですが、2週間ほど前かな、質問した限りでは、厚労省はまったくその気がなかったので、で、正直言って、血液検査でも環境省の方がエコチル検査(※)でやっていて、厚労省は本当に動いていないんですね。

※エコチル調査は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときから13歳になるまで健康状態を定期的に調べる、出生コーホート(集団を追跡する)調査(厚生労働省
https://www.env.go.jp/chemi/ceh/about/outline.html

※加藤厚労大臣、全国一のPFOA汚染地(全国一のPFOA汚染が大阪・摂津で起きていること)もバイデン大統領の政策(米国政府が本腰を入れて進めるPFAS汚染対策)も知らず/立憲議員「第二の水俣になるのでは」― 2023年5月10日、衆議院厚生労働委員会で国内のPFAS汚染について議論された―(Tansa、2023年5月10日)
https://tansajp.org/investigativejournal/9850/

 これ自身も問題ですし、また、なお、私は委員会が厚労なので、そこでやっていこうと思います。

 おたずねは、その多摩地区の場合に、いくつかの類推される汚染経路とかはあるんでしょうか?」

 この質問に対し、苗村洋子氏が、以下のように答えました。

苗村氏「東京都に問い合わせたところでは、汚染源はやはり特定できない、わからないっていうふうに言っています。

 で、多摩地域は先ほど申し上げた通り、水道局が持っている水源の井戸はたいてい、深いところが多いんですね。深いところなので、そこの水がどこから来ているかっていうのはまだはっきりはしていません。

 それ以外にも、個人で井戸を掘って使っている人たちがいたりとか、それから、農業用の井戸を持っている農家の人がいたりとか、それとあと、大学とか病院とか、そういったところで『専用水道』として、自分のところで井戸を掘って、それを使っているところもあります。

 そういったところが結構点在しているので、それを測っているところもあるんですね。

 で、多摩地域の場合ですと、たいてい、二つの市(IWJ注:多摩地区で独自に水道を運営しているのは、昭島、羽村、武蔵野の3市)以外は、保健所が、東京都が管轄しているものですから、東京都の保健所に、『飲用井戸』が届け出をして、そこを通して記録が測ったりとかというのがあるんですけど、すべての井戸を測っているわけではないので、それと、あと、個人が持っている井戸は、自分の責任でそれを測定しなくちゃいけないので、そういうところまではなかなかいかない。

 そういうところで、PFASの汚染の分布がまだまだわからないところがあるというふうに思っています。

 福祉保健局がやっている、保健所を中心にしてやっているのが、年間70カ所ぐらいずつ測っているところはあるんです。その程度ですので、なかなか全体像を見るというところまでは至らないというのが、実情ではないかと思います」。

 ヒアリングの詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※厚労省はPFAS汚染対策をやる気なし! 阿部知子議員「血液検査をどうやってやらせていくか、強く取り組みたい」~5.31 立憲民主党会派環境部門会議―内容:PFASに関する被害の現況と国への要望について、沖縄住民よりヒアリングほか
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516339

【本日のニュースの1撃!】

■【第1弾! RT、14日他】サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)で、ノルウェーの政治学者が「西側諸国の対露制裁は自傷行為」だと指摘!「米国主導の一極世界秩序の衰退を加速」させているとも!

 ノルウェーの政治学者、グレン・ディーセン教授は14日、『RT』に対して、「西側諸国の対露制裁は、ロシアが世界の他の地域との経済的つながりを発展させる新たな機会をもたらし、米国主導の一極世界秩序の衰退を加速させている」と語りました。

 ディーセン教授は、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)に出席し、「現在、世界の経済力の多くがシフトしつつある」と表明しました。

 「主権発展は公正な世界の基礎である」というメインテーマで、SPIEFは14日に開幕、17日まで開催されています。

 サンクトペテルブルクのアレクサンダー・ベグロフ知事が、開幕の前日13日、「今年はアフリカ、アジア、ラテンアメリカ、中東からかなりの数のゲストが来るだろう」と述べたとおり、130カ国から、1万7000人以上のビジネス界の代表者が集まりました。

 今年のSPIEFでは、主に対露制裁のためにロシアから撤退した西側企業に代わって、ロシア企業に投資する予定の企業代表が多く、史上最高の6兆ルーブル相当の契約額に達する可能性があると専門家は予測しています。

ディーセン氏「世界人口の85%は、制裁に参加していない国に住んでいる」、「フォーラムは、世界がどのように変化しているかを示している」

駐露イラン大使カゼム・ジャラリ氏「ロシアは、我々にとって隣人だ。良き隣人であることに加え、国際的な問題に対して、共通の立場でアプローチを行っている。ロシアは今日、圧力や制裁を受けながら、世界一極化という重要な問題に立ち向かっている。この立場は、まさにイランと似ている」

※Sanctions are ‘self harm’ ― Norwegian professor to RT(RT、2023年6月14日)
https://www.rt.com/russia/578016-sanctions-self-harm/

※Сдельное предложение: объем контрактов на ПМЭФ может достичь 6 трлн рублей(SPIEFでの契約量は6兆ルーブルに達する可能性がある)(イズベスチャ、2023年6月14日)
https://iz.ru/1527825/milana-gadzhieva-alena-nefedova/sdelnoe-predlozhenie-obem-kontraktov-na-pmef-mozhet-dostich-6-trln-rublei

※サンクトペテルブルク国際経済フォーラムが開幕(スプートニク、2023年6月15日)
https://sputniknews.jp/20230614/16272661.html

★米国が主導する西側諸国による対露制裁の結果、「米国主導の一極世界秩序」を維持・強化するはずだった米国の試みは裏目に出て、米国は兵器産業とエネルギー業界があぶく銭を手に入れたものの、大きなダメージを受けています。これを単なる読み違いによる「皮肉な結果・失敗」という受け止めで終わらせず、もう一歩も二歩も踏み込んで、むしろ「ロシアが公正」であり、「米国主導の一極世界秩序」からの圧力や制裁に立ち向かう「英雄」としてロシアが評価され、支持する動きが、経済界でも広がっているようです。もはやこの流れは変えようもありません。

 ロシアが、格安の、利幅の薄い石油や天然ガスを、西欧以外へバーゲンセールして、どうにか息絶え絶えで経済破綻をまぬがれている、というのが、西側の主要メディアの報道から浮かび上がる、現在のロシアのイメージです。

 しかし、そうしたプロパガンダのフィルターのかかった西側の報道のメガネを外すと、新しい世界の新興企業とのわき立つような取り引きが始まり、ロシアが活気づいている姿が見えてきます。

 西側メディアが、真実を見る目をくもらせている典型的なケースです。(IWJ)

■<今週の新記事振り返り>

「#砂川闘争:市民の方々が、自分たちの『戦争を許さない』という気持ち、自分たちの生活は自分たちで築くんだという強い思いの下、行われた。私たちの生活の中で『これはおかしいぞ』と言っていくことは、大きな意味のあることだと改めて実感した」~6.9 原発反対八王子行動 2023.6.9
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本来の飛行ルートを守らない米軍ヘリから部品が落下。事故被害者なのに、「自作自演」「嫌なら引っ越せ」「そんなところで生活するな」など県内外からの誹謗中傷。それが沖縄の実情。:沖縄戦から78年「たたかう人びとに学ぶ」6.11 集会 ―講演:明有希子氏(元緑ヶ丘保育園父母会副会長)、前泊博盛氏(沖縄国際大学教授)2023.6.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516514

東京都下の水道水が危ない! 米軍と自衛隊の基地による汚染か!? 多摩地域住民650人中、半数以上から健康リスクのある高濃度血中PFASを検出!~6.8「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」記者会見 ―原田浩二 京大准教授ほか 2023.6.8
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「ノルドストリーム爆破はウクライナ軍によるもの!! CIAは事前にこの爆破計画を欧州諸国と共有していた!?」IWJ記者の質問に「報道のひとつひとつにコメントすることは差し控える」と林大臣!!~6.13 林芳正 外務大臣 定例会見 2023.6.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516594

【IWJ号外】ウクライナの戦場がネオナチの培養装置となっている! 外国人志願兵として戦闘に参加し、帰国したネオナチが、世界中にネットワークを作り、テロを拡散!『RT』の検証記事をIWJが全文仮訳! 2023.6.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516604

辺野古新基地建設断念を求める国会請願署名55万9224筆を国会議員に手交。「全国民の問題として、国会の場で議論をしていただきたい」と稲嶺進実行委員長!!~6.13 辺野古新基地建設断念を求める請願署名 国会提出に向けた院内集会 2023.6.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516583

厚労省はPFAS汚染対策をやる気なし! 阿部知子議員「血液検査をどうやってやらせていくか、強く取り組みたい」~5.31 立憲民主党会派環境部門会議―内容:PFASに関する被害の現況と国への要望について、沖縄住民よりヒアリングほか 2023.5.31
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516339

【IWJ号外】中国とパレスチナ、戦略的パートナーシップの確立に合意! 現在までに中国、ロシアなど139カ国がパレスチナを国家として承認!世界人口の80%以上が、パレスチナを国家として承認! 2023.6.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516655

【IWJ号外】ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領予備選立候補発表後に行った、歴史的なボストン・スピーチをIWJが全文仮訳!(第3回)父のエピソードから、米国民に真実を伝えようとする!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516665

■<今週の日刊IWJガイド振り返り>

日刊IWJガイド「ゼレンスキー大統領がおくればせながら、ウクライナ軍による反転攻勢が始まったことを認める! NATO仕様の兵器で戦闘レベルがアップ!」2023.6.11号~No.3923号
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230611
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52381

日刊IWJガイド「ラスムセンNATO前事務総長、『ウクライナ加盟が進まなければポーランドとバルト諸国による有志国がウクライナに派兵』と発言!」2023.6.12号~No.3924号
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230612
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52384

日刊IWJガイド「ウクライナ紛争に欧米日の対露制裁連合諸国が釘づけになっている間に、世界はパックス・アメリカーナ峻拒の方向へ動き出した!!」2023.6.13号~No.3925号
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230613
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52387

日刊IWJガイド「子ども未来戦略方針を閣議決定し、岸田文雄総理が記者会見! 20~25年前に対策していれば第三次ベビーブームは起きていたはず!」2023.6.14号~No.3926号
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230614
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52394

日刊IWJガイド「英国に続き米国も劣化ウラン弾をウクライナへ供給! 米国はクラスター弾の供与も検討中! NATOによる史上最大の演習に自衛隊も参加!」2023.6.15号~No.3927号
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230615
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52400

日刊IWJガイド「改悪入管法が9日に可決、成立! 本日午後3時から、岩上安身による社民党党首・福島みずほ参議院議員インタビューをフルオープンで生配信!」2023.6.16号~No.3928号
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230616
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52402

日刊IWJガイド「<インタビュー報告>立法事実もめちゃくちゃな入管法『改悪法』が成立! 岩上安身による社民党党首 福島みずほ参議院議員インタビュー!!」2023.6.17号~No.3929号
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230617
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52407

■【スタッフ募集・事務ハドル班】事務ハドル班は、岩上安身によるインタビューのアポ取りとスケジューリング、各種リサーチ、公共コンテンツの取材のためのアポ取りや、中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの活動予定を組み立て、指示を出す、重要な役割を担っています。翌日以降の中継・配信予定と、撮影後に記事化された動画の情報を整理し、翌日の日刊IWJガイドの番組表へ反映する、IWJコンテンツ構成の要となる部署です。

 ご応募の資格は、第一に穏やかな性格で明るく協調性のある方。第二にトラブルなく対外的な交渉をできるコミュニケーション能力の高い方。第三にPCスキルがある方です。時給は1200円から、仕事の習熟に伴って昇給していきます。

 入社ご希望の方は、下記のURLのスタッフ募集フォームにご記入の上、履歴書、職務経歴書(書式自由)を添付の上、admin@iwj.co.jpまでお送りください。

※スタッフ募集フォーム
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■【スタッフ募集・テキスト(赤反映担当)班】記者として日刊IWJガイドや記事の執筆、エディターとして編集業務を行っていただける方を募集します。特に深夜業務での校正作業を厭わない方は、優遇し、最優先で募集します! 深夜に及んだ場合は、社用車での帰宅が可能です。時給はスタート時は1300円から、能力・実績次第で昇給します。深夜業務は法にのっとった割り増し残業代を支払います。『サビ残』は一切ありません!

 日刊IWJガイドや記事の執筆、編集などの作業のうち、主に日刊IWJガイド校了前の赤反映業務に携わってもらいます。パソコンのスキルが必要です。時に深夜まで及ぶことがありますが、社用車での帰宅、あるいは自宅への送りが可能です。

 雇用形態はアルバイトまたは契約社員で時給1300円からのスタートになります。能力と実績次第で昇給します。正社員登用の途もあります。在宅勤務や業務委託契約も相談に応じます。残業代、深夜残業代もきっちりお支払いします。

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それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵)

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岩上安身サポーターズクラブ事務局
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