日刊IWJガイド・共通版「改悪入管法が9日に可決、成立! 本日午後3時から、岩上安身による社民党党首・福島みずほ参議院議員インタビューをフルオープンで生配信!」2023.6.16号~No.3928号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~<本日の岩上安身によるインタビュー>難民を「死刑」が待つ地へと送り返す改悪入管法が9日に可決、成立! どうやって難民の命を守っていくのか!? 改悪入管法の廃止法案提出や政権交代が必要! 本日午後3時から、岩上安身による社会民主党党首・福島みずほ参議院議員インタビューをフルオープンで生配信します!

■IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から5月まで10ヶ月間の累積の不足額は、1868万2900円となりました! 6月は14日までの14日間で、62件、143万4000円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の37%にあたります。そして、月間目標額の達成にはあと63%、246万6000円ほどが必要になります。6月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

■【中継番組表】

┠【本日のニュースの連撃! 8連弾!!】

■【第1弾!】米国籍のユダヤ人の投資家、ジョージ・ソロス氏が息子に資産3兆5000億円を譲渡!

■【第2弾!】もう現実的に埋めようもない米国の巨大な貧富の格差! 米CDCが発表、米国では920万人が薬代を節約して生きている!

■【第3弾!】自衛官候補生発砲事件続報、狙いは52歳の指導役。容疑者の18歳男性は勤務状況などの評価で「特に問題はない」!?

■【第4弾!】岸田文雄総理、「今国会での衆院解散は考えていない」と明言!

■【第5弾!】「アフリカとアラブ社会の両方を代表する」エジプトが、BRICSへの加盟を正式に申請! 20近くの国がBRICS加盟を目指す!

■【第6弾!】G7メンバーのフランスのマクロン大統領が、BRICSサミットへの出席を懇願!?

■【第7弾!】ジャニーズ事務所の元マネージャー男性も、性加害行為を行なっていたことを告白! 外部専門家特別チームの座長は林真琴前検事総長! このチームで、ジャニー喜多川氏が与えた直接的な被害だけでなく、間接的に与えた負の影響まで、把握できるのか!?

■【第8弾!】タッカー・カールソン、小児性愛者ネットワークスキャンダルで米政府を非難!!

■<IWJ号外を出しました>中国とパレスチナ、戦略的パートナーシップの確立に合意! 現在までに中国、ロシアなど139カ国がパレスチナを国家として承認! 世界人口の80%以上が、パレスチナを国家として承認!
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■はじめに~<本日の岩上安身によるインタビュー>難民を「死刑」が待つ地へと送り返す改悪入管法が9日に可決、成立! どうやって難民の命を守っていくのか!? 改悪入管法の廃止法案提出や政権交代が必要! 本日午後3時から、岩上安身による社会民主党党首・福島みずほ参議院議員インタビューをフルオープンで生配信します!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 岩上安身は本日午後3時から、社民党党首の福島みずほ参議院議員にインタビューを行います。

 9日の参議院本会議で可決・成立した改正入管法をめぐっては、前日8日の参院法務委員会で、野党議員たちの怒号が飛び交い、揉み合いの中で、自民、公明、維新、国民民主の賛成で強行採決されました。

※はじめに~参議院法務委員会で入管法改悪法案が強行採決! 改正案の立法事実は崩壊! その立法事実崩壊の中心人物、柳瀬房子・難民審査参与員とは!?(日刊IWJガイド、2023年6月9日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230609#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52374#idx-1

 この強行採決に抗議し、採決を阻止しようとして委員長席に飛びかかろうとしたれいわ新選組の山本太郎代表に対しては、議事を妨害し「院の秩序を著しく乱した」として、9日、懲罰動議が提出されています。

※れいわ新選組の山本太郎代表に懲罰動議提出!「真に罰を与えられるべきなのは、立法事実が崩壊した政府の入管法案に賛成し、可決させ、死刑執行のタイマーを進めてしまった議員たちです」!「懲罰制度とは議会制民主主義を殺す力のある恐ろしい制度」! 反対署名運動の声明に記された、重要な指摘!(日刊IWJガイド、2023年6月14日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230614#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52394#idx-6

 この改正入管法成立について、社民党の福島みずほ議員は11日、フェイスブックに「本当に悔しい」と投稿しています。

 福島みずほ議員は、このフェイスブックの投稿で、25年前に手紙をもらって牛久の収容施設へ行き、ミャンマーから来たロヒンギャの青年に会ったことをはじめとして、日本政府に難民認定を希望する人たちへの数多くの支援について触れ、「日本で難民認定制度が機能していない、入管の裁量があまりに大きくブラックボックスであるということは痛感をしていました」と述懐しています。

 「今回、法務委員会で質問するにつれ、問題がどんどん明らかになっていきました」という福島議員は、「参議院の法務委員会で、この法案に反対なのは、立憲民主党の牧山ひろえさん、石川大我さん、社民党の私、福島みずほ、共産党の仁比聡平さんの4人だけでした」と明らかにした上で「難民認定制度は全く機能していません」と断言しています。

 この改正入管法に対し、「立法事実は崩壊をしています。立法事実が無茶苦茶なのです」と指摘する福島議員は、「日本は、あらゆる手段を使って難民認定しない方向にしています。難民認定制度を時間をかけて骨抜きにしてしまったと思います」と述べ、次のように訴えています。

 「このことがわかった以上、まともな難民認定制度を作るしかありません。立憲民主党、社民党、日本共産党、れいわ新撰組、沖縄の風で、議員立法で、難民保護法案と入管法改正法案を提出をして、参議院では政府提案立法と両方審議をしました。私たちの難民認定制度案は、難民認定制度について、独立した第三者機関を作り、ここでしっかり難民認定していくというものです。その制度を作ることがなんとしても必要です。そのことにかけていきます。(中略)

 入管法改悪法案が施行されるのはあと1年後です。このまま施行させてはなりません。まず入管法改悪法の廃止法案を出す必要があると考えます。施行前だととりわけ簡単で、入管法改正法を廃止すると言う1行で可能なのです。そしてまともな難民認定制度を作ること、入管制度を改革することをたくさんの人と力を合わせてやっていきます。既に議員立法はあるのです。

 どうやって人々の命を守っていくのか、それをやらなければならない1年でもあります。

 私は政権交代をして、なんとしてもまともな法案を成立させたいです。

 2年前に、政府提案の入管法改悪法案は廃案になります。骨格がほぼ同じものを今回提出してきたことに激しい怒りを感じています」

※福島みずほ参議院議員のフェイスブック(2023年6月11日)
https://www.facebook.com/mizuho.fukushima.35/posts/pfbid0SonKmMbABJ45PVMgvWgG2qbpphwHDrZHYHh7zZnjrxDnxXBuU2Yv125zPSTjiEjFl

 本日のインタビューは、1時間という限られた時間内ではありますが、入管法や日本の難民認定の問題点、廃止法案提出などについて、福島議員に詳しくお話をうかがう予定です。

 インタビューは全編フルオープンで生配信します。ぜひ、御覧ください。

 仮に、その日の都合で観られなくても、会員になっていただければ、一般会員なら2ヶ月以内、見逃し配信を自由な時間に観られますし、サポート会員ならば、いつまでも、いつでも好きな時にすべての動画コンテンツを無期限で視聴したり、記事も無制限に読むことができます!

※会員のご登録はこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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【IWJ_YouTube Live】15:00~
難民を「死刑」が待つ地へと送り出す入管法改悪法が9日に可決! どうやって難民の命を守っていくのか? 入管法改悪法の廃止法案提出や、政権交代が必要! 岩上安身による社会民主党党首 福島みずほ参議院議員インタビュー
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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■IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から5月まで10ヶ月間の累積の不足額は、1868万2900円となりました! 6月は14日までの14日間で、62件、143万4000円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の37%にあたります。そして、月間目標額の達成にはあと63%、246万6000円ほどが必要になります。6月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 6月に入り、昨年8月1日から始まったIWJの第13期も、残り2ヶ月を切りました。

 厳しい経済状況の中、ご寄付をお寄せくださった皆さま、誠にありがとうございました!

 しかしながら、今期第13期5月末までの累積の不足額は、1868万2900円となりました。この累積の不足額を少しでも削れるように、引き続き、どうぞご支援をお願いします!

 6月は14日までの14日間で、62件、143万4000円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の37%にあたります。そして、月間目標額の達成にはあと63%、246万6000円ほどが必要になります。

 ぜひ、皆さま、今月6月こそは、まずは月間目標額を達成できますよう、どうぞ緊急のご支援をお願いいたします!

 また、現状の会員数をお知らせします。

 5月末時点での会員総数は2648人(前年同日比:1113人減)でした。会員の方々の会費と、ご寄付が、IWJの運営の二本柱です。ご寄付も、連日お伝えしているように、目標額を下回っていますが、会員数も会費も減少しています。

 経営は本当に赤字が連続し、厳しい運営状況が続いています。

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、独立系メディアの意義と、米国に忖度する日本政府、大手主要メディアの「情報操作」の恐ろしさについて、広めてください。

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、IWJにつなぎ融資をいたしました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けて、まだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。近いうちに、また私がIWJにつなぎ融資をしなければならない見込みですが、本当に貯金が底を尽きます。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、会費も減少し、ご寄付までもが急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。

 ウクライナ紛争に続き、「台湾有事」を口実とする米国の「代理戦争」が、東アジアで画策されている今、私、岩上安身とIWJは、破滅的な戦争を回避すべく、また、ウクライナ紛争報道で明らかになった、偏向マスメディアの不誠実な「情報操作」に代わるべく、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるよう走り続けたいと存じます。

 その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために、今後も全力で頑張ってゆきたいと思います。

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として立つべきです。同時に、エネルギーと食料の自給ができず、資源をもつ他の国々からの海上輸送に頼らなければならない、孤立した「島国」であるという「宿命」を決して忘れず、国外にそもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

 皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうした問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料サポーターの皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします。

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です。

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

 岩上安身

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◆中継番組表◆

**2023.6.16 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】15:00~「難民を『死刑』が待つ地へと送り出す入管法改悪法が9日に可決! どうやって難民の命を守っていくのか? 入管法改悪法の廃止法案提出や、政権交代が必要! 岩上安身による社会民主党党首 福島みずほ参議院議員インタビュー」
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 岩上安身による社会民主党党首 福島みずほ 参議院議員インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた福島みずほ氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%91%9E%E7%A9%82
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【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
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【IWJ・エリアCh6・岩手】18:30~「第296回 脱原発盛岡金曜デモ」
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_areach6

 「脱原発盛岡金曜デモ」を中継します。これまでIWJが報じてきた脱原発盛岡金曜デモ関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e8%84%b1%e5%8e%9f%e7%99%ba%e7%9b%9b%e5%b2%a1%e9%87%91%e6%9b%9c%e3%83%87%e3%83%a2

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◆中継番組表◆

**2023.6.17 Sat.**

調整中

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【本日のニュースの連撃! 8連弾!!】

■【第1弾! BBC、12日】米国籍のユダヤ人の投資家、ジョージ・ソロス氏が息子に資産3兆5000億円を譲渡!

 ジョージ・ソロス氏(92歳)は11日、自身が運営する金融・慈善活動団体を、息子のアレックス氏(37)に譲ったことを明らかにしました。

 ソロス氏は、ハンガリー出身の米国籍のユダヤ人です。ソロス一族は1990年代以降、何十もの国で民主主義の構築を支援するため、その資産を投じてきました。米民主党に最も多額の寄付している人物の1人でもあります。

 アレックス氏は、「ソロス・ファンド・マネジメント」の投資委員会に所属しており、ソロス氏が設立した非営利の慈善団体「オープン・ソサエティ財団(OSF)」の会長職も引き継ぎました。

 アレックス氏は、『ウォール・ストリート・ジャーナル』のインタビューに対して、「私は(父親にくらべて)より政治的」だと述べており、バイデン政権当局者やチャック・シューマー上院多数党院内総務(民主党、ニューヨーク州)、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領やカナダのジャスティン・トルドー首相などの国家元首らと会談したことを明らかにしています。

 OSFは、人権を支援し、民主主義の構築を支援する世界中の団体などに年間約15億ドルを寄付しています。

※ジョージ・ソロス氏、事業を息子に譲渡 資産は3兆5000億円規模 (BBC、2023年6月12日)
https://www.bbc.com/japanese/65875831
 
※George Soros Hands Control to His 37-Year-Old Son: ‘I’m More Political’(ウォール・ストリート・ジャーナル、2023年6月11日)
https://www.wsj.com/articles/george-soros-heir-son-alexander-soros-e3c4ca13

★ジョージ・ソロス氏が運営する「クオンタム・ファンド」は、1992年にポンドを大量に売って価格を下落させ、下落したポンドを買い戻すといった操作を行い、ポンド危機を引き起こしました。この取引で「クオンタム・ファンド」は、10億~20億ドルを稼いだとも言われています。

 1997年には、同じ手法でアジア通貨危機を引き起こしました。こうした手法で、「クオンタム・ファンド」は1998年、世界最大のファンドとなりました。

 ソロス氏は潤沢な資金を、世界の人権問題や民主化運動に取り組む団体に注ぎ込んできました。「民主化運動」というと、聞こえはいいのですが、他国の体制を揺さぶり、「民主化」を「強制」していく、体制打倒の運動に資金を出す、というものです。

 ウクライナでも2004年に「オレンジ革命」が起きていますが、OSFの活動は、東欧や中央アジアの旧ソ連諸国で起きた「カラー革命」と呼ばれる政権交代や、「アラブの春」に貢献したといわれています。

 この「オープン・ソサエティ」とは、ジョージ・ソロス氏が傾倒する哲学者、カール・ポパーの主著『開かれた社会とその敵』から取られたネーミングです。

 カール・ポパーは、プラトンの国家論を批判して、左右の全体主義を否定し、自由と民主主義の価値を説きましたが、その「弟子」を自認するはずのジョージ・ソロス氏は、「開かれた社会」という理想を実現するためには、あふれるほど潤沢な資金にものを言わせ、金融の力を用い、また、彼が資金提供したNGOが彼の気に食わない国に入り込んで「カラー革命」を始めて、体制転覆することに力を尽くしました。

 6月13日に、この日刊ガイドで夏目漱石を引用して、「内発的な力による開花」と、「外発的な力による開化」と対比し、後者の不自然さを批判しましたが、ソロス氏のやっていることはまさに、金にあかして他国をこじ開け、「外発的な力」で「民主化」するというものです。

※はじめに~ウクライナ紛争に欧米日の対露制裁連合諸国が釘づけになっている間に、世界はパックス・アメリカーナ峻拒の方向へ動き出した!! G20の輪番議長国であるインドがゼレンスキー大統領の招待を拒否! さらにインドはNATOプラスへの加盟の誘いも一蹴! サウジアラビアのサルマン皇太子は米政権とは今後つきあわないと語ったことが明らかに! 米国覇権の2大源泉である軍事支配とドル基軸通貨制度から離れる動きが急加速!
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230613#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52387#idx-1

 彼はポパーの理念に魅せられましたが、その手段において、「内発的な民主化」を待たずに、「外発的にこじあける」乱暴な啓蒙主義者であり、米国の単独覇権拡張の謀略と手を携えてきました。そうしたソロス氏の哲学と手段について、十分な研究はまだ、なされていないと感じます。今後、米国の謀略の軌跡とともに、仔細に論じられるべきでしょう。

 さて、ジョージ・ソロス氏は、息子のアレックス氏に、国家を転覆しうるほどの「兵器」ともなりうる、その莫大な富を継がせます。アレックス氏が、カール・ポパーの哲学まで継承したのかどうかは、不明です。

 アレックス氏は、父親と比べて「もっと政治的」と発言していますが、父親よりも「哲学的である」とは言ってないようです。哲学抜きの政治であれば、ソロス氏の、「自由と民主主義」という理想はさほど重んじることなく、目的を実現するため、強引な手段を取る面だけを継承したとすると、実に厄介です。

 相続税は、きちんと納税するのでしょうか?

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■【第2弾! BBC、12日】もう現実的に埋めようもない米国の巨大な貧富の格差! 米CDCが発表、米国では920万人が薬代を節約して生きている!

 米CDCは、6月、「2021年、処方箋薬を服用している18~64歳の成人のうち8.2%である920万人は、高額な薬代を節約するために、処方された通りに薬を飲まなかった」とする報告を公開しました。

 特に、女性(9.1%)は男性(7.0%)に比べて、ヒスパニック系の成人は白人の成人に比べて、費用を理由に薬を処方箋通りに服用しない比率が高くなっています。

 また、障害者(20.0%)、そして無保険(22.9%)の人も処方箋通りに服用しない比率が高くなっています。

※Characteristics of Adults Aged 18 ― 64 Who Did Not Take Medication as Prescribed to Reduce Costs: United States, 2021(CDC、20023年6月)
https://www.cdc.gov/nchs/products/databriefs/db470.htm

★米国における貧富の格差は、もはや手の打ちようもなく、現実に埋められないほど拡大しています。

 富める者についての話題は尽きません。この連撃の第1弾で取りあげたジョージ・ソロス、あるいはビル・ゲイツやマイク・ザッカーバーグ、そしてイーロン・マスクについて、彼らの名前を聞いたこともない、という人はまずいません。

 しかし、貧困に陥ってしまった人々、貧困のもとに生まれて、人生を通じて這い上がれない人の固有名は、誰も知りません。

 さらには貧困の連鎖が始まり、祖父も、親も貧しく、その子どもである自分も貧しく、自分の子どもたちも貧しいままで、おそらく孫も貧しいのだろうという人々の固有名となると、私たちはまったく知りませんし、話題にもなりません、具体的なその人々の人生についても何も知りません。

 本当は、そうした人々の方が、富める人々よりも圧倒的に数が多いのだから、私たちは知る必要が、本当はあるはずです。

 今日のこのニュースは、そうした固有名を知らない、米国の貧しい人々が、どんな医療の受け方をしているのか、についての断片的な報告です。

 米国の医療制度に大きな問題があることは、以前から指摘されてきました。国内での医療費や薬代が途方もなく高価なため、メキシコやキューバ、カナダなどで医療を受けるために、「医療観光」に行く米国人がいるといわれています。

 マイケル・ムーア監督の映画『SiCKO(シッコ)』(2007年公開)では、米国の医療保険制度の破綻ぶりが赤裸々に描かれています。

※『シッコ SiCKO』(ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%B3

 『フォーブス』によると、コロナ禍前の2019年には78万人の米国人が歯科治療などのために、メキシコを訪れていました。「外国で治療を受ける米国人は、米国での治療と比べて50~80%の費用を節約している」とされています。

※医療観光、米国人の多くが利用 主な旅先はメキシコ(Forbes、2021年10月3日)
https://forbesjapan.com/articles/detail/43589

 日本のような国民皆保険制度がなく、公的支援としては低所得者のためのメディケイド、高齢者・障害者のためのメディケアがありますが、高齢化が進むだけではなく、貧困に陥る者が年々増えていって、70年代後半から始まった、米国の新自由主義政策のとどまるところを知らない貧富の差の拡大政策によって、メディケイド・メディケアの予算は、米国の財政の大きな負担になっています。

 上記に示したように、ソロス氏とその一族の大金持ちは、息子に何兆円という資産を譲渡する一方、1000万人近い貧困層が薬代を節約しなければ生活できないほどの状況になっているのです。

 薬を服用する必要がある、という人は、すでに病気にかかっているのでしょうし、食べる物を節約するよりも、薬代を節約する方がずっとつらいことでしょう。

 中には痛みにずっとさいなまれている人もいるはずで、そうした人の中には、身体的・精神的苦痛を一時でも忘れたくて、まともな医療を受けるよりも、オピオイド系のドラッグに手を出して、健康のみならず、人生そのものをも破綻させてしまう人もいるでしょう。実際、米国ではオピオイド中毒者が急増して、社会問題となっているのです。

 それでも適切な医療を受けて、適切な薬を服用する、そのためのお金を削らなくては生きていけない人々が1000万人もいる、というようなこの現実は、もはや「格差」という言葉すら適切ではないと思います。絶望的な貧困の底なし沼が広がり、深まり続けている米国では、米国民の平均寿命が、平時であるにもかかわらず、縮まるのではないかと予想されています。(IWJ)

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■【第3弾! 読売新聞、15日他】自衛官候補生発砲事件続報、狙いは52歳の指導役。容疑者の18歳男性は勤務状況などの評価で「特に問題はない」!?

 14日、岐阜市の陸上自衛隊「日野基本射撃場」で銃弾を4発撃ち、2人を死亡させ、1人を負傷させた事件に関して、続報が出ています。

 容疑者の18歳男性は、死亡した52歳の指導役を狙ったと話しており、他の2人を殺害するつもりはなかったと、捜査関係者に話したということです。

 事件当日の射撃訓練は午前8時から始まり、実際の射撃は午前9時ごろに始まりました。男性が、指導役の52歳の男性に向けて発砲したのは9時10分ごろとされています。

 ある防衛省幹部は『読売新聞』に対して、「候補生は貴重な人材で、教育隊ではかなり大切に扱っていた」、「武器を扱う以上、厳しい指導をすることもある」が、最近はハラスメントには気をつけていたはずだ、と述べています。

 容疑者の18歳男性は、採用段階で適性検査を受けています。入隊後も勤務状況や生活態度の評価を受けており、「特に問題はない」とされていました。

※陸自2人死亡で自衛官候補生「52歳の指導役狙った」、命中した弾は4発(読売新聞、2023年6月15日)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230615-OYT1T50115/

※陸自3人銃撃の自衛官候補生、入隊後の勤務態度は「問題なし」評価(読売新聞、2023年6月15日)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230615-OYT1T50168/

★動機ははっきりしています。犯人が教官を恨み、射殺しようと殺意を持って引き金をひき、他の隊員は巻き添えを食ったということ。問題は、いくつかあると思われます。

 第1に、この犯人は正常なのか、ということ。精神にも知的にも全く問題がないのか、ことの良し悪しや、自分の行為がどんな悲劇をもたらすか、理解できる精神状態だったのか。裁判でも、責任能力があると判断されるのでしょうか。採用時の適性検査にも問題なく、生活態度の評価も「特に問題はない」とされていて、犯行後、錯乱した様子もなく、犯意も認めているところをみると、心神耗弱の可能性は薄そうですが…。

 第2に、責任能力に問題がないとしても、なぜ、人を殺そうと考え、実行する人物を、危険な銃に触らせることになる、自衛隊の入隊を認めたのか。情動の安定、人格、精神に問題のないこと、自衛隊員は、戦闘を前提として組織され、その前提で訓練を受けるので、極めて強いストレスがかかることが予想されます。もともとストレス耐性のある人材を募集しなければならないと思われますが、そうしたことはチェックできていたのでしょうか。リクルート時点で、問題がなかったのでしょうか。もっとも、「人を殺そうと考え、実行する人物」」でないと、自衛官は戦闘の場面で役に立たないことになり、矛盾もするのですが…。

 第3に、入隊時に人格的に問題がなかったとしたら、通常の、教官とこの犯人との間に、どんな問題があったのか。殺人衝動に駆られるほどの暴力的な圧力を、教官からかけられたのでしょうか。それとも通常の教育的指導だったのでしょうか。とはいっても、事実上の軍事組織で、甘い指導はできません。厳しさはつきものでしょう。

 とはいえ、昔の日本軍のような理不尽きわまる内務班教育と称してビンタの嵐、ということはないだろうと思われます。あったならば、大問題です。

 となると、通常の、暴力は振るわない程度で厳しい指導があったというだけならば、受け取り側に問題があることになります。たいしたことのない、受忍限度内で叱責されるといったことが、この犯人には受け入れられず、パワハラだ、モラハラだ、と受け取ったり、その上に殺意まで抱いて、実行したのだとしたら…。

 そうなると、これはもはや自衛隊内の問題ではなくなり、現代の日本社会全体の普遍的な問題になります。

 どこの会社組織でも、新人教育の際、本人のためを思って、少し厳しく指導することは大いにありえることです。それが、感謝されるどころか、逆ギレされ、パワハラ、モラハラだと突き上げられて、さらには理不尽な恨みすら買って、殺されかねない、となったらたまったものではありません。

 今回の事件は、慎重な取り調べが必要であり、18歳の自衛官候補生の抱いた殺意と心理について解明し、社会に開示してほしいと願います。

 Z世代という言葉もメディアには出てきていますが、そんな簡単な言葉ですむ話ではなさそうです。(IWJ)

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■【第4弾! 日本経済新聞、15日】岸田文雄総理、「今国会での衆院解散は考えていない」と明言!

 「野党から内閣不信任案が出れば、衆院解散」とする見方が強まっていましたが、岸田文雄総理は15日、「今国会での衆院解散は考えていない」と明言しました。岸田総理は、自民党・茂木敏光幹事長に、不信任案が提出された場合は即刻否決するよう、指示したことを明らかにしました。

 防衛費増額の財源確保法案と、LGBTなど性的少数者らへの理解増進法案は、15日の参議院の委員会で可決され、16日参議院本会議で成立する見込みです。

 防衛増税に反対する立憲民主党は16日、両法案が成立すれば、内閣不信任案を提出するとみられています。

※今国会の衆議院解散見送り 岸田文雄首相が表明(日本経済新聞、2023年6月15日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA15A690V10C23A6000000/

★「16日衆院解散か」とマスメディアが煽り立ててきましたが、十分な議席数を持つ自民党にも、岸田政権にも解散する必要性は特にありません。また、連合に牛耳られて、野党としての主体性を失っている立憲民主党も支持率の低迷に悩んでおり、解散すればさらなる議席数減少につながる可能性があるので、今解散するメリットはないように見えます。

 『ブルームバーグ』は15日、「時事通信が9日から12日に実施した6月の世論調査で、岸田内閣の支持率は前月比3.1ポイント減の35.1%だった」と報じました。

 支持率低下の一つの要因は、首相公邸忘年会問題です。岸田総理の長男で首相秘書官を務めていた翔太郎氏が、昨年末に首相公邸で親族と忘年会を開き、公的なスペースで写真撮影に興じていたことが明るみに出ました。

 岸田総理は翔太郎氏を更迭しましたが、その対応が遅いこと、総理自身も一緒に写真撮影していたことがわかって万事休す。マイナンバーカードをめぐる問題も指摘されています。

 しかし、防衛費増額は結局増税になるだろうという懸念、G7広島サミットが「平和」への道筋をつけることができず、さらにウクライナ紛争で戦闘の継続を求める支援方針を固めたこと、欧米ほどのインフレではないにしても、電気代・ガス代・食料など生存にかかわるコストがじわじわと上がっていることも影響しているのではないかと思われます。(IWJ)

※内閣支持35.1%に下落、公邸忘年会巡り首相「問題」7割弱-時事調査(ブルームバーグ、2023年6月15日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-15/RWABRTT0G1KW01

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■【第5弾! TASS、15日】「アフリカとアラブ社会の両方を代表する」エジプトが、BRICSへの加盟を正式に申請! 20近くの国がBRICS加盟を目指す!

 エジプトの首都・カイロ駐在のロシア大使、ゲオルギー・ボリセンコ氏が14日、エジプトがBRICSへの加盟を正式に申請したことを明らかにしました。

 エジプトは、BRICSが現在取り組んでいる、ブロックの自国通貨の1つであれ、新たな共同通貨であれ、貿易における米ドルの代替通貨への切り替えを促す試みに「非常に関心を持っている」と、ボリセンコ大使は語っています。

 BRICSは自国通貨での貿易を推進しており、西側金融システム、特にドルへの依存を減らすために共同決済ネットワークを確立する取り組みも始めています。

ボリセンコ大使「BRICSにとって、アフリカとアラブ社会の両方を代表するエジプトは、古代文明の後継者であり、非常に若い人口を抱えており、スエズ運河のおかげで世界における戦略的地位を確立していることは言うまでもない。エジプトは重要な国となるだろう。非常に重要な収穫である」

 セルゲイ・リャブコフ外務次官は、現在、20近くの国がBRICS加盟を目指しており、その数はまだ増えていると述べました。

リャブコフ外務次官「協会への参加候補者のリストは増え続けている。この協会への参加を求めている国の数は20カ国近くに達している。これは、BRICSが同様の立場にある国の協会として、国際舞台においてますます重要な役割を果たしつつあることを反映している」

 リャブコフ外務次官は「アラブ世界とアジア太平洋地域は、今日BRICSに代表を持っていないことから、明らかにBRICSへの参加を『懇願』している」と付け加えました。

※Major African state applies to join BRICS(RT、2023年6月14日)
https://www.rt.com/africa/578006-egypt-applies-brics-membership/

※Sergey Ryabkov noted that BRICS is a grouping of countries that do not follow the leader-follower principle(TASS、2023年6月15日)
https://tass.com/politics/1632499

★世界の4大古代文明の発祥地のひとつに数えられるエジプトは、人口1億人強、2022年GDPでは、アフリカ第1位のナイジェリア(4474億ドル)に続き、第2位(4752億ドル)の経済大国です。

 BRICS内1位の中国は、18兆1000億ドルと桁違いに規模が大きく、2位インドが3兆3864億ドル、第3位ロシア2兆2152億ドル、第4位ブラジル1兆9241億ドル、第5位南アフリカ4043億ドルとなっています。エジプトがBRICSに加わると、アフリカ勢だけで1兆ドル近い規模になります。

 経済規模だけではなく、ボリセンコ大使が指摘するように「アフリカとアラブ社会の両方を代表する」という点でも、エジプトは重要な意味を持ちます。BRICSへの加盟を求めている国々の中には、サウジアラビアを始めとして多くのアラブ国家が含まれています。

 そして、エジプトがBRICSに加盟したいという理由のひとつが、「ドル離れ」に熱心であるということも、米国の単独覇権にコツコツとダメージを与えてゆくことになるでしょう。(IWJ)

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■【第6弾! ル・オピニオン(独占スクープ)、12日他】G7メンバーのフランスのマクロン大統領が、BRICSサミットへの出席を懇願!?

 続いて、BRICS関連でもうひとつ、驚くべきニュースが入っています。

 G7のメンバーであるフランスのエマニュエル・マクロン大統領が、6月3日に行われた電話会談で、8月に予定されている次回のBRICS首脳会合の主催者である南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領に、自身が出席できるよう要請したということです。

 マクロン大統領は、「ブラジル、ロシア、インド、中国の指導者らと『意見交換』したいと述べた」ということです。

 もし、マクロン大統領がBRICS首脳会合に参加することになれば、G7諸国の首脳としては初めての出席者になります。残念ながら、ラマポーザ大統領は積極的ではなく、マクロン大統領はBRICSの正式な回答は得られなかったということです。

 ただし、フランス政府はこのニュースを公式には認めていません。

※Pourquoi Emmanuel Macron veut aller au sommet des Brics(L’Opinion、2023年6月12日)
https://www.lopinion.fr/international/pourquoi-emmanuel-macron-veut-aller-au-sommet-des-brics

※French President Macron Seeks Invitation to BRICS Summit Amid Shifting Foreign Policy and Ukraine Conflict(bnn、2023年6月14日)
https://bnn.network/world/france/french-president-macron-seeks-invitation-to-brics-summit-amid-shifting-foreign-policy-and-ukraine-conflict/

★フランス政府が認めていないのは、事実ではないからなのか、色よい返事をもらえていなくて格好悪いので、ノーコメントを貫いているのか、よくわかりません。しかし、G7諸国の一角、フランスがBRICSに秋波を送る? というのは、想像を超える、あまりにも予想外のニュースです。

 フランスメディアも「少々常軌を逸している」「クレイジー」と論評し、中国の『環球時報』は「実に大胆かつ革新的なアイデア」だと、皮肉をこめているのかどうか、よくわからない書き方で報じました。

※Macron wants an invitation to the BRICS Summit? This idea is bold and innovative: Global Times editorial(Global Times、2023年6月14日)
https://www.globaltimes.cn/page/202306/1292607.shtml

 しかし、ウクライナ紛争で、米国が欧州と日本を含む西側諸国を主導して、過酷な対露制裁を科した結果、世界経済が、西側諸国と中露・グローバルサウスの2つのブロックに分かれる結果となり、エネルギー資源や重要な穀物資源の多くが、対露制裁に参加しなかった後者のブロックに存在しているため、このブロックの内部では自由に売買されており、制裁の効果が出ていないのは事実です。この分裂がさらに進めば、成長著しいグローバルサウスのブロックに比べて、低成長のG7加盟国の衰退は、進む一方で、大きく引き離されていく可能性が十分にあります。マクロン大統領の焦りは、笑うべきものではなく、現実の反映でしょう。

 フランスには、かつてのドゴール大統領にみられるように、独立主権を重視し、米国一極支配を嫌い、多極的な世界秩序を支持してきた歴史があります。マクロン大統領は4月に北京を訪れ、習近平国家主席と公式・非公式の会談をしました。

 マクロン大統領は、一方で、さらなるウクライナ支援を表明していますが、これまでにフランスが自前で行ってきたウクライナ支援は、世界10位の1.54億ユーロ、日本の6.23億ユーロの4分の1にすぎません。しかも、フランスによる軍事支援は、0.45億ユーロと、米国の100分の1ほどです。

 もちろん、EUは世界第2位の支援を行っており、人道支援・財政支援・軍事支援の合計で米国の半分程度です。しかも、EUが行ってきた軍事支援は3.6億ユーロと、米国43.2億ユーロの8%ほどにすぎません。EUによる軍事支援は、英国による軍事支援6.50億ユーロ、ドイツによる軍事支援4.24ユーロよりも少ないのです。

※Ukraine Support Tracker(Kiel Institute for The World Economy、Jan.24, 2022 to Feb.24, 2023)
https://www.ifw-kiel.de/topics/war-against-ukraine/ukraine-support-tracker/

 フランスの歴史的な外交姿勢と、実際に行っているウクライナ支援の規模を鑑みれば、フランスは、米国のようにどんどん武器支援して、戦闘のエスカレーションを煽り立てるような関与の仕方をしてはいなかったといえます。

 世界の経済成長を牽引しているのは、今や、経済成長率が1~2%をさまようG7諸国などではなく、中国を筆頭とするグローバルサウス諸国です。

 実際に、マクロン大統領が9月のBRICS首脳会合に参加するかどうかは分かりませんが、米国とともに沈みゆくG7の船から、加速しつつあるBRICSに乗り換えることは、実に合理的な選択であり、「クレイジー」ではないかもしれません。

 マクロン大統領が、本当にBRICS首脳会合への参加を要請したのかどうかは、現段階ではまだ確認できませんが、合理的に考えてみれば、G7からBRICSに乗り換えるのは、ありだよね、と思わせる記事です。(IWJ)

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■【第7弾! 東京新聞、12日】ジャニーズ事務所の元マネージャー男性も、性加害行為を行なっていたことを告白! 外部専門家特別チームの座長は林真琴前検事総長! このチームで、ジャニー喜多川氏が与えた直接的な被害だけでなく、間接的に与えた負の影響まで、把握できるのか!?

 ジャニーズ事務所の故・ジャニー喜多川前社長による、所属タレントへの性加害について、ジャニーズ事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」が12日、記者会見を行いました。

 特別チームの座長は、前検事総長の林真琴弁護士。また、日本トラウマティック・ストレス学会の初代会長だった精神科医の飛鳥井望氏と、臨床心理士の女性との3人で、特別チームが構成されるとのことです。

 この問題をめぐっては、ジャニー喜多川氏だけでなく、男性の元マネージャーも性加害行為を行なっていたことが報じられており、ジャニーズ事務所は、特別チームからは「この問題も含めて調査していく旨をお聞きしております」と表明しています。

※性加害問題を「独立した形で調査する」 ジャニーズ事務所設置の外部特別チームが会見(東京新聞、2023年6月12日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/256215

※「6人くらいと…」ジャニーズ事務所・男性マネージャーもジュニアに性加害していた<本人告白>(文春オンライン、2023年6月15日)
https://bunshun.jp/articles/-/63403

※外部専門家による再発防止特別チームに関する件について(ジャニーズ事務所、2023年6月9日)
https://www.johnny-associates.co.jp/news/info-705/

★ジャニーズ事務所とは関わりがない専門家によって、第3者機関が設置されたのは、一歩前進であると思います。

 ただこの問題は、ジャニー喜多川という性加害者が、1人1人の個々の被害者に対して性加害を行った事件、として見る視野の狭い見方が、多過ぎるように思います。

 1対1の関係において、性加害が行なわれた、というストーリーが、何百、何千と積み上がっても、それだけでは、ジャニーズ事務所の内部全体に与えた影響、そして芸能界、あるいは広告業界、テレビ界、映画界、舞台・ショービジネス業界、CM、等々のエンタメ業界全体に与えていった影響もはかり知れないはずです。

 今、メディアで、「告白」をする元ジャニーズの「被害者」らは、ジャニー喜多川氏にされた行為について詳細に語りつつも、それによる他のメンバーとの競争関係に及ぼす影響についての苦悩には、あまり言及していません。多くの場合、決まり文句のように「ジャニーさんは、それでも嫌いになれない。尊敬している。自分にここまでチャンスを与えてくれた恩人」といった擁護の言葉でしめくくられるのが、ひとつのパターンと化しています。

 こうしたパターン化されたストーリーの積み重ねだけでは、ジャニー喜多川氏が直接的に性加害を加えた人々だけでなく、間接的に彼と関わった人々、あるいは業界に、あるいは広く社会に、いびつな歪みをもたらしていった負の影響は、明らかにならないと思われます。

 社会的影響という視点では、ジャニー氏のような性犯罪者を指弾する報道が、特に社会的影響力の大きいテレビからはまったく出なかったこと、さらに、警察も、検察も、積極的に捜査に動かなかったことを説明できませんし、当然、改善も期待できません。

 企業と広告代理店は、CMでジャニーズのタレントを起用しており、スキャンダルを嫌います。政治家も、国会でジャニーズ事務所の問題を取り上げ、時の人気者の人気を下げてしまい、それによって自身の票をも減らしかねないバカなマネはしたくなかったらしく、国会でも論じられることなく、半世紀も経ってしまいました。

 「事なかれ主義」が、社会全体を覆ったのです。この間、ジャニー喜多川氏は、自分の性加害行為に応じて受け入れた少年をスターとして起用し、拒む少年を疎んじてきたと言います。もし、彼がこのような性加害の対象として少年たちを見るのではなく、タレントの個々の才能だけを評価して、抜擢していたら、日本のエンタメ界は、まったく違うシーンが展開されていたでしょう。

 また、ジャニー氏が成功をおさめるにつけ、ジャニーズ事務所が芸能界やメディア業界に与える隠然たる影響力を恐れ、誰も告発できなくなり、法や、モラルの光がさしこまない、陰湿な密室の暗がりが、明るく華やいだエンタメ業界の裏側にでき上がってしまいました。

 報道メディアやエンタメや広告の業界に入ってきた若い働き手は、よく内情を知らないままに、ジャニー喜多川氏率いる「秘密の花園」であるジャニーズ事務所に触れることはアンタッチャブルであることを、ひそひそ声で教えられ、触れないように教育されてきたのです。

 社会全体がそんな「空気」であれば、「不正義」の横行を敏感に感じ取り、それを許せないと思う人間は、空気の読めない厄介者として扱われてしまいます。ジャーナリストとして最も適性の高い人間ほど、はじかれてゆくのです。「訳あり」と聞かされて、それ以上、「見ない」「聞かない」、そして「喋らない」ことができる、陰湿な空気の読める者だけが業界で仕事ができて、出世していくのです。

 これが、日本の社会全体に陰湿さをもたらさなかったとは到底いえません。そうした社会的影響について、メスを入れるには、この第3者機関のメンバーだけでは不十分であろうと思わざるをえません。

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■【第8弾! RT、9日】タッカー・カールソン、小児性愛者ネットワークスキャンダルで米政府を非難!

 タッカー・カールソン氏は、9日に公開されたツイッターの新番組の第2話で、児童性的虐待を「あらゆるタブーの中で最大のタブー」、「一世代前、他人の子供にセックスについて話すことは、非難の対象になると広く考えられていました。彼らに性的接触をすることは事実上死刑犯罪だった」と語り、「アメリカ社会は、タブーに支配されている」と警告しました。

カールソン氏「私たちの国を運営している人々は、児童虐待を私たちの中で最悪のものとは考えていないようだ。『ウォール・ストリート・ジャーナル』がインスタグラム上で『キディ・ポルノ』について暴露した昨日ほど、それが明白になったことはない」

 『ウォール・ストリート・ジャーナル』は8日、メタ社が所有する人気のSNSが、未成年向けコンテンツの委託や購入を公然とすすめている大規模なアカウントネットワークをホストしていると暴きました。小児性愛者を児童ポルノの配布者に結び付けるのに、インスタグラムのアルゴリズムを利用していると記事は主張しています。

※Tucker Carlson slams US government over pedophile network scandal(RT、9日)
https://www.rt.com/news/577767-tucker-carlson-instagram-pedophilia/

※Instagram Connects Vast Pedophile Network(The Wall Street Journal、7日)
https://www.wsj.com/articles/instagram-vast-pedophile-network-4ab7189

★一世代前の米国では、「(子どもに)性的接触をすることは事実上の死刑犯罪だった」というタッカー・カールソン氏の言葉には、驚かされます。それほどまでにかつては規範意識も罰則も厳しかったというのに、わずかな時間でそれが融解してしまっていることにも、とまどいを覚えてしまいます。

 米国では、日本とは比較にならないほど、小児性愛者が社会問題として深刻に考えられており、タッカー・カールソン氏は、子どもへの性的虐待問題を、加害者の個人的な性癖の問題であると限定的な見方をせず、米国社会全体が害を受けている社会状況としてとらえています。

 この問題に関して、政治家も、ビックテック企業も、責任を負っていることを指摘している点は、なかなか日本のジャーナリズムではお目にかかれない視点で、参考にすべき点があります。

 特にジャニー喜多川氏による性加害問題を取り上げて批判・論評するメディアやネット上の語り口には、「個人間の問題」という縛りが強く感じられ、広く社会全体からの影響、あるいは社会全体へ与えた影響について、考察が及んでいるものが少ないように感じられます。

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■<IWJ号外を出しました>中国とパレスチナ、戦略的パートナーシップの確立に合意! 現在までに中国、ロシアなど139カ国がパレスチナを国家として承認! 世界人口の80%以上が、パレスチナを国家として承認!

 本日未明に、IWJ号外「中国とパレスチナ、戦略的パートナーシップの確立に合意! 現在までに中国、ロシアなど139カ国がパレスチナを国家として承認! 世界人口の80%以上が、パレスチナを国家として承認!」をお送りしました。

 これまで、ほとんど大きく取り上げられたことがなかった中国とパレスチナの関係ですが、14日、中国を訪問中のマフムード・アッバス・パレスチナ大統領と中国の習近平国家主席が、北京の人民大会堂で戦略的パートナーシップを確立することに合意しました。

※China, Palestine agree to establish strategic partnership(CGTN、2023年6月15日)
https://news.cgtn.com/news/2023-06-14/Chinese-Palestinian-presidents-hold-talks-1kD9hpaaTlu/index.html

 現在までに中国、ロシアなど139カ国がパレスチナを国家として承認! 世界人口の80%以上が、パレスチナを国家として承認しています。

 日本や米国、NATOは、実は残り20%に入る少数国です。軍産複合体やユダヤロビー、企業権力によって、大きく歪んだ米国の民主主義は、パレスチナ問題を始めとした国際問題の解決にまったく無力だといわざるをえません。対立を煽ることはしても、大概は対立を放置し、和解や平和のための努力はしません。「分断して統治」するためには混乱や対立が好都合なのです。

 同時に、パレスチナを独立国家として承認していない国々は、北米と欧州、日本、韓国、オーストラリアに著しく偏っており、現在のトピックに重ねていえば、ウクライナに過剰に肩入れして、ロシアの弱体化を図る米国とその従属国のグループと重なります。

 詳しくはぜひ、IWJ号外をお読みください。近日中にIWJサイトにアップします。

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、六反田千恵、浜本信貴、前田啓)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
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