IWJ代表の岩上安身です。
8日、フィンランドとエストニアをつなぐ、フィンランド湾の海底を通る天然ガスパイプライン「バルチック・コネクター」の圧力低下が確認され、運転が停止されました。『AFP』などが報じています。その後、ガスの漏洩が検出されています。
フィンランド国境警備局副長官マルク・ハシネン少将「国境警備隊は漏洩の報告を受けてすぐに作業を開始し、ガス管をミリ単位で調査し始めました。漏洩が発見されたとき、これは単なる漏洩ではなく、損傷であることが明らかになりました。外部から引き起こされたものです」(インターファクス、10日)。
9日、ノルウェーの地震研究機関NORSARは、パイプラインからのガスの漏洩が確認された付近で「爆発の可能性」のある揺れを観測した、と発表しました。
同日、エストニアの当局者は、フィンランドとの間に敷設されている通信ケーブルも損傷を受けたことを明らかにしました。エストニアのハンノ・ペフクル国防相は、通信ケーブルとパイプラインの損傷箇所は「距離的には離れているが、(事象が発生した)タイミングは極めて近接している」と、述べています。
10日、フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領とペッテリ・オルポ首相はそれぞれ、原因について、「外部からの破壊行為」である可能性があるとの認識を示しました。ガスの漏洩は、フィンランドの排他的経済水域(EEZ)内で見つかったということです。
オルポ首相は、記者団から、ロシアの関与について問われましたが、「外部からの破壊行為」の主体を明言しませんでした。
- (フィンランドの国境警備隊がバルティックコネクターのガスパイプラインからの漏洩を発見)(インターファクス、2023年10月10日)
『AFP』は、NATOも原因究明の調査に参加する見通しだと伝えています。
フィンランドは、今年4月にNATOに正式に加盟したばかりです。
- フィンランド湾の海底ガスパイプライン損傷 破壊工作(AFP、2023年10月11日)
ドイツとロシアをつなぐ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」が、昨年9月26日に爆破された事件を連想させる事件です。
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