2023年5月7日、午後2時30分頃より、東京都杉並区高円寺中央公園にて、「入管法改悪反対」集会が開催された。集会終了後には、高円寺中央公園をスタート地点としたデモが行われ、ゴールの阿佐ヶ谷駅で解散となった。
反対集会の冒頭、土砂降りの激しい雨の中、反貧困ネットワーク 事務局長の瀬戸大作氏からあいさつがあり、その中で以下のとおり、入管行政にかかる困難な状況についての説明を行った。
瀬戸氏「この法案が(衆院で)可決されて以降ですね、私たちが関わる当事者の方たちがですね。非常に、その、表情が固くなったりとかですね、もうすでに動揺が走っています。
先日ですね、テレビで僕の友人のインタビューが放映されています。『無理やり強制送還するなら、その場で自殺する』、そういうような発言をさせてしまっています。彼は、すでに難民申請が3回却下されていて、強制送還の可能性が否定できないと、そういうことですよね。
この間、他にも我々は支援していてですね、ずっと体が痛くて、入院をして、35万円請求されて、暫定的に我々が払ったんだけど、その女性に言わせるとですね、『国に帰ることはやっぱりできない』んだと。『送還されるぐらいだったら、日本の刑務所に入る』というふうに彼女は言い切ってます。
で、もう一人の仲間もですね、(中略)泣きながら言っています。彼はこう言いました。どうしても日本にいたいわけではない、と。母国に帰ったら、命の危険がある、と。せめて、別の国に行ける選択肢はないか、と。だけども、今の決まりでいうと、強制送還の場合、母国に帰るしかない、と。
彼は、言いました。この入管法が法務委員会で通って以降ですね。眠れない、と。次の入管に呼ばれる時の通知がきたときに、いつも、2週間ぐらいは、まったく眠れない日々が続いている、と。やっぱり、そういう状態に置かれているんだということですね。
この間、『反貧困(ネットワーク)』やいろんな支援団体で、仮放免の人たちと一緒に暮らしています。そうした時に、入管に呼ばれた時に、そのまま入管のところでチケットを飛行機のチケットを渡されて、そのまま送り返される、というような状況だとかですね。その、たとえば、入管に出頭しない場合について、我々支援団体なんかも含めて、どういう対応をしていくのか? でも、僕らは、彼らをしっかり守らなければいけない。そういうふうに考えています。
そういうような状況下の中の、今日の集会です。今回の入管法の改正案ではですね、『送還忌避者』として、強制送還の対象となる外国人が、入管庁の報告によると、4233人ということです。で、もう、この間でも、基本的な人権が剥奪されています。(中略)働くこともできない、医療を受けることもできない、社会保障を受けることもできない。
そういう状況下の中で、本当にたまたま出会った民間支援団体が命をつないできたと。それまで、我々自身は、今日も、国会議員の方が何人か来られてますけども、本当に、院内集会や政府交渉の中で、『生存権を保障してくれ』と、この国の中で生きていく権利を保障してくれということを要求してきました。
それはおろか、今回の入管法改正では、強制の送還をするというですね、そのような許しがたい行為になっているということです。このことについて、到底容認できないということです。
これから、5月9日に衆議院の本会議があって、この法務委員会でそういった入管法案を通過させようとしています。それで、その後、多分5月12日に、参議院で審議するという情報を聞いています。
で、政府のほうでは、何とか5月末に、参議院のほうで可決するという情報を聞いています。で、やっぱり、このことについては、本当に、今日、参議院議員も来られてますけども、体を張って闘っていただきたい、と。そのためにも、我々市民がですね、2年前と比べて2倍3倍10倍の市民の力でですね、しっかり闘って、声をあげていくことが、非常に大事だということでですね、今日、集会を設定しました。
2年前のように、市民の反対の声の高まりで、法案を取り下げさせたい、と。会期末までねばってですね、時間切れにすることも可能だ。そういうふうに考えてます」
集会・デモの詳細については、全編動画をご視聴ください。