【IWJ速報5月9日】ロシア戦勝記念日のプーチン演説で西側が予測した「戦争宣言」はなし! 「軍事作戦」の理由は「侵略者に対する先制的な反撃」! ウクライナ情勢を受け、台湾が非対称戦用米国製小型携帯兵器の購入増!! 2022.5.10

記事公開日:2022.5.10 テキスト
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 9日、モスクワ赤の広場で行われたロシアの戦勝記念日のパレードでプーチン大統領が行った演説について、ロシア国営『RT』が速報で報じた。

※【速報6247】ロシア国営『RT』、9日「プーチン大統領は、9日、モスクワの赤の広場で行われた戦勝記念日のパレードで演説し、ロシアのウクライナでの軍事作戦は侵略者に対する先制攻撃であったと述べた」

 西側メディアなどが事前に予測していた、全面戦争に入るための「戦争宣言」や「勝利宣言」はなかった。

 『RT』は、プーチン大統領の演説を次のように報じている。

 「プーチン大統領は、ウクライナでの軍事作戦は侵略者に対する先制攻撃であったと述べた。

 プーチン大統領は演説の中で、第二次世界大戦中のソ連国民の功績を称えるだけでなく、モスクワとキエフの間で続く紛争の理由も取り上げた。ロシアが行動しなければならなかったのは、東部ドンバス地域の2共和国に対する大規模な攻勢が計画されていたからだ、と彼は言った。

 『軍事インフラが(ウクライナで)展開しているのを見た。何百人もの外国人アドバイザーが仕事を始め、NATO諸国から最新鋭の武器が定期的に届けられるようになった。危険は日々増していた』とプーチンは述べた。

 『ロシアは侵略に対して先制的な反撃を行った。これは、主権があり、強く、独立した国による強制的で時宜を得た、唯一の正しい決断だった』と、軍事作戦の開始について付け加えた。

 『国際関係におけるあらゆる不一致にもかかわらず、ロシアは常に平等で不可分な安全保障システムの構築を提唱してきた』と述べた。昨年末にモスクワがワシントンと安全保障に関する対話を試みたが、実を結ばなかったことを想起させた。

 『NATO諸国は我々の意見を聞こうとしなかった。つまり、彼らはまったく異なる計画を抱いており、我々はそれを見ていたのだ』と述べた。ドンバスでの懲罰的作戦と『クリミアを含む我々の歴史的土地への侵攻』の準備が公然と行われていたとプーチンは主張し、キエフは核戦力の回復計画も発表したと付け加えた。

 大祖国戦争(第二次大戦におけるナチス・ドイツ軍とソ連赤軍の戦い)当時、ソ連はナチス・ドイツを刺激しないように、『差し迫った攻撃から身を守るための最も緊急かつ明白な準備を控えたり、先延ばしにしたりした』とプーチン大統領は指摘する。その結果、侵略に対抗する準備ができなかったと、大統領は続けた。

 『大祖国戦争に先立ち、侵略者をなだめる試みは、わが国民に高い犠牲を強いる過ちであったことが証明された。我々はこの過ちを2度繰り返さない。2度目はない』」。

 独ソ戦の直前までソ連の指導者スターリンは、ナチス・ドイツがソ連を侵攻することはないと信じ、迎え撃つ準備も不十分だった。

 そのためナチス・ドイツ軍がソ連侵攻を開始(バルバロッサ作戦)すると、ソ連赤軍は敗退し続け、スターリングラードの攻防戦でようやく勝利し、反転攻勢をかけるまで、多大な犠牲者を出した。

 プーチン大統領の言う「2度と誤ちを繰り返さない」とは、この独ソ戦緒戦における油断からの敗退を指すと思われる。

 日本時間の9日午前0時から、G7の首脳会合がテレビ会議で行われた。9日付けロイターによると、「岸田文雄総理はロシア産原油を原則禁輸する方針を表明した」とのこと。

※【速報6240】岸田文雄総理は9日午前0時からG7テレビ首脳会議に出席。9日ロイターによると「岸田文雄首相はロシア産原油を原則禁輸する方針を表明した」

 この岸田総理の発言について、同じく9日付けロイターは、「4月半ば以降、ロシアから石油を積んで日本へ向かった船はないことが、情報会社リフィニティブのデータで分かった。データによると、4月にロシアが日本へ輸出した石油は190万バレルで、前年同月から33%減少した」と報じている。

※【速報6254】ロイター、9日「4月半ば以降、ロシアから石油を積んで日本へ向かった船はないことが、情報会社リフィニティブのデータで分かった。データによると、4月にロシアが日本へ輸出した石油は190万バレルで、前年同月から33%減少した」

 このロイターの記事は、石油元売りのENEOSが「2月のウクライナ侵攻以降『一切契約していない』ことを明らかにした」、出光興産も「新たな調達計画はなく、『ロシア原油が占めるシェアは低く、石油製品の安定供給に影響はない』としている」と報じている。

 5月7日付けの『ニューヨーク・タイムズ』が、ウクライナ情勢を受けて米国が台湾へ小型携帯兵器を買うように圧力をかけていると報じた。

※【速報6241】ニューヨーク・タイムズ、7日「ロシアのウクライナ侵攻以来、バイデン政権は台湾に対し、非対称戦用のミサイルや小型兵器を注文するよう圧力をかけている。米国と台湾の現・元政府関係者が証言」

 この『ニューヨーク・タイムズ』の記事は、ウクライナ軍のロシア軍に対する抵抗を見たワシントンと台北は、「中国の台湾侵攻の危険に対し、機動力と精密な攻撃の非対称戦用の武器を持つ小さな軍隊が、大きな敵を打ち負かすことができると確信した」として、台湾の蔡英文総統が「兵器を大量に購入する動きを見せている」と報じている。

 その一方で、米国はこれまで「中国が攻撃してきた場合に米軍が台湾を防衛するかどうかについては、『戦略的曖昧さ』の方針を維持し、明言しなかった」とのこと。

 この姿勢は、ウクライナに大量の兵器を送りながら、米軍は参戦しないバイデン政権の方針に通じている。

 この『ニューヨーク・タイムズ』の記事では、ウクライナと異なり、島国の台湾が中国に包囲された場合、武器を送り続けるのは困難なことから、「台湾に大量の軍需品を備蓄することを検討している関係者もいる」と報じている。

 また、台湾側はすでに対空ミサイルのスティンガーの契約をして代金を払っているにもかかわらず、米側からの納入が遅れているため、要求を強めていると報じている。

 米国が信用できる同盟国なのかどうかは、日本の安全保障にもかかわる。米国に頼りきりの日本が、米国頼みで自国を守れるのかどうか、米国が日本を守るわけではないならば、米国の戦略に追随してゆく意味があるのかどうか。日本自身の「生存」のために自問自答し続ける必要がある。

※【速報6242】N.Y.T、続き「ワシントンと台北は、中国の台湾侵攻の危険に対し、機動力と精密な攻撃の非対称戦用の武器を持つ小さな軍隊が、大きな敵を打ち負かすことができると確信。台湾の蔡英文総統は、機動力のある殺傷力の高い兵器を大量に購入する動きを見せている」
午後4:56 · 2022年5月9日

※【速報6243】N.Y.T、続き「1979年制定の台湾関係法は、米国政府が台湾に防衛的な装備を提供することを義務付け。それ以来、どの政権も軍事介入の問題については『戦略的曖昧さ』の方針を維持。中国が攻撃してきた場合に米軍が台湾を防衛するかどうかについては明言しなかった」
午後5:02 · 2022年5月9日

※【速報6244】N.Y.T、続き「バイデン大統領は、ウクライナでの戦闘に米軍を参加させないと表明したが、小型機動兵器の輸送を許可。ウクライナ軍はジャベリンやスティンガーミサイル、武装ドローンなどを保有、非対称戦略を駆使し、ロシアに対して抵抗を続けている」
午後5:06 · 2022年5月9日

※【速報6245】N.Y.T、続き「包囲された島国台湾への武器補給は、米国とその同盟国にとってウクライナ以上に困難となる可能性がある。そのため、台湾に大量の軍需品を備蓄することを検討している関係者もいる」
午後5:10 · 2022年5月9日

※【速報6246】N.Y.T、続き「ここ数週間、台湾の高官たちは、アメリカ政府やアメリカの兵器メーカーに対して、納期の遅れや未達成の注文に不満を表明している。蔡英文総統は、米国にメッセージを送ったという」
午後5:13 · 2022年5月9日

※【速報6248】ロシア国営『RT』続き「プーチン大統領は、第二次世界大戦中のソ連国民の功績を称えるだけでなく、ウクライナ紛争の理由も語った。ロシアが行動しなければならなかったのは、東部ドンバス地域の2共和国に対する大規模な攻勢が計画されていたからだ、と彼は言った」
午後5:33 · 2022年5月9日

※【速報6249】ロシア国営『RT』続き「プーチン『軍事インフラが(ウクライナで)展開しているのを見た。何百人もの外国人アドバイザーが仕事を始め、NATO諸国から最新鋭の武器が定期的に届けられるようになった。危険は日々増していた』」
午後5:36 · 2022年5月9日

※【速報6250】ロシア国営『RT』続き「プーチン、軍事作戦の開始について『ロシアは侵略に対して先制的な反撃を行った。これは、主権があり、強く、独立した国による強制的で時宜を得た、唯一の正しい決断だった』」
午後5:39 · 2022年5月9日

※【速報6251】ロシア国営『RT』続き「プーチン、ワシントンとの安全保障に関する対話の試みが実を結ばなかったことについて『国際関係におけるあらゆる不一致にもかかわらず、ロシアは常に平等で不可分な安全保障システムの構築を提唱してきた』」
午後5:41 · 2022年5月9日

※【速報6252】ロシア国営『RT』続き「プーチン『NATO諸国は我々の意見を聞こうとしなかった。彼らはまったく異なる計画を抱いており、我々はそれを見ていたのだ』。ドンバスでの懲罰的作戦と『クリミアを含む我々の歴史的土地への侵攻』の準備が公然と行われていたと主張」
午後5:44 · 2022年5月9日

※【速報6253】ロシア国営『RT』続き「プーチン『キエフは核戦力の回復計画も発表した』『大祖国戦争に先立ち、侵略者(ナチスドイツ)をなだめる試みは、わが国民に高い犠牲を強いる過ちであったことが証明された。われわれはこの過ちを二度繰り返さない。二度目はない』」
午後5:48 · 2022年5月9日

※【速報6255】ロイター、9日続き「ENEOSホールディングス、2月のウクライナ侵攻以降『一切契約していない』。出光興産、新たな調達計画はなく『安定供給に影響はない』」
午後6:31 · 2022年5月9日

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