政治資金問題から見える「維新の正体」その36(コンパニオン代の支出)~ブログ「上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場」より 2019.7.12

記事公開日:2019.7.12 テキスト
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(文・上脇博之)

特集 「ゆ」党再編の要!? 維新の「正体」
※2019年5月1日10:52投稿の本ブログは、上脇博之氏の許可をいただき掲載しています。

「その22」において、
「日本維新の会」の馬場伸幸・幹事長(現在)を支援する「馬場伸幸後援会」が
2017年の政治資金パーティーにおいてコンパニオン代を支出していたこと
を簡単に紹介した。

そこで、以下では、改めてこれを含め、そのほか、
コンパニオン代が支出されているものを紹介する。

1 「馬場伸幸後援会」(代表:高槻清爾)は毎年「コンパニオン代」を支出

(1)2017年

まず、すでに紹介した2017年である。

「馬場伸幸後援会」(代表:高槻清爾)の2017年政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00307561/29ha0078.pdf)には、
「機関紙誌の発行その他の事業による収入」として、以下の記載があった。

衆議院議員馬場伸幸を励ます会 1455万円 2017年8月9日 堺市堺区戎島町 ホテル・アゴーラリージェンシー堺ロイヤルホール

この「衆議院議員馬場伸幸を励ます会」に関しては、
「216万円」の「講演料」や「会場借り上げ及び食事飲代」(593・7万円)
のほかに、以下の支出が記載されていた。

コンパニオン料 10万円 2017年8月9日 BANQUET STAFF ベルフィーユ  堺市堺区戎島町 

実は、「馬場伸幸後援会」が「コンパニオン料」を支出していたのは
2017年だけではなかった。

(2)2016年

「馬場伸幸後援会」(代表:高槻清爾)の2016年政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00260130/28ha0078.pdf)には、
以下の収入の記載があった。

衆議院議員馬場伸幸幹事長就任記念パーティ 1337万円 996名 2016年6月6日 堺市堺区戎島町 ホテル・アゴーラリージェンシー堺ロイヤルホール

この「衆議院議員馬場伸幸幹事長就任記念パーティ」に関しては、
「216万円」の「講演料」や「会場借り上げ及び食事飲代」(606万円超)のほかに、
以下の支出が記載されていた。

コンパニオン代 10万円 2016年6月6日 BANQUET STAFF ベルフィーユ  堺市堺区戎島町

(3)2015年

「馬場伸幸後援会」(代表:高槻清爾)の2015年政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00228520/27ha0078.pdf)には、
以下の収入の記載があった。

衆議院議員馬場伸幸国対委員長就任記念パーティ 988万円 2015年8月25日 堺市堺区戎島町 ホテル・アゴーラリージェンシー堺ロイヤルホール

この「衆議院議員馬場伸幸国対委員長就任記念パーティ」に関しては、
以下の支出が記載されていた。

コンパニオン料金 10万円 2015年8月25日 BANQUET STAFF ベルフィーユ  堺市堺区戎島町  ホテル・アゴーラリージェンシー堺ロイヤルホール

(4)2014年

「馬場伸幸後援会」(代表:高槻清爾)の2014年政治資金収支報告
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00201672/26ha0078.pdf)には、
以下の収入が記載されていた。

議員活動20年記念パーティ 978万円 2014年8月6日 堺市堺区戎島町 ホテル・アゴーラリージェンシー堺ロイヤルホール

この「議員活動20年記念パーティ」に関しては、
以下の支出が記載されていた。

ンパニオン料金 10万円 議員活動20年記念パーティ 978万円  BANQUET STAFF ベルフィーユ  堺市堺区戎島町  ホテル・アゴーラリージェンシー堺ロイヤルホール

(5)まとめ

政治資金収支報告書の入手できた2014年以降、2017年まで、
「馬場伸幸後援会」は、毎年、10万円のコンパニオン代を支払っていた。
(もっと前から支出されていた可能性が高いのではなかろうか!?)

会場でコンパニオンがどのようなことを行っているのかわからないが、
そもそもホテルで開催しているのに、コンパニオン料を支払ってまで
コンパニオンを呼ぶ必要があるのだろうか?

2 「上島一彦後援会」(代表:岡内重信)も2014年と15年にコンパニオン代を支出

(1)「上島一彦後援会」(代表:岡内重信)

次に取り上げるのは、「上島一彦後援会」(代表:岡内重信)である。

上島一彦氏は、箕面市議会議員(2期)を経て、
2007年大阪府議会選挙で初当選し、その後、
2011年、2015年の同選挙でも当選し、
維新府議団政調会長を務めており(http://kaz-u.com/profile/)、
今年の同選挙でも当選している大阪府議会議員である。

「上島一彦後援会」は、
会費を支払っている者が一人もいない政治団体である。

では、この政治団体が少なくとも2014年から
コンパニオン代を支払っていることを紹介しよう。

(2)2014年

「上島一彦後援会」(代表:岡内重信)の2014年分政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00201649/26ac0070.pdf)には、

「本年の収入額」は635・9万円弱であり、
そのうち主要な収入は以下である。
「北摂行政研究会」(代表・上島一彦)からの寄付金が300万円で、
「新春のつどい」が300万円
「後援会お花見ツアー」が11・4万円など。

つまり、「新春のつどい」が収入の半分近くを占めており、
その分の支出は以下。
会場費  235・6万円強 2014年1月15日 千里阪急ホテル 豊中市新千里東町
参加賞  7・7万円強 2014年1月20日 箕瀧案 箕面市未納(以下省略)
コンパニオン代 15万円 2014年1月24日 グレース 池田市渋谷
その他の支出 12・7万円強
合計271・1万円強。

「新春のつどい」の収益はわずか29万円弱である。
この点では、「コンパニオン代15万円」が少額とは言えない。

(3)2015年

「上島一彦後援会」(代表:岡内重信。主たる事務所の所在地は大阪府箕面市西宿)の2015年分政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00228543/27ac0070.pd)には、f

「本年の収入額」は637・7万円強であり、
そのうち主要な収入は以下である。
「北摂行政研究会」(代表・上島一彦)からの寄付金が300万円で、
「新春のつどい」が304万円
「ビアパーティー」が32万5500円など。

つまり、「新春のつどい」が収入の半分近くを占めており、
その分の支出は以下。
出演料 5万円 2015年1月4日 髙 端姫 大阪市生野区(以下省略)
コンパニオン代 15万円 2015年1月4日 グレース 池田市渋谷
会場費  245・5万円強 2015年1月26日 千里阪急ホテル 豊中市新千里東町
その他の支出 12・1万円強
合計278・6万円強。

「新春のつどい」の収益はわずか25・3万円弱である。
この点では、「コンパニオン代15万円」が少額とは言えない。

(4)2016年

「上島一彦後援会」(代表:岡内重信)の2016年分政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00260104/28ac0070.pdf

「本年の収入額」は682・1万円強であり、
そのうち主要な収入は以下である。
「北摂行政研究会」(代表・上島一彦)からの寄付金が400万円で、
「新春のつどい」が276万円
「ビアパーティー」が3・4万円など。

つまり、「新春のつどい」が収入の約40%を占めており、
その分の支出は以下。
出演料 6万円 2016年1月9日 民舞胡蝶 箕面市栗生外院(以下省略)
コンパニオン代 5万円 2016年1月20日 グレース 池田市渋谷
宴会代  234・5万円弱 2016年2月1日 千里阪急ホテル 豊中市新千里東町
その他の支出 5・3万円弱
合計250・7万円強。

「新春のつどい」の収益はわずか約25万円である。
「コンパニオン代5万円」は、それまでの「15万円」から「5万円」に減らされているが、
それでも「コンパニオン代5万円」が少額とは言えないだろう。

(5)2017年

「上島一彦後援会」(代表:岡内重信)の2017年分政治資金収支報告書
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00307488/29ac0070.pdf

「本年の収入額」は736・4万円であり、
そのうち主要な収入は以下である。

「北摂行政研究会」(代表・上島一彦)からの寄付金が400万円で、
「新春のつどい参加費」が288万円
「ビアパーティー参加費」が35万円など。

つまり、「新春のつどい」が収入の40%弱を占めており、
その分の支出は以下。
出演料 5万円 2017年1月7日 雪扇会 箕面市栗生間谷東(以下省略)
コンパニオン代 5万円 2017年1月19日 グレース 池田市渋谷
会場費  239・8万円強 2017年2月2日 千里阪急ホテル 豊中市新千里東町
その他の支出 3・万円強
合計252・9万円強。

「新春のつどい」の収益はわずか約35万円である。
この点では、「コンパニオン代5万円」が少額とは言えない。

(6)まとめ

政治資金収支報告書の入手できた2014年以降、2017年まで、
「上島一彦後援会」は、毎年、「コンパニオン代」を支出していた。
(以前から支出されているのかもしれない!?)
ただし、
「15万円」だったのが、その後「5万円」に減額されている。

3 「身を切る改革」と整合性があるのか!?

「政治資金集めのパーティー」であれ、「〇〇の集い」であれ、
その支出は、政治活動費からの支出である。
コンパニオンを呼んでない政治資金パーティーもあるのだから、
「コンパニオン代」を支払ってコンパニオンを呼ばなければならない
必然性・理由があるとは思えない。

それなのに、前述したように、
上記「維新」の政治団体は「コンパニオン代」を支払っていた。
「参加者から会費を徴収している」との弁明もあるだろうが、
「日本維新の会」は政党交付金という税金を受け取っているし、
政治資金パーティー等も政治活動であることに変わりはない。
「身を切る改革」を声高に叫び「維新」の政治的立場と
整合性がとれるとも思えない。

やはり、これも羊頭狗肉政党である「維新」の本性なのだろうか!?

(つづく)

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