【スクープ速報!】「想定外の巨大津波」は実は想定の範囲内だった!震災から5年、東電が「巨大津波」を予測できていた「新証拠」を福島原発告訴団・代理人の海渡雄一弁護士が岩上安身によるインタビュー 第624回で証言!「何度も司法記者クラブで話したが、新聞は記事にしなかった」衝撃の事実をIWJで公開!!

記事公開日:2016.3.11取材地: テキスト動画独自
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 事故当時、東電は巨大津波を予測できていた――そんな新証拠が存在するという。

 福島第一原発事故をめぐり、2016年2月29日、検察審査会から「起訴議決」を受けた東京電力の勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3人について、検察官役の指定弁護士が業務上過失致死傷の罪で強制起訴を決定した。

 起訴状によると、3人は原発の敷地の高さである10メートルを超える津波が襲来し、建屋が浸水して電源喪失が起き、爆発事故などが発生する可能性を事前に予測できたのに、防護措置などの対策をする義務を怠ったとしている。

 実は、起訴状の中身を裏づける、当時の東電が巨大津波を予測していた決定的な「新証拠」があるという。告訴団代理人の海渡雄一弁護士が2016年3月10日、岩上安身のインタビューで明かした。

 東電は福島第一原発事故の主な原因を「想定外の巨大津波」であると結論づけているが、新証拠が事実であれば東電の従来の主張は覆り、「想定外の原発事故」は予測できた「人災」だったことになり、東電幹部らの刑事責任は避けがたいものとなる。

 以下、岩上安身のインタビューでの海渡弁護士の「証言」をお伝えする。

記事目次

■イントロ

  • 日時 2016年3月10日(木)13:00〜
  • 場所 IWJ事務所

津波を予測していなかったという、嘘~ 2009年の6月までには、すべての津波対策を完了させると決定してた?!

岩上「2000年の電事連報告では福島第一は日本一津波に対し、最も、脆弱であることが示されていたそうですね」

海渡「福島第一と島根がそうです」

岩上「2006年9月13年、保安院の審議官らが出席した安全情報検討会では、津波問題について『わが国の全プラントで対策状況を確認する。必要ならば対策をたてるように指示する。そうでないと”不作為”を問われる可能性がある』と報告されていたといいます」

海渡「2006年9月というのは、耐震バックチェックの指針が決まった年です。安全情報検討会というのは、電力会社、電事連、保安院が参加している公の会議です。つまり、ここで、津波対策をきちんとやるんだと指示していたわけです。これは、国会事故調の中で出てきた事実です

 この時期に、2009年の6月までには、すべての津波対策を完了させると決定していました。こちらは、7月に開催された検察審査会の議決で明らかになりました。

岩上「これは決定的な証拠じゃないですか」

海渡「証拠は、まだまだありますよ」

握りつぶされた防潮堤計画~2008年6月の時点で、10メートルの地盤の上に10メートルの防潮堤を立てる計画があった

岩上「2月29日、福島第一原発事故をめぐり、検察審査会から基礎議決を受けた東京電力の勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長の3人について、検察官役の指定弁護士が業務上過失致死傷の罪で強制起訴されました」

海渡「告訴事件では僕はこの被害者側の代理人をしています。実は7月に開催された2回目の検察審議会議決内容が画期的なものでした。東京電力は2007年12月の段階で、福島沖でも大きな地震と津波が起きる可能性を踏まえ、対策を取らなければならないという方針を決めていたのです。津波対策を預かっている部局がそう決めていたのです。武藤氏も加わった状態で決めていました。

 翌年の2008年の3月にシュミュレーションをやって、福島第一に15.7mの津波が来ると言う計算結果が出ていました。これに基づいて、2008年の3月末に耐震バックチェックの中間報告があり、最終報告までには津波対策をきちんとやりますと説明することになっていました。証拠として、県に説明するためのQA資料が残っています。これは、つまり社の方針です。

 2008年の6月、津波対策案がまとまり、土木調査グループが武藤氏にその案を持っていきます。案では、10メートルの地盤の上に10メートルの防潮堤を立てる計画が立てられていました。しかし、武藤氏はその1か月後に、防潮堤建設をやらないと決めました」

岩上「知らなかった、どころではなく、津波対策の計画が実際にあり、それを東電のトップが却下したのですね」

数百億円の費用と地元住民の反発を回避するため――そんな理由で防潮堤は『先送り』されていた!

海渡 「却下した理由まで議決に書いてあります。防潮堤建設には、数百億円の費用がかかると。さらに、防潮堤を建てると地元住民の反発により、原子炉をストップさせなくてはならない可能性があると。つまり、高い防潮堤ができれば、津波が来れば原発も危険なのだと住民が感じるからというのが理由です。だからこの問題はこの問題は『いったん』先送りして、何年も先に土木学会で調査してもらうということにしました。

 土木学会というのは、東電など電力会社によって固められているものです。そこに丸投げし検討させるとしました」

岩上「国民が主権者なのに、正確な情報を知ることもできない。無為無策のまま戦争に進んでいくのと同じ構造に思えてなりません」

海渡 「この決定に武藤氏、武黒氏が関わっていたことは明らかになっています。では、勝俣氏はどうか。彼は、その上に立っていた天皇のような人でした。しかし、この人も有罪であるとして、理由も明記されています。

 中越沖地震に関する対応会議に、勝俣氏は必ず出席していました。この会議は御前会議と呼ばれていまして、勝俣氏は欠席した場合も書類には必ず目を通していました。数百億円を通すような対策案がトップのところにいかないはずがありません。

 以上のような理由で、今回は強制起訴したというわけです」

岩上「危険性は認識されていたのですね」

海渡「今回、(震災時に)最も高い津波は15mだったと言われています。防潮堤をつくっておけば助かっていたということです」

岩上「数百億を出し惜しんだ結果で、あんな事故が起こったのですね」

海渡「この事実は…どうしようかな…この話は…話してしまおうかな」

岩上「話してください!」

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