2016年最大の喫緊のテーマ!「国家を守り、人権を制限するのが国家緊急権。多くの国で権力に濫用されてきた過去がある」 〜岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー 2015.12.19

記事公開日:2015.12.19取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ、文責・岩上安身)

特集 緊急事態条項

菅官房長官は15日の記者会見で、熊本地震に関連し緊急事態条項を「極めて重い課題」と発言。
※1月3日テキストを追加しました!

 2016年の参議院選挙を見据えて、安倍首相自身が口にした「憲法改正による緊急事態条項の創設」。改憲勢力がこの参院選で3分の2を確保し(すでに衆院では3分の2を確保している)、改憲の発議を行うと安倍総理自らが公然と目標に掲げたのである。

 憲法改正の発議は、一条ごとに行わなければならない。安倍政権の真の狙いは「本丸9条」であって、「緊急事態条項」は、その前哨戦に過ぎない、いわば「お試し」改憲である、などという話が与野党両サイドからまことしやかに聞こえてくる。

 これは大間違いである。万能のカード「ジョーカー」に等しい「緊急事態条項」は、その一枚を手にするだけで、憲法の他の条項を無にしてしまうことができる。安倍総理がヒトラーのような全権を手に入れてしまい、国民の反対の多い9条の改正などは必要なくなってしまうのだ。

 戦争や大災害などの非常時に、国家体制を維持するため、一時的に法の秩序を停止する権限が国家緊急権だ。その国家緊急権として、自民党の改憲草案に新設すると盛り込まれてるのが緊急事態条項で、「緊急事態の宣言があった時、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定できる」とある。行政府のトップが立法府の権限をも一手に握ってしまうということである。しかも、この自民党の緊急事態条項の草案には、いつ緊急事態が終わるのか、期限の縛りがない。事実上の戒厳令が永続化してしまう可能性がある。

 「国民が内容を知る前に、閣議決定で法律に代わる政令を出せる。それは民主主義に反し、権力分立にも反する」──日弁連災害復興支援委員会前委員長の永井幸寿弁護士は、2015年12月19日に行われた岩上安身によるインタビューの中で、自民党が「お試し改憲」として最初に進めようとしている緊急事態条項の危険性を鋭く指摘した。

記事目次

■ハイライト

  • タイトル 岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー
  • 日時 2015年12月19日(土)15:00〜
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)
▲日弁連災害復興支援委員会前委員長・永井幸寿弁護士

▲日弁連災害復興支援委員会前委員長・永井幸寿弁護士

 国家緊急権は大規模な自然災害やテロが起きた場合に必要、という見方を、永井氏は丁寧に反証を加えて否定する。

 「緊急事態において、国民ではなく、国家の存立を維持するためにあるのが国家緊急権だ。今の政府は、東日本大震災の記憶が消えないうちに、この国家緊急権を決めようとしている」。

 国家緊急権の歴史的背景と要旨を説明した永井氏は、大日本帝国憲法の下での国家緊急権の濫用や、ナチスが実質的な独裁を成し遂げた全権委任法の強行採決を容易にした、ワイマール憲法48条の国家緊急権発動の悪しき前例を振り返る。

 そして、「その悲劇の反省のもとに、日本国憲法では、あえて国家緊急権を定めなかったのだ。国家緊急権がない、ということは、現憲法の不備では決してない」と説明した。

 また、災害時における都道府県、市町村、関係公的機関の対応は、人権への強制権も含めて法律で細かく定めてあり、「すでに法律でお腹いっぱいの状態だ」と現状を説明し、国家緊急権で、災害時の権限を国に集中する必要はないと説いた。岩上安身は、「災害は口実で、緊急事態条項を創設する真意は、戦争の遂行のためではないでしょうか」と懸念し、テロや戦争の遂行と国家緊急権の関係を尋ねた。

 それに対して永井氏は、「国家緊急権は、テロで発動するに当たらない。なぜなら、テロは犯罪。大きな犯罪が起きても、平常時の統治機構は機能しますから」と明言した。

 そういえば、オウムによるサリン事件も、クーデターを企図した国家中枢へのテロ攻撃だったが、警察力で対応が十分可能だった。警察では実力不足などということはなく、むしろ問題だったのは不正確な捜査による冤罪が問題だった。松本サリン事件で冤罪事件を起こさず、犯人をオウム真理教と断定できていれば、その後の地下鉄サリン事件の凶行は防げていたはずである。

 国家緊急権は戦争、内乱、恐慌、大規模な自然災害など、あくまでも、「平常時の統治機構では対処できない非常事態」を想定していると永井氏は述べると、こう続けた。

 「対テロには、国民保護法、武力攻撃事態国民安全保護法の『緊急対処事態』で準備する。刑罰法規では、爆発物取締規則、刑法、ハイジャック防止法、テロ資金提供処罰法、組織犯罪処罰犯罪収益規制法が、すでにある」

 また、先の同時多発テロで、フランスでは国家緊急権が発動されたと報じられていることについては、「フランスの憲法上の国家緊急権には、大統領非常措置権と合囲(戒厳)があるが、今回は、法律による国家緊急権である緊急状態法を適用した。憲法が発動されたわけではない」と話した。

 岩上安身は、「日本の憲法に緊急事態条項が創設されたら、空洞化した国会は要らなくなる。自民党はナチスの手口を真似るのではなく、超えようとしていた。反原発、反安保法制のデモや集会の自由もなくなる。また、災害を理由に国家緊急権を創設することは、実際に地震や津波などの自然災害に被災された方々はもちろん、国民に対する大きな侮辱でもある」と力を込めてインタビューを締めくくった。  

導入賛成だった小林節教授も方向転換──国家緊急権の危険性

岩上安身(以下、岩上)「国家緊急権について、日弁連災害復興支援委員会の前委員長、永井幸寿(こうじゅ)先生にお聞きします。永井先生は阪神淡路大震災で神戸の事務所が全壊。それをきっかけに災害問題に取り組んで20年です」

▲阪神淡路大震災のただなかで助け合う人々

▲阪神淡路大震災のただなかで助け合う人々

永井幸寿氏(以下、永井・敬称略)「東日本大震災では、日弁連の災害対策本部の副本部長として12~13本の被災者支援法を作り、4万件の法律相談、原発賠償や二重ローンの解決にADR(裁判外紛争解決手続)を手がけました」

岩上「東日本大震災では、地震、津波、原発と、何年たっても元の暮らしに戻れない苦しみが今も続いています。そして、来年の参議院選の最大イシューの可能性がある国家緊急権について、永井先生は大変にお詳しいと知りました。最近、国家緊急権は必要だと長年主張してきた小林節氏と、永井先生とのディベート(2015年10月21日)が行なわれました。結果、小林氏が永井先生の論旨に得心され、『国家緊急権は不要だ』と自説を撤回しました。これには感動しました」

永井「小林先生はとても潔い方で、私も感動しました」

東北大震災の記憶が消えないうちに国家緊急権を決めようとしている自民党

永井「国家緊急権導入の動きですが、与党自民党は、まず憲法9条を改正しようとしたが、96条(憲法改正の手続きについて定める条項)改正規定を緩和させての9条改正に挫折した。その後、安保法制の際に、集団的自衛権行使を容認するという解釈改憲を成功させたので、明文改憲(同意できる条項から改正)の後、9条改正へと進める方針にしています。

 当初、明文改憲で、環境権、財政条項、国家緊急権が候補に上がり、昨年の衆議院議員のヨーロッパ視察から、環境権を入れると乱訴が増えるということで、ならば、東日本大震災の記憶が消えないうちに国家緊急権を決めてしまおうと、方針を変えたと言います。国民を慣らすのが目的の『お試し改憲』ですが、最初にやる緊急事態条項が、むちゃくちゃ危険なのです」

岩上「緊急事態条項は、トランプの『ジョーカー』に等しい万能カードだ、と。今の自民党は、天才的詐欺師集団みたいですね」

永井「それまで緊急事態条項に触れなかった安倍首相が、11月の衆院予算委員会で発言して、改憲の方向が明らかになりました」

岩上「実は9月28日、自民党総裁選後に、安倍首相は記者クラブしか入れない自民党の記者会見で、参院選の公約で明文改憲を明らかにしたんです。緊急事態条項をまずやると明言しました。ところが産経以外、大手紙はこの発言をほとんど報じなかった。そのため約1ヵ月半、緊急事態条項の問題性、危険性は国民の意識に上がりませんでした。マスメディアのせいで、1ヵ月半、空費したのです。

 共産党の志位委員長にインタビューをした時、私は『緊急事態条項阻止も訴えるべきだ』と伝えましたが、『うしろ向きだ』と言われました。それくらい政治家にも危機感が足りない。マスコミ操作で政治意識が弛緩させられている。今、国民にとって緊急事態が迫っていると、むしろ国民の側から『国民緊急事態宣言』を出すべきです」

永井「11月13日、パリで同時多発テロが勃発しました。フランスが国家緊急権を発動したので、日本でも緊急権の議論がわき起こりました。しかし、共産党以外の野党は反対しない。なぜなら、大学の法学部でも教えないので、国家緊急権の内容がわかっていないからです。憲法では、国家緊急権を明確に否定しています。災害、テロのために必要なのか? そうではない。(多くの人が)自民党の国家緊急権の危険性を知らない。今の憲法には国家緊急権が欠落している、との指摘もあるが、間違いです。ちゃんと審議をしています」

非常事態に、国民ではなく国家を優先するのが国家緊急権

永井「国家緊急権とは、戦争、内乱、恐慌、大規模な自然災害など、平時の統治機構で対処できない非常事態において、国家権力が国家の存立を維持するため、立憲的な憲法秩序(人権の保障と権力分立)を一時停止し、非常措置をとる権限です」

岩上「つまり、国家のために権力を集中し、国民は服従しなければいけなくなる。緊急だけれど、内実はファシズムですね」

永井「その通りです。基本的人権とは、人が自立的な個人として、自由と生存を確保し、尊厳を持って生きるために不可欠な利益のことです。人権とは憲法や天皇に与えられたのではなく、人間ゆえに当然に有する権利であり(固有性)、公権力(行政・立法・司法)によって侵害されない権利であり(不可侵性)、人種、性、身分の区別なく、人間であることで当然に享有できる権利であるということ(普遍性)です」

岩上「自民党議員には、天賦人権説の否定を公言する人もいます(片山さつき議員)。天賦人権説に対するのは王権神授説です。天皇(王)が恩寵として、臣民に人権を与えたというものですね」

永井「それは、天皇が主権者で、国民の権利は与えられたものだから法律で簡単に奪える、という考え方ですね。天賦人権説は、人として生まれたら、人権は憲法より上位になるというものですから、憲法でも法律でも人権を奪うことはできません。これは、今まで多くの人々が闘って血を流して得た権利です。それを覆すことになる国家緊急権は、まさにクーデターなのです。

 人は生まれながら自由かつ平等で、生来の権利を持つ(基本的人権)。この権利を確実なものとするため、社会契約を結び、政府に権力の行使を委任(国家の役割)する。つまり国家とは、基本的人権を実現させるために作られた機能です」

国家緊急権は諸刃の剣。多くの国で軍人や政治家に濫用された負の歴史がある

永井「かつて国家権力が強大になり、権力の濫用で人権を侵害してしまったため、国家を立法、行政、司法に分離独立させ、相互に牽制させました(権力分立)。その趣旨は、権力の濫用から国民の権利を守ることです。

 非効率だが、あえて権力を分離し、摩擦を生じさせ、権力濫用から救う。人は権力を握りたがり、濫用する性向があります(ジョン・ロック)。これは人間性の深い反省、政治の現実の認識に基づく大人の制度なんです。だから、立憲主義で憲法が国家権力を縛るんです」

岩上「それは教育が影響しますね。明治憲法では、国民を『天皇の赤子』として、子どもの状態に置いて、お上は素晴らしいと信じ込ませた。お上の言うことだけを聞け、と。マッカーサーが『日本人は12歳の子ども』と指摘したのは正しかった」

永井「だから、こういうことを学ばせないといけません。民主主義社会は国民が主権者だから、相当、教養がないといけない。社会や法律のあり方を知らなければならない。大学の文系をなくすなど、民主主義の基本にまったく反することです。

 一番大事なのは、基本的人権。これを実現するために国家を作った。濫用しないために、権力を分立させた。その人権思想の真逆が、人権を制約し、権力を国家に集中させる国家緊急権です。フランス革命前の絶対主義王制と同じで、とても危険です。

 国家緊急権の誕生には、ひとつに英米法型マーシャル・ロー(戦時法規)がある。これは不文法で、国民が軍の法規命令や刑罰権に服して、通常の裁判権の排除と法の支配停止に陥ります。その元になったのは南北戦争。アメリカ自体が戦場となり、司法、立法、行政官が、司令官に帰属したことに起因します。

 もうひとつがフランス、ドイツの大陸法型です。大陸法型は国民主権に対抗し、国王の権力を例外的に保留するために生まれた対極の制度で、支配する側から見る構造です。ワイマール憲法、大日本帝国憲法、自民党の国家緊急権が、それに当たります。

 国家緊急権は諸刃の剣ですが、危険性の方がはるかに大きい。歴史的にも不当な目的や期間延長、過度の人権制限、司法の抑制(自主規制)など、多くの国で軍人や政治家に濫用されてきた歴史があるのです」

▲二・二六事件に対する戒厳令発令に伴い、九段の軍人会館(後の九段会館)に設置された戒厳司令部。

▲二・二六事件に対する戒厳令発令に伴い、九段の軍人会館(後の九段会館)に設置された戒厳司令部。

岩上「むき出しの権力が出た時、司法権力は萎縮しがちです。人権を制限し、反対勢力を弾圧する。緊急と言いながら、恒久的なファシズムの持続も延長で可能になる。原発を抱えて戦争しようとする日本。そんなバカな目的で国家緊急権を濫用しかねない。第二次大戦の時の敗戦は『国敗れて山河あり』でしたが、今度大戦争となった場合、日本は『国破れて放射能あり』になってしまいます。そんなところに誰も住めません」

ナチスの独裁は国家緊急権を使って成し遂げた

永井「ドイツは、第一次世界大戦に敗れ、その反省から大統領を直接公選制にし、20歳以上の男女が選挙を持つ、当時もっとも民主的なワイマール憲法を作りました。

 しかし、ナチスが独裁を手にできたのは、ワイマール憲法48条に『大統領が、公共の安全・秩序に重大な損害が生じる恐れがあるとき、人身の自由・意思表明の自由など、7ヵ条の基本権全部または一部を一時停止できる(緊急大統領令)』とあったからです」

岩上「ナチスは全権委任法(授権法)で独裁を確立したというが、実は、その前に緊急令で権力を手中にした。二段階で独裁支配を確立した、というわけですね。多くの国民は、この程度なら大丈夫だと安心していたら、二度と立ち上がれなくなってしまった、ということですね」

永井「全権委任法とは、国会の立法権を政府に移すことですが、そんな法律は普通、議会では通りません。それを1934年2月、国会議事堂の放火を共産党の犯行とし、国家緊急権を使い、自由に制限を加え、令状なしで逮捕拘束を可能にしました。

 これにより、ヨーロッパで一番勢力のあった対抗野党(共産党、社会党)が壊滅。その後の選挙で共産党が81議席を得るも登院が許されませんでした。ナチス党も過半数を獲得できませんでしたが、強引に全権委任法が強行採決され、独裁を確立したのです」

岩上「ナチスは政権を取って、あっという間に独裁を成し遂げた。国会議事堂放火事件も「偽旗作戦」です。ひるがえって、今、日本の状況を見ると、参議院では11議席しか与野党の差はありません。野党の中にも改憲勢力は少なくない。同時多発テロ事件に見舞われたパリでは、令状のない捜査や逮捕が何百件も起きており、報道もされません。国家緊急権が決まれば、なし崩しに反対勢力を弾圧できるようになるかもしれない」

永井「ナチスは不当な目的で大統領令を発動、反対する政治勢力を弾圧しました。全権委任法では独裁期間を延長し、法律で3年と決められていたのが反故に。人身、表現の自由も束縛しました」

災害には使えない「戒厳」を実施、関東大震災の朝鮮人虐殺の一因に

永井「大日本帝国憲法は、元々、国家権力が強大に制定されていました。そこに国家緊急権が加わった。

 8条緊急勅令は、議会閉会中、法律に変わる勅令を発する。また閉会中、国家保持のため、緊急の需要に対応するため緊急財産処分が可能に。戒厳は天皇が宣告、統治の相当部分を軍事官憲に移行する。一度も行使されなかったが、戒厳を超える『非常権』もありました。

 緊急勅令を正常時でも濫用した。治安維持法の重罰化改正法案は審議末了で廃案になりましたが、緊急勅令で成立させました」

岩上「政治家は、『(法律は)小さく生んで大きく育てる』といいます。今、次々と危険な法律が生まれています。治安維持法が緊急勅令で改悪されたように、国家緊急権も同様に使われることが考えられます」

永井「戒厳は、戦争や事変、内乱を要件にしていましたが、脱法的に拡大されて、内乱でもない『日比谷焼打事件』、『2.26事件』、そして自然災害の『関東大震災』でも適用されました。

 戒厳令があっても変えず、緊急勅令を拡大解釈して組み合わせ、関東大震災では戒厳で自警団を軍の下部組織にし、朝鮮人を殺害したんです。本来、災害に使ってはいけない戒厳を実施したため、虐殺が起きたんです」

緊急事態条項は必要ない! 「国家緊急権」の危険性を慎重に考慮している日本国憲法

永井「だから、日本国憲法を作る際、ナチスや大日本帝国憲法の経験で、あえて国家緊急権を設けなかったのです。そのかわり、災害時のために参議院の緊急集会と政令の罰則を作りました」

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  1. 西遠寺 透 より:

    永井幸寿弁護士のお話を拝聴しました。結論にあたる「災害やテロをダシにして憲法改正してはならない」にいたるまで、18章からなる体系的な構築です。緊急事態条項について、法律には素人の私にも分かりやすく、知らないことも多々あって、眼から鱗が落ちる内容です。とくに第2章の「緊急事態条項の定義」は、繰り返し強調されても過ぎることの無い危険性を孕んでいます。
    第4章の「系譜」で、英米法と大陸法を分けて問題を整理されるところがとくに面白く拝見しました。近代以前からある王権神授と近代の天賦人権説を法体系の中で組み立てることにおいて、日本国憲法は緻密な論理を駆使していると理解いたしました。
    12章以降は主に災害と国家緊急権についてで、現場を知って仕事をしている永井さんの言葉には強い説得力があります。穏やかで物腰が柔らかい永井弁護士の、今回のお話は、「緊急事態条項」について、単行本一冊以上の内容をもつように思います。

    1. 上本 典紀 より:

      確かに棄民党の改憲草案は、「ざけんな」という他ないような人権抑圧であり、「民主主義」の欠片もありませんが、現行憲法を「手放しで」賛美するようでは、壊憲派と上手く闘えないと思います。

      「公共の福祉」って「定義が曖昧な言葉」だと言わざるを得ませんし、9条を額面通りに受け取ると「非武装中立」でなくてはならないので、却って「必要最小限の武装規模」が決め難くなり、militant連中のツッコミ所になっていると、私は考えます。抑も占領下に施行された法令なので、「軍隊」に関する規定は無くて当然でしょう。

      裁判所が行政、つまり自民党に逆らえないし、「最高裁判事の国民審査が有名無実」の悪しきsystemだって、自民党に有利な時期に恣意的に解散できる法案だって、女性天皇&宮家を認める為の皇室典範廃止だって、更には「同性婚」だって「婚姻は両性の合意に基づいてのみ成立」という文言があるから、改憲が必要になります。

      「護憲」ではなく、「平和と人権の尊重」というスローガンが正しいのではありませんか

  2. 猿の惑星 より:

    岩上さんがゲストの言葉を一々ちっとも分かりやすくもコンパクトにもなっていない表現で反芻するのが鬱陶しいです。
    やめてください。

  3. 小磯 清 より:

    急事態条項。当に憲法破壊そのものです。ナチス ヒットラーの全権掌握、そのものです。    絶対に許してはいけない。   これを許せば、民主主義は破壊される。

  4. 小磯 清 より:

    先の、東日本大震災ですら、緊急事態法的に必要だっただろうか。  10万人の自衛官の緊急出動、消防、警察、全国の自治体の緊急援助。全て、既存の法律、制度で、対処出来た。   この上の制度必要だっただろうか。 制度の問題で無く、あまりにも事態が急で大きすぎた。  私は各関係者に感謝致します。  この様な事態を逆手に取り、政権が全権を掌握するなど絶対に許せない。  この様な言い訳に憲法改悪賛成党、絶対に許せない。 

  5. 清沢満之 より:

    >災害には使えない「戒厳」を実施、関東大震災の”朝鮮人虐殺”の一因に

    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/関東大震災虐殺事件

    >テロと国家緊急権のまやかし「テロは犯罪。犯罪は、国家緊急権の発動対象ではない」

    【米国オレゴン州にあるマルヒュア国立自然保護区の本部が武装した150人近い市民に占拠された。武装した市民は「連邦政権の圧政」に抗議を表明し、これから先も他の自治政府の建物を占拠し、市民らに対して抗議に加わるよう呼びかけると宣言している。】
    http://jp.sputniknews.com/us/20160104/1403036.html#ixzz3wHAAj1vZ

  6. 宇佐美 保 より:

    「緊急事態条項」を憲法に盛り込むことの恐ろしさは、「2016/01/11 岩上安身による升永英俊・弁護士インタビュー ~緊急事態条項について」http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281877を合わせてご覧になるべきと存じます。
    そして、その恐ろしさを実感し、阻止いなくてはならないことを明確に示しております。
    「猿の惑星氏」の岩上氏へのいちゃもんは吹っ飛んでしまいます。

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