4月14日夜と16日未明に発生した熊本・大分大地震は、2週間以上が経過した今もなお、観測史上、例がないほど頻回の余震が続いている。震度1以上の地震は30日午後5時までに1087回にも上った。4月29日には、大分県中部を震源とする震度5強の地震も発生した。4月30日現在で、一連の地震による死者は49人にのぼり、今もなお3万7000人の人々が避難所での生活を余儀なくされている。
この震災を受けて、政府が示した姿勢は、「愚劣」、もっとストレートに表現するなら、「卑劣」と言ってよいものであった。菅義偉官房長官は、最初の地震が発生した翌日である4月15日の会見の中で、安倍政権が改憲による創設を目指している「緊急事態条項」について、「極めて重く大切な課題だ」と述べたのである。
しかも、菅氏のこの回答は、事前に用意された「八百長芝居」だった可能性が高い。
ニコニコ動画の記者(七尾功氏)が「今回のように予想もしなかった大きな地震が発生したことを踏まえ、早急な緊急事態条項の検討の必要性について、どうお考えになりますか?」と質問した。
これに対し、菅氏は手元のペーパーを読み上げ、「今回のような大規模災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るために国家国民自らがどのような役割を果たすべきかを、憲法にどのように位置付けていくかということについては、極めて重く、大切な課題であるというふうに思っています」と述べたのである。
事前に記者から質問取りをしていなければ、こんなペーパーは用意できない。しかも地震発生を受けての緊急会見である。常日頃から「何か重大事が起きたら、記者の質問にあわせ、緊急事態宣言の必要性を匂わせよう」という合意と準備が、政府内で、なかんずく官邸でできていなければ、こんなにスムーズに原稿を用意できるはずがない。
菅氏が緊急事態条項について「極めて重く大切な課題だ」と述べたことは、熊本・大分大地震という「惨事」を政治的に悪用し、国民にその中身を周知していない「緊急事態条項」の必要性をすり込んでゆく、悪質な「ドサクサ・ドクトリン」とでも呼ぶべき手法である。これは決して見過ごすことはできない。
私およびIWJでは、これまで、自民党改憲草案第98・99条に規定された緊急事態条項を創設することは、「ナチスの手口」に他ならないということを、繰り返し報じ、論じ、主張してきた。
改憲によって緊急事態条項が創設され、時の内閣によって緊急事態が発令されると、生存権も財産権も含めて、あらゆる国民の基本的人権は停止され、内閣が法律に代わる政令を自由に出し、予算措置も行うことができるようになり、地方自治はなくなり、あらゆる国民が国家権力に従属しなくてはならないと、憲法に書き込まれてしまうのである。
事実、ナチス・ドイツは、1933年2月27日に発生した国会議事堂放火事件をきっかけとしてワイマール憲法に書き込まれてしまっていた国家緊急権を発動させ、ヒンデンブルク大統領に緊急事態宣言を発令させ、共産党員ら反ナチス派をプロイセン州だけで5000人も逮捕した。そのことで反ナチスの勢力は潰え、約1ヶ月後の3月23日にはヒトラーに全権を与える全権委任法(授権法)が成立。ナチスによる独裁体制が確立されることになった。
今月、「岩上安身のIWJ特報!」としてお届けするのは、2015年12月19日に行われた、永井幸寿弁護士へのインタビューのフルテキストである。永井氏は、最も早く、この緊急事態条項の危険性を見抜き、発言してきた人物である。阪神・淡路大震災の際にはご自身も被災し、被災者支援法の成立に尽力し、東日本大震災の際にも被災者支援にかかわった立場から、「大災害の発生時において、必要なのはむしろ現場に最も近い市町村への権限の移譲。災害時に国家緊急権の発動は必要ないばかりか、危険である」と主張。その理由について、私に詳細に語った。
改憲をかけて「天下分け目の戦い」となる夏の参院選を目前に控え、大げさでなく、全国民、全有権者必読のインタビューである。ぜひ、全編をお読みいただきたい。
「緊急事態条項」の危険性を説き、対談で小林節・慶應義塾大学名誉教授を“説得”した永井幸寿弁護士が登場~「国家緊急権」の危険性、ナチスは緊急事態宣言によって独裁権力を手にした!
▲永井幸寿弁護士
岩上安身「みなさんこんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。本日は、『饗宴VI(※1)』の前日にあたるんですけれども、今回、『饗宴』でメインテーマにしている国家緊急権について、本編よりもより濃厚にとことんお話をうかがおうではないかということで、前日にもかかわらず、たっぷりお時間をいただきました。ご登場いただきますのは、日弁連(※2)災害復興支援委員会前委員長の永井幸寿先生。弁護士の方です。永井先生、よろしくお願いいたします」
永井幸寿氏(以下、敬称略)「よろしくお願いします」
岩上「永井先生は、IWJを実は全然ご存知なかったと」
永井「昨日まで知りませんでした。すいません、申し訳ない」
岩上「ありがとうございます。知らないままIWJにご登場いただいております(笑)」
永井「はい、すいません」
岩上「知らないまま、明日、『饗宴』にもご登場いただきます(笑)。『饗宴』とはどういうものか、どういうふうにしゃべるか、という打ち合わせを、先ほどさせていただいていたような次第です。先生ご自身でいわく、ちょっと世間には疎くなっているらしいんですけど。どうしてそんなに疎くなられたのかといえば、災害問題に取り組んで20年ということなんですよね?」
永井「そうですね。阪神淡路大震災(※4)で、事務所が全壊しまして、それ以降です」
岩上「先生、どこに事務所があったんですか?」
永井「神戸です」
岩上「神戸。じゃあ、被害はものすごかったでしょうね」
永井「もっとひどい被害にあった方はいっぱいいましたけどね」
岩上「直後に僕も現場に取材に入りました」
永井「そうですか」
岩上「三ノ宮の交差点とか、もうビルがぐちゃぐちゃになっていました。電車で大阪から神戸に近づくにつれ、だんだんだんだん倒壊している家が増えていく」
永井「はい。そのとおりです」
▲灘区国道43号線岩屋交差点周辺(1995年1月17日)ウィキメディア・コモンズより
岩上「すごかったですね。本当にあの時、この世のものとは思えない光景だと思いましたが、そのあと、東日本大震災(※4)で、もっとこの世のものと思えない、本当にあり得ない光景を目にすることになりました。民家の上に船がのっかっている(※5)なんていう、そういう信じがたい光景もありました。先生はその東日本大震災の時にも現地で復興支援をなさったと」
▲民宿の上に乗った遊覧船「はまゆり」――岩手県大槌町
永井「日弁連の災害復興支援委員会の委員長をやっていまして、それで日弁連の災害対策本部では、副本部長をやっていました。日弁連会長が本部長だったのですが、私は副本部長という立場でした。あの時はバタバタしておりました」
岩上「大変な思いをされていたんですね」
永井「日弁連だと、被災者支援法をだいたい12,3本作ったり(※6)だとか、4万件の法律相談(※7)をやったりだとか、ADR(※8)をやったりだとか、いろんな支援を行いました」
岩上「ADRってなんですか?」
永井「裁判外の紛争解決手続き。だから、調停みたいなもので」
岩上「ゆっくりやっていられないから」
永井「そうそう」
岩上「もうどんどん解決していかないと」
永井「そうです。原発の賠償のため、あるいは二重ローン解決のためのADRをつくったり。そんなことですね」
岩上「大変ですよね。被災している人、住宅ローンがまだ残っている家を失い、新たに家を買うと、ローンを二つ抱えることになっちゃう。もう一回、住居を持とうとすると、前の倒壊してしまった家とかマンションのローンの残債が残っている。これが、棒引きにならないんですよね」
永井「そうです。ならないんです」
岩上「本当に多くの人が苦しみましたよね。阪神淡路大震災で。神戸などは、一見すると、建物とかはきれいになりました。だけれども、そういう目に見えない問題が何年も何年も人を苦しめる。
そこへきて東日本大震災。今度は地震だけでなく、津波も。阪神淡路大震災の時には、津波はなく、人を苦しめていたのは、地震と火災だったと思うのですが、東日本大震災では地震、火災に加えて津波、そして原発と」
永井「そうですね」
岩上「これでは何年経っても、元の姿に戻れない。元の暮らしに戻れないという人たちがたくさん出て、今も続いているわけですよね」
永井「そうです」
岩上「本当にこういう状態の中、20年間ずーっとその被災地の人たちの苦しみに向き合っていれば、ちょっと世間については疎くなって、IWJなんて知らないとか、岩上安身って誰? ということになるのは本当に仕方がないことだと思います。
ですが、先生、ずっと僕ら、被災地のことを報じ続けてきました(※9)。これからお見知りおきいただければと思います」
永井「はい。ありがとうございます」
岩上「永井先生は災害のことだけにお詳しいのではなく、この国家緊急権についても大変お詳しい。国家緊急権(※10)とはなんぞやっていうことから、今日はお話をしていただくんですけれども。この問題が大変重大な問題である。少なくともこれから7ヵ月間、来年2016年夏の参院選、もしかしたら、衆参ダブルになるかもしれませんが(※11)、その時に、この問題が最大のイシューになるだろうと私は思っており、この問題について語れる論客はいないかと、実はここしばらく、あちこちを探していたんです。そうしたらいらっしゃいました、永井先生です。
永井先生は小林節(※12)先生との公開討論を行い、IWJではこれも中継しました。申し訳ないですけれども、永井先生がちょっと可愛らしい感じに見えました。小林先生はやっぱりちょっと圧倒的な迫力を持った――こう言っちゃあ悪いですが、ダースベイダー然としている感じで、圧倒的に強そうに見えるんです。
その小林先生が国家緊急権を必要だと言って、永井先生が、いや必要じゃないと真っ向から反論する。二人が公開の場でディベート、討論をし、一時間半経ったら、永井先生の言い分を小林節先生が全面的に受け入れて、『私は考えを改めた。国家緊急権は必要ない。特に今の権力に渡してはならない』と。こう小林先生がおっしゃった。
普通ディベートなんかやると、何が何でも自説を、牽強付会(※13)でもなんでも押し通す、我を通す。それで平行線で終わる。だいたい『朝まで生テレビ(※14)』なんてそうですよね。だいたいギャーギャー言って終わっちゃう。
しかし先日のお二人の討論は、すごく実があり、かつ理路整然としていて、転向と言うか、改心と言うか、そうしたドラマを小林先生が演じた――「演じた」というと言葉はちょっとおかしいと思いますが、見せてくださったわけですね。これには、ちょっと感動しました」
▲慶應義塾大学名誉教授・小林節氏
永井「やっぱり、小林先生、潔いというか、理屈がきちんと通っていれば、理解してくださる。公の場で、どこの馬の骨か分からない永井の話をちゃんと聞いてくださって、私も感動しました。あんなことって起きるんですね」
岩上「小林先生は本気で現在の政権の危険性というものを感じている人です。そうすると、『ちょっと待てよ』と。国家緊急権は必要だと、自分は考えてきたけれども、しかしそれは間違っていたんじゃないか、と。こういうふうに思い至るその道筋も、ご自身で口にしていました。とても分かりやすかったし、あの模様をIWJは全部中継して、しかも今ずっとフルオープンにしています(※15)」
永井「そうですか」
岩上「みなさんもぜひご覧になってください。永井先生が小林節先生を折伏している。そういうビデオなんですけども、これを見て、永井先生にお話をうかがわなければならないなと思いました。それでインタビューの申し込みをしたのですが、私、体調を崩したりなんかして、延期したりしまして、結局、饗宴の前日に実現したわけです。饗宴にご登壇いただけることにもなりまして、本当にありがとうございます。
なんと、昨日そのワイシャツを買ったそうですね。糊が効いてて、いい感じですが。どなたかにワイシャツとネクタイぐらい買えって言われて、昨日買ったって聞いたんですけれども」
永井「今日、映像に出るって知らなかったもんですから」
岩上「知らなかった(笑)。周りの人に『IWJに出る』と言ったんですよね?」
永井「はい。それで災害復興支援委員会の副委員長にコンビニに連れていかれて、それでこれを」
岩上「災害復興支援委員会の副委員長というのは、弁護士の先生ですか?」
永井「はい。女性の弁護士さん」
岩上「若い人たちはIWJを知っていたんですか?」
永井「みなさんご存知でした」
岩上「そうですか。みなさんありがとうございます」
永井「失礼いたしました」
岩上「その女性の若い弁護士さんたちがIWJを知っていたおかげで、くたくたのワイシャツでなく、パリッとしたワイシャツで今日お越し願えたわけですね。ネクタイもなんか新しく買われたとか」
永井「私の還暦祝いです。災害復興支援委員会の副委員長の女性二人と、あとはお医者さん。被災者の支援をやっている三人の方が」
岩上「お医者さんとは、青木正美(※16)先生ですか?」
永井「青木先生です」
岩上「青木先生には、IWJのサポート会員になってもらっているんです。私も患者としてお世話になっておりますが。青木先生がネクタイのプレゼントですか。そうですか。素晴らしい。ということで、本当に皆さまのサポートのおかげで、永井先生、今日バシッとしたお姿でおいでいただいて何よりです」
永井「ありがとうございます」
岩上「みなさんにも絶対に明日の『饗宴Ⅵ』を見に来ていただきたいんですが、ご登壇いただく第二部では、まさに国家緊急権の問題や立憲主義とか憲法について語るわけです。そこで最初にご登場いただこうと思っているのが、一人一票裁判、憲法の一票の格差問題の件で裁判を起こしていらっしゃる升永英俊(※17)先生です。全国で裁判起こしていますけど、そのリーダー格ですよね。升永先生も二ヵ月前まで、『国家緊急権、別にいいんじゃないの?』ぐらいで、『そんなに危ないもんじゃないだろう』と思っていたとか。
升永先生はナチス・ドイツの、授権法、全権委任法(※18)とも言われますが、この法律を通してナチスは独裁を確立したんだと思っていたと、昔からの知識で思っていたそうです。それが違うと。なんと、緊急事態宣言によって、独裁権力を手にした(※19)んだと気づいて、これは大変だということで、また自費で新聞広告をお出しになって(※20)、そういうふうに何人かの方々は危機感に火がついている。ここにもこの問題の大変さをご理解された方がいる。
それで明日は、升永先生にまずご登場いただきます。そしてそのあと、永井先生にご登場いただき解説していただこうと思っています。ほかにも何人かいらっしゃいますが、同じパートの中でSEALDs(※21)の奥田愛基(※22)さんも来る予定になっております。奥田君は若い人たちを率いているわけですが、若い人たちだけではなく老若男女の市民運動にも大きな影響とかリーダーシップを発揮している。そういう人にもお話を聞いてもらいたいなと思います」
永井「はい、そうですね」
岩上「また奥田さんがどう考えたかについてもお話いただこうと思っております。そんな構成になりますので、明日の『饗宴Ⅵ』にはみなさん、ぜひいらしていただければなと思います」。
(※1)饗宴VI:2015年12月20日、IWJは品川のTHE GRAND HALLにおいて「『国民』非常事態宣言! 露わになった『ナチスの手口』/国家緊急権を阻止せよ!」と題したシンポジウムを開催した。
テーマ1「米国の経済覇権の終わり?~AIIBの衝撃とTPP『砲艦外交』の正体」には、PARC事務局長の内田聖子氏、岩月浩二弁護士、政治経済学者の植草一秀氏、国際情勢解説者の田中宇氏、中央大学名誉教授の富岡幸雄氏、横浜市立大学名誉教授の矢吹晋氏が登壇。
テーマ2「違憲の『戦争法』強行可決から『明文改憲』による緊急事態条項導入へ~属国のファシズムを阻み、立憲民主主義を救い出せるか」には、学習院大・青井未帆教授、元宜野湾市長の伊波洋一氏、水上貴央弁護士、SEALDs奥田愛基氏、永井幸寿弁護士、升永英俊弁護士。
テーマ3の「『戦争』の過去・現在・未来~安倍政権の目指す『戦争遂行国家化』その帰結は!?」では、ジャーナリストの志葉玲氏、元陸上自衛隊レンジャー部隊所属の井筒高雄氏、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏、元外務省国際情報局長の孫崎享氏が登壇した。
IWJでは現在、この「饗宴VI」の模様を収録したオリジナルDVDを発売中である(ご購入はこちらから【URL】https://iwj.co.jp/ec/products/list.php?category_id=25)。
(※2)日弁連:日本弁護士連合会の略。1949年(昭和24年)、弁護士法第45条から第50条に基づき設立。日本では弁護士・外国事務弁護士として活動する場合、事務所を置く地域の弁護士会を通じて日弁連への登録が義務付けられている。
弁護士等は弁護士法22条に基づき、日弁連の定めた会則に従わなければならない。日弁連は、弁護士・弁護士法人・弁護士会の指導・連絡・監督・弁護士会への入会資格審査・懲戒に関する事務を扱うほか、さまざまな社会制度の整備に関する活動も行っている。死刑廃止、君が代斉唱時の不起立の自由のほか、安保関連法に対する抗議活動なども行っている(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1Xp3Vmf)。
(※3)阪神淡路大震災:1995年(平成7年)1月17日に発生した兵庫県南部地震による大規模地震災害。淡路島北部沖の明石海峡を震源とし、M7.3の兵庫県南部地震が発生。近畿圏の広域(兵庫県を中心に、大阪府、京都府も)が甚大な被害を受けた。
特に震源に近い神戸市市街地の被害は凄まじく、世界中に衝撃を与えた。戦後に発生した地震災害としては、その後に発災した東日本大震災に次ぐ規模である。死者 : 6,434名、行方不明者 : 3名、負傷者 : 43,792名(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1KkKYtG)。
(※4)東日本大震災:2011年(平成23年)3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波、およびその後の余震により引き起こされた大規模地震災害。
地震の規模はM9.0で、発生時点において日本周辺における観測史上最大の地震であり、さらにこの地震により巨大な津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらした。また、巨大津波以外にも、地震の揺れや液状化現象、地盤沈下、ダムの決壊などにより、各種インフラ、ライフラインが寸断された。
そして特筆しておかなければならないことは、この地震と津波により福島第一原子力発電所事故が発生したことである。震災による死者・行方不明者は18,455人(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1Rap7gh)。
(※5)民宿の上に船がのっかっている:岩手県大槌町で、遊覧船「はまゆり」が大津波によって建物の上に打ち上げられ、人々に衝撃を与えた。震災後、約2か月民宿のうえに乗ったままだったが、のちに撤去された(参考:Youtube ANNnewsCH【URL】http://bit.ly/1Ynh6nL)。
(※6)被災者支援法をだいたい12,3本作ったり:阪神淡路大震災で日弁連は震災関連立法を目指したが、成立しなかった。一方、東日本大震災では、各種立法の成立を実現している。
リンク先の日弁連のWEBサイトでは、東日本震災後の活動についてまとめた永井氏の文章がPDFで公開されている(参考:日本弁護士連合会【URL】http://bit.ly/240rG83)。
(※7)4万件の法律相談:日弁連では震災直後から各地で無料の面談及び電話法律相談を実施し、相談情報を集約・分析。東日本大震災無料法律相談情報分析結果として取りまとめる作業を行った。
2012年10月公表の第5次分析では、相談情報は約4万件に上り、日弁連では前記分析結果から1000件を選び出し、具体的な相談内容を記した「東日本大震災無料法律相談事例集」を発行した。事例集の基本的な内容に関するQ&Aは現在、日本弁護士連合会ホームページでPDFファイルとして配布されている(参考:日本弁護士連合会【URL】http://bit.ly/20sl681)。
(※8)ADR:インタビューでも語られているように、裁判外紛争解決手続のこと。一般にAlternative Dispute Resolutionの略称とされているが、「Alternative」ではなく「Appropriate」の略とする考え方もある(参考:独立行政法人国民生活センター【URL】http://bit.ly/1Q1NtCs)。
(※9)被災地のことを報じ続けてきた:IWJは、2011年3月の地震発生後から、東日本大震災について報道し続けている。発生後の現地の様子や、被災地の政治家へインタビューするなど、独自取材を敢行。東京電力や原子力安全・保安院(現・原子力規制委員会)による記者会見の中継の他、汚染ガレキなどの災害廃棄物処理問題、被災者の生活再建問題などに関連した各種シンポジウム・講演などについて取り上げてきた。直近では、2016年3月11日(金)、東京都千代田区の憲政記念館で行われた、 第五回 三月十一日 東日本大震災「祈りの日」式典も中継・配信した。
(※10)国家緊急権:戦争や災害など国家の平和と独立を脅かす緊急事態に際して、政府が平常の統治秩序では対応できないと判断した際に、憲法秩序を一時停止し、一部の機関に大幅な権限を与えたり、人権保護規定を停止するなどの非常措置をとることによって秩序の回復を図る権限のこと。
国家緊急権の類型は、いくつかの分類があり、各国の法によって、規定などが異なる。日本国憲法においては国家緊急権に関する規定は存在しないとする見方が多数とされている(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1NAJRGC)。
(※11)2016年夏の参院選、もしかしたら、衆参ダブルになるかもしれない:衆院選挙制度改革をめぐっては、安倍晋三首相が定数削減を含む公職選挙法改正案を、6月1日の今国会会期末までに成立させようと動いており、7月10日投開票が有力な参院選に合わせて、衆院選も行う「衆参同日選」の可能性が現実味を帯びている(産経ニュース、2016年2月24日【URL】http://www.sankei.com/politics/news/160223/plt1602230071-n1.html)。他方、大接戦を展開した4月24日投開票の北海道5区補選以後、衆参ダブル選挙は行わない、という情報が流されている(日テレニュース、2016年4月29日【URL】http://bit.ly/24ccSqm)。
(※12)小林節:法学者、弁護士。専門は憲法学。慶應義塾大学名誉教授。2015年10月21日、東京・千代田区の霞ヶ関コモンゲート西館にて、被災者支援に携わる有志弁護士の会が主催する『災害対策を理由とする【憲法改正】についての報道及び関係者向け意見交換会 ~緊急事態条項「国家緊急権」の創設は必要か~』が行なわれ、永井氏と小林氏はゲストに招かれ、熱い議論を繰り広げた(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1kqswcX)。
(※13)牽強付会:道理に合わないことを、自分に都合のよいように無理にこじつけること(参照:コトバンク【URL】http://bit.ly/1USWoy7)。
(※14)朝まで生テレビ:1987年(昭和62年)に開始したテレビ朝日系列(ANN系列)で放送されている討論番組。略称は『朝生』。司会は田原総一朗が務めている。
主たるテーマは政治、アメリカ、天皇、皇室、各種タブー、女性差別、朝鮮問題、原子力発電、部落差別、右翼、左翼、核兵器、経済、宗教、若者、戦後補償、安全保障、教育、援助交際、プロ野球、テレビ、メディア規制、憲法、年金、IT、中国、イラク、地方自治など(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1qgRq0Y)。
(※15)今ずっとフルオープンにしています:いったんは会員限定となったが、2016年4月現在、記事・映像の完全版は、IWJ会員のみ閲覧・視聴可能な状態に変更されている。震災を受け、期間限定。
(※16)青木正美:青木クリニック院長、関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。阪神淡路大震災時には、発災三日目から神戸市役所を拠点に二週間活動。東日本大震災でも、原発事故被災者の健康を守る提言を執筆した。ロックの会にも登壇している(参考:全日本民医連【URL】http://bit.ly/1qH04GQ)(参考:青木正美Twitterアカウント【URL】http://bit.ly/1TKmHVU)(参考:青木クリニック【URL】http://bit.ly/1qgTS7J)
(※17)升永英俊:弁護士(第一東京弁護士会)・弁理士。米国のコロンビア特別区及びニューヨーク州弁護士。
「一人一票実現国民会議」を立ち上げ、いわゆる「一票の格差」問題の啓蒙活動を行うとともに、自ら多くの違憲訴訟を提起している。
この運動組織には、升永氏のほか、元内閣官房・知的財産戦略推進事務局長である荒井寿光、株式会社角川グループホールディングス会長の角川歴彦、オリックス株式会社グループCEOである宮内義彦など、そうそうたるメンバーが顔を揃えている(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1MnXVtg)(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1SqdEUV)。
岩上安身は、2012年12月21日と2016年1月11日の2回にわたり、升永弁護士への単独インタビューを行っている。
(※18)授権法、全権委任法:全権委任法は、ドイツにおいて1933年3月23日に制定された法律で、アドルフ・ヒトラー首相が率いる政府に、ワイマール憲法に拘束されない無制限の立法権を授権したもの。この法律によって、国家社会主義ドイツ労働者党がすでに手中にしていた権力に一応の合法性が与えられることとなった。
法律の正式名称は「民族および国家の危難を除去するための法律」。この法律は授権法と呼ばれる、立法府が行政府に立法権を含む一定の権利を認める法律の一種で、ドイツ語および英語では、他の授権法と用語上の区別がなされていない。このため日本語においても単に「授権法」と呼ばれることがある(NETIB-NEWS、2015年11月13日【URL】http://bit.ly/22tVolT)。
(※19)緊急事態宣言によって、独裁権力を手にした:1933年2月28日、ドイツ、『緊急事態宣言』が出ると、わずか数日中に、プロイセン州だけで約5000人が司法手続きなしで逮捕・予防禁され、行方不明になった。1932年11月6日に行われた選挙では、66.9%の有権者がナチス以外の政党に投票していたにも関わらず、『緊急事態宣言』後の1933年11月12日の総選挙(投票率95%)では、ナチスを支持する票が、全体の92%になっていた。司法手続きなしの、逮捕・予防拘禁・その後の行方不明を知って、恐怖心と無力感と諦観から、ナチスを支持したと考えられる(NETIB-NEWS、2015年11月13日【URL】http://bit.ly/22tVolT)。
(※20)自費で新聞広告をお出しになって:2015年10月、升永氏は新聞各社に麻生太郎の「ナチスの手口に学んだらどうか」発言を取り上げ、自民党憲法改正草案の「緊急事態宣言」条項の危険性を訴える意見広告を掲載した。【URL】http://iwj.co.jp/feature/symposion6/masunaga.html
(※21)SEALDs:日本の学生団体、Students Emergency Action for Liberal Democracy – s(自由と民主主義のための学生緊急行動)の略称。2015年5月3日、安倍首相の政権運営や憲法観に対して危機感を覚えた学生らがSASPL(Students Against Secret Protection Law:特定秘密保護法に反対する学生有志の会)の後続団体という形で発足させた。
平和安全法制(安全保障関連法・安保法制、戦争法・戦争法案)に反対する国会前での抗議デモなどを行い、注目された(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1hOriH3)。
(※22)奥田愛基:大学院生で日本の市民活動家。平和安全法制(安保法制)に反対する「自由と民主主義のための学生緊急行動」(シールズ:以下「SEALDs」)の創設メンバー。
2015年9月15日、平和安全法制を審議する参院特別委員会の中央公聴会で、意見を表明する公述人として、奥田氏は大学の法学の名誉教授や元最高裁判所判事などと並んで意見を陳述した。
2015年12月1日、奥田は政党への政策提言などを行う一般社団法人「ReDEMOS -市民のためのシンクタンク-」を設立し、代表理事に就任している(参照:Wikipedia【URL】http://bit.ly/1RMOB2u)。
自民改憲がなぜ危険かつ不要なのか?
立憲主義ってなんなのか?
どうすればいいのか?
これらが全部わかるのがこのインタビューだと思います。
動画公開して下さい! 動画にすぐリンクできるようにして下さい!
選挙前に大量の文字起こしを公開されてますが、全部よめない。。
周りの人におすすめするなら、とやかく言わずにこのインタビュー動画みろ、と言いたいのです!
ちなみに私もこの動画を見るまでIWJはうさんくさいと思ってましたが、視聴後に考えを改めました
私もyuさんの意見に賛成です。IWJはこの動画を、新聞で言えば「号外」級の扱いにすべきだと思う。つまり無料で特別公開すべきだと思う。IWJは自民党の「緊急事態条項」案の危険性を指摘している。この指摘は、正に的を射ている。しかし、これを有料で公開することは、ジャーナリズムとしての社会的責任、つまりIWJ自身の存在意義を失うことになる。
日頃、IWJはこの条項の危険性を声高に唱えているが、無料公開しないのは、その本気度を疑う。本音は単に、金儲けしたいだけではないのか。
最も無料公開しただけでは、この情報が広がるとは思えない。こんな時間の長い動画では、誰も見る気が失せる。無料公開した上で、キャッチフレーズを考えてそのキャッチフレーズの拡散を視聴者にお願いしたらどうか。そのキャッチフレーズもワンクリックで簡単にフェイスブックやツイッターに拡散できるようにしたらどうか。
ジャーナリズムとしてのIWJの存亡を賭けて社会に公開すべきである。IWJさん、ご検討をお願いします。