【饗宴アフター企画第6弾】沖縄が、日本が、「最前線の戦場」にさせられる! 米軍の戦略に乗せられる日本〜「オール沖縄」が、米軍基地を拒む理由――岩上安身による伊波洋一・元宜野湾市長 緊急インタビュー 2014.12.20

記事公開日:2015.1.9取材地: テキスト動画独自
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(テキストスタッフ・関根かんじ)

 名護市長選、沖縄県知事選、衆院選。2014年、沖縄は何度となく「辺野古NO!」の民意を突きつけてきた。

 この民意は、辺野古新基地建設への反対だけにとどまるものではない。

 日本が集団的自衛権を行使するようになれば、米国の戦争の肩代わりをし、その際、まっさきに犠牲になるのが沖縄である。現に、米国の対中戦略「エア・シー・バトル」では、沖縄が、日本がまっさきに戦場になり、犠牲となることが想定されている。

 この年の沖縄は、辺野古移転に反対するとともに、「捨て石」にされることに「NO!」を突きつけたといえる。

 12月20日、「饗宴アフター企画第6弾」と題して、岩上安身が元宜野湾市長の伊波洋一氏に話をうかがった。

 「沖縄が中国軍に占領されることを前提に、米軍を再上陸させる離島奪還作戦が想定されています。オスプレイ配備もそのためでしょう。今、アメリカは中国との本格的な戦争を避け、南西諸島を舞台に、日本を戦わせようとしています」

 伊波氏は、米国は日本を守るつもりがないどころか、都合のいいように利用しようとしていると分析し、もはや「日米安保の意味がない」と指摘する。集団的自衛権の行使が沖縄にもたらすものはなにか。その裏にうずまく米国の思惑はなにか。伊波氏に聞いた。

記事目次

■ハイライト

  • 伊波洋一(いは・よういち)氏(元沖縄県宜野湾市長)
  • 日時 2014年12月20日(土)17:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京・六本木)

2014年の1年間をかけた沖縄のターンオーバー

岩上安身(以下、岩上)「伊波さんは『響宴』の第1回目から出演してくださり、すっかり常連になっていただいています。今回の『響宴V』の副題は『ギリギリからのターンオーバー』。ターンオーバーとは、ラグビーで相手ボールを奪って反撃に転じることです。

 2014年、沖縄は1年かけてターンオーバーした。名護市長選で稲嶺氏、沖縄県知事選では翁長氏がゴールを決め、先の衆院選では、4連続トライ(4選挙区すべてで非自民候補が勝利)を決めました」

伊波洋一氏(以下、伊波・敬称略)「衆院選では、特に4区無所属の仲里利信氏が、前自民党県連会長の西銘恒三郎氏を破った勝利が大きい。仲里氏は、前年まで西銘氏の後援会長でしたが、西銘氏が辺野古基地の建設容認となったことに、反旗を翻した。名護市長選の際、個人で稲嶺氏を応援した姿も記憶に刻まれています。

 照屋寛徳氏は前から強かったが、玉城デニー氏、共産党の赤嶺政賢氏の得票数は、いつもは2万票ぐらい。それが今回、5万票を超えた。知事選に続き、県民の力が結集した。勝てる選挙はこうやるものだ、というモデルを沖縄は全国に知らしめたと思います」

岩上「本土では、野党は急な衆院解散にうろたえてしまった。結果、動きがバラバラになり、共産党は躍進したけれど、他の野党との協力ができませんでした」

伊波「沖縄でも従来の革新共闘は、候補者がいったん離党した上での協力体制でした。今回、赤嶺氏、玉城氏、照屋氏は、所属政党のまま共闘できた。これは、この先々の選挙でも勝てる構図の基礎になる」

辺野古で戦った沖縄と、争点不在で忘れっぽい本土

岩上「そのような沖縄の取り組みが、他府県でもできるかどうかが、今後のポイントだと思います。今回の選挙では、事前に『自民圧勝』と大手マスコミが喧伝し、有権者のあきらめを誘ったということがありました」

伊波「野党が一致団結できなかった点は残念です。実際は、自民党支持者が多かったわけではない。2009年に自民党が大敗した時の得票より、今回の得票は下回っており、今回の投票率も52%と低い。国民の政治への不信感があったからだろうと思います」

岩上「権力側にとっては、有権者が選挙に行く気が失せるよう、政治不信があった方が好都合なんでしょう。マスコミも選挙を取り上げず、大衆レベルで盛り上がらない。自民党は、アベノミクスのダメージが浅いうちに選挙を済ませてしまった」

伊波「沖縄には、辺野古新基地建設問題という県民周知の大きな課題があったので、あのような結果になった。本土でも本当の課題が明確だったなら、国民の意思表示は違ったものになっただろうと思います」

岩上「バラバラに語られている原発、戦争、増税、改憲、秘密保護法などは全部つながっています。原発を抱えたまま改憲して、戦争に突入し、戦災というしわ寄せを国民に回すことになる。戦争回避、平和維持は大きな課題です」

伊波「本土の日本人は忘れっぽい。そこをうまく利用されているのではないでしょうか。沖縄では、辺野古で10年以上、高江で7年以上、普天間でも2年以上、座り込みなど基地反対運動を続けている。そういう現場での取り組みや継続が世論を作る」

岩上「そのような現場ではストレスがたまり、苛立って、つい短期決戦に走りがちです。しかし、沖縄の人々は自制して、座り込みという非暴力で粘り強くがんばり続けています」

伊波「沖縄の県民性だと思う。沖縄は、琉球王国の時代から中国や日本に領属し、小国としての身の処し方を学んできた。苛立たないこと、武力に訴えないことを培ってきた」

岩上「見習わなくてはいけませんね。今、日本を『武力で我を押し通す国』にしたい人たちがいて、あきらかにその方向に進んでいるが、それが外交面で通用するのだろうか」

伊波「今後、日本は相対的に経済力が落ちていくでしょう。アメリカや中国の何分の1という経済力の国になる。そういう立ち位置を自覚して、将来設計を立てるべきですね」

「小日本」として生きる意思が必要

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