2号機直下D-1破砕帯「活断層」と断定 規制委、最終報告書とりまとめへ ~敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 第5回評価会合 2013.5.15

記事公開日:2013.5.15取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 原子力規制委員会有識者チームは、2013年5月15日(水)に行われた「敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 第5回評価会合」で、「D-1破砕帯は活断層である」と明記した最終報告書をとりまとめる方向で一致した。

 「活断層である可能性が高い」というこれまでの表現から一歩踏み込み、「活断層である」と断定した。

■評価会合

■島崎委員長代理の記者会見

■日本原子力発電株式会社の規制庁訪問

  • 議題
    敦賀発電所敷地内の破砕帯について

 原子力規制委員会有識者チームは、15日に行われた「敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 第5回評価会合」で、「D-1破砕帯は活断層である」と明記した最終報告書をとりまとめる方向で一致した。「活断層である可能性が高い」というこれまでの表現から一歩踏み込み、活断層と断定した形だ。

 国の耐震設計審査指針は、活断層の定義について、「後期更新世以降の活動が否定できないもの」と定めている。規制庁の小林審議官は、「有識者のミッションの結果として、『活動性を否定出来ないもの』となると、活断層だと断定できるのではないか」と説明。学術調査などでは、「活断層」と認定されないような小さな活断層でも、原子力行政の世界では、「活動性が否定出来ないの」であれば「活断層」と認定するという定義に従った結果だ。

 敦賀原発破砕帯をめぐる有識者会合は、この日が最終日。有識者の一人、名古屋大学・鈴木康弘教授は、調査にあたった感想として、「これまでの審査は適切さを欠くものだったと強く感じる。活断層があるという絶対的な証拠がなければ、活断層であると認めない、という判断は許されない」と指摘。これまでの安全管理の怠慢さを非難した。

 規制委員会・島崎邦彦委員長代理は、有識者会合の締めに、「安全が低い状態を改善する第一歩を踏み出すことができた」とコメント。会合後の会見では、この第一歩について、「規制委員会が推進側と切り離されて作られた組織であること」が大きなきっかけになったとの認識を示した。

 一方、日本原電は即日、規制庁に対し、「厳重抗議」と題した抗議文を提出した。「客観的な事実やデータによる裏付けを根本的に欠く」とし、結論の再考を訴えた。

 この日に取りまとめた報告書は、島崎委員が規制委員会に提出し、審議にかけられる。また、今後、「後期更新世以降の活動が否定出来るデータ」が発見された場合にのみ、再び有識者らが収集され、評価の見直しが行われる可能性は残っている。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です