インタビュー第2弾の後半では、中国が世界最先端を独走する第6世代移動通信(6G)とフィジカルAIについて、富坂氏に詳しく解説していただいた。
6Gは、現在主流となっている5Gと比べ、通信速度、遅延、信頼性などで、10倍から100倍性能が向上する。さらに、空中、宇宙、地上、海上を網羅する接続能力を形成し、AIとの一体化での利用が見込まれている。
中国は、2030年に6Gの商用化の実現を見込んでいる。
富坂氏は、6Gで実現する未来図を、次のように語った。
「ここでやってるのは、いろんなものを自動で動かすという世界に入ってきます。
朝起きて、自動運転の車に乗って、その自動運転の通信の精度も、ものすごく高まりますので、それに乗ってテレビを見ながら、いつの間にか会社に着いている。
帰りには、(車の中で)やっておかなきゃいけないことをやって、『家族何人分のご飯を何時に届けてくれ』と言うと、着いた瞬間に誰かが、ひょっとしたら機械が、ご飯を届けてくれるみたいな、そういうのが、この話ですよね」。
続いて、中国で行われた「世界ヒューマノイドロボット競技大会」を、2025年の第1回大会、2026年の第2回大会とも見てきた富坂氏に、フィジカルAIについてうかがった。
今年行われた大会では、自律型ロボットが、100m走で人類最速のウサイン・ボルトの9.58秒を超え、9.39秒を記録したことが、大きな話題となった。
しかし2025年の大会では、100m走で優勝した人型ロボットの記録は、21.5秒だった。
たった1年で大きな進化について、「これがチャイナスピードですよね」と述べた富坂氏は、次のように語った。
「本当に、目の前で進化していく。
新しいものを出すと、『すぐ見てくれ、すぐ来てくれ』という感じで見せられる時もあるんですけど、『えっ!?』て思う時もあるんですよ。『ちょっとこれ、まだ未完成じゃないの!?』みたいな。
そういう時もあるんですけど、それがみるみる変わっていくんですよ。
これは、中国あるあるで、その時に日本人は、『やっぱり中国だ』という感じで受け取るんだけど、『それは違うよ』ということですよね」。
今年2026年の大会では、参加した666チームのうち、641チームが中国勢だった。
日本からはGMOが1社だけ参加していたという富坂氏は、「アメリカや韓国からも参加していますが、ただ、部品まで入れると、中国の数字が高まります」と述べ、「日本のロボットといっても、ロボット(の部品)そのものは中国製というのが多いです」と明らかにした。
富坂氏によると、中国ではすでに、病院での手術支援ロボットや、深海で作業する自律型ロボットが実用化されている。また、山岳地帯での高圧線メンテナンスや、洋上風力発電の現場、災害救援にも、ドローンやロボットが導入されている。
さらに、富坂氏によると、ヒューマノイド・ロボットは、すでに量産体制に入っているとのこと。
こうした急速な技術の進歩について、富坂氏は、「お金が集まっている」と、以下のように説明した。
「何でこんなことができるかというと、この(会社設立から1年で量産体制に入ったヒューマノイド・ロボットメーカーの)社長さんは、有名な技術者なんです。
いろんなところ(会社の創業者)は、ファーウェイとかで有名だった技術者という人が多いので、投資家も会社を設立する前から目をつけているわけです。
前に、アリババだったかファーウェイだったかが言っていましたが、自分達は末端の製品も作っているんだけど、『トマトやキュウリも作るけど、畑でもある』という言い方をしていました。
『こうした技術の基礎のところも、我々は持っているんだよ』という言い方をしていました。
ロボットでは、そういう関係で出てきた技術者が、結構います」。
他方で、中国では2025年にロボット生産企業が93万社と、前年比45%増加し、かつて産業用ロボットで圧倒的な首位を占めていた日本は、劣勢に立たされている。
その背景に、急速なAIの発展があることを、富坂氏は以下のように説明した。
「考え方としては、脳みそから先に作るか、身体から先に作るかということです。日本は、たぶん身体を作ることが得意だったんです。
これは、EVもそっくりです。EVも結局のところ、頭がないとダメなんですよね。前回も説明しましたが、今の中国の若者は、足回りとかそういうことで車を買いませんから。画面の中で何ができるか、ということが圧倒的なので。
ドイツの車なんかも、もう完全に、中国抜きには車を作れないというふうになっている。
これ(ロボット)もそれと同じで、結局、(中国は)頭を持ってますから、そこからどういうボディを作っていくのか、というところなんです。
でも実際のところを見ていると、身体を作る技術も、(中国は)強いですね。同じような性能のものを、安く作る技術が、中国の方がありますから。その産業集積度も高いですから。
だから、そういうことでいうと、結局最後は、身体を作るところも、(日本は中国に)だんだんやられてきている、ということですね」。
YouTubeのメンバー限定動画【2】では、急速な技術進化の背景にある中国企業の競争率の激しさや、世界中から優秀な頭脳が中国に集まっている現実などについて、富坂氏が詳しく語っている。
また、会員向け完全版【2】では、上記のメンバー限定動画の内容に加え、岩上安身が若い時に取材で訪れたロシアの話を、中国と対比させて語っている。さらに、学歴社会の中国での競争率の厳しさに伴う、高学歴の失業問題などについても、語りあっている。
■【2】エッセンス版
【2】のメンバー限定動画は、以下のURLで御覧いただけます! こちらの内容は、ハイライト版には収められていないので、Movie IWJのメンバーとなって、詳しいお話をお聞きになってください!
【メンバー限定・2】人型ロボットで急速に完成度を高める技術力が「チャイナスピード」! 産業用ロボットでも、今や日本は劣勢に! 岩上安身による拓殖大学教授・ジャーナリスト 富坂聰氏インタビュー 第2弾
https://youtu.be/2P4zag03N8o
































