「第三次、第二次の下請け労働者には、ボーナスもなければ、賃上げもない。危険手当の半減や廃止で、実質、賃金が下がっている!」~4.10 被ばく労働者の労働条件改善を求める2024春闘集会 2024.4.9

記事公開日:2024.8.8取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2024年4月10日午後6時30分より、東京都文京区の文京区民センターにて、「被ばく労働を考えるネットワーク」の主催により、「被ばく労働者の労働条件改善を求める2024春闘集会」が開催された。

 主催の「被ばく労働を考えるネットワーク」は、原発労働者および被曝問題に直面する様々な労働者が、それぞれの労働現場において被曝問題に関する情報を共有し、意見交換し、自主的な安全点検や労働相談などができるように、支援を行う団体である。

 また、被曝労働問題を通じ、福島とそれ以外の労働者の交流をうながし、政府・自治体・事業者・雇用業者に対する共同の取り組みを行い、学習会やシンポジウムを開催し、被曝労働問題の社会化を進めることを目指している。

 この日、春闘集会に先立ち、「被ばくネットワーク」と原発関連労働者ユニオンは、竹中工務店東京本店(江東区)、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(港区)、経済産業省(千代田区)にて、一連の抗議・申し入れ行動を行った。

 集会では、その抗議・申し入れ行動についての報告が行われた。

 原発関連労働者ユニオンの書記長であり、自身も2014~2015年にかけて、福島第一原発での廃炉作業に携わった経験がある池田実氏は、経済産業省での申し入れ行動について、次のように語った。

 「日々、廃炉作業に携わっている労働者の福利厚生、そして、労働条件について、この間、ずっと経産省に対して、要求を行ってきました。(中略)

 (要求の)メインとしては、やはり労働者の賃上げですね。賃上げの問題について、どう考えているのか、と。経産省として、今、価格転嫁とかいって、経産省自体が『賃上げをしろ』ということをうながしている中にあって、福島現地ではどうなのかと。

 私自身、2014年、2015年、仕事をしましたけども、それからもう7、8年経っているにもかかわらず、賃金は一切変わっていない。むしろ、下がっている状況があるんですね。

 下がっているというのは、具体的に言えば、『危険手当』という、今まで『全面マスク』だった地域がどんどん少なくなって、それが『半面マスク』の地域・エリアに変えられてるという、『環境整備』という名のもとに、『装備が簡単になったんだから、危険手当も半分にする』とか『0(ゼロ)にする』とかいうことが行われていて、実質、賃金が下がっていると。

 で、同じ仕事をしている正社員、ゼネコンの正社員、あるいは一次下請けの正社員は、『今年のボーナスはどうだった』とかという話をしているわけですね、社員同士で。

 にもかかわらず、第三次、第二次の下請け労働者には、一切その『おこぼれ』もないという。ボーナスもなければ、賃上げもないという状況が、ずっと、この十何年間変わってないことに関して、『経産省は、東京電力に対して指導しろ』ということで、去年も訴えてきましたし、今年も、それをメインに訴えてきたわけです」。

 これに対して、経済産業省側は、「今後、要請については、東電に伝える」と回答し、原発関連労働者ユニオン側は、重ねて、「東電側から具体的にどのような応答があったのかについて、教えて欲しい」と要求した。

 春闘集会の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画 前半

■全編動画 後半

  • 日時 2024年4月10日(水)18:30~
  • 場所 文京区民センター 2A(東京都文京区)
  • 主催 被ばく労働を考えるネットワーク(詳細

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