2023年10月19日午後5時より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、「立憲フォーラム」と「戦争をさせない1000人委員会」の共催による院内集会が開催された。
集会では、神戸学院大学名誉教授で神戸市東灘区住吉の合気道道場「凱風館」館長の内田樹氏が、「日本の没落」と題して講演を行った。
講演で内田氏は、2011年3月11日の東日本大震災について、次のように語った。
内田氏「(前略)やっぱり、すべてが3.11なんですよね。あれがなければ、もうちょっと日本も変わっていたと思うんです。
でも結局、『3.11ショック』というのをきちんとうまく受け止めきれなくて、3.11の直後というのを、皆さん記憶にあるんですけど、これで日本は変わるんじゃないかと思った人は、いっぱいいると思うんですよね。僕も思ったんですよ。さすがにこれで日本は変わるだろうって。
もう、新自由主義とか、そういうのは終わるだろうと思って、これからはみんなで、とにかく日本に残った限りある資源をみんなで守って、お互いに助けあって、相互支援・相互扶助の温かい社会を作っていこうって。もう、お金儲けに邁進するのはやめようっていう、そっちの方に国論全体がシフトしていくかなと思ったら、ならなかった。
結構これは、僕、ショックでですね。半年間くらいはそういう雰囲気が、確かにあったんですよね。これは、保守党の政治家、石原慎太郎でさえ『天罰』って言ったわけですからね。自分たちがやってきたことは間違ってたって認めたわけですよね。一体何が間違ったのか、ちょっと彼の頭の中はわかりませんけどもね。
でも、とにかく方向転換しなきゃいけない。そういう意識はあったと思うんですよね。
それからあと、また何か知らないけど、元に戻っちゃって。元に戻ったっていうか、訳のわからない方向に走り出して、10年間。今、非常に日本の没落というのは、今日のタイトルですが、急速に国力が衰えている」。
内田氏は、日本の国力が衰えた理由を、「管理と生産」というキーワードを使って、次のように分析・説明した。